東京1区の区域は千代田、港、新宿の3区で、省庁や大企業の本社が集中する日本の政治経済の中心地。
昼間人口は多いが、他地域から通勤している人が多数を占めており、街頭演説をしても票になかなか結びつかないことが陣営を悩ませている。
都道府県庁が置かれる各県1区の中でも、東京1区は自民党大物候補が野党に苦戦する「1区現象」がしばしば起こる選挙区だ。
平成8年以降の4回の衆院選で、自民の与謝野馨氏と民主の海江田万里氏が2勝2敗。ともに選挙に強いとはいえず、
民主では一時、小沢一郎代表代行の東京12区に代わる国替え出馬が取りざたされたこともあった。
与謝野氏は安倍・麻生内閣で重要閣僚を務め、昨年9月、党総裁選にも出馬したことで知名度や存在感が向上、
当初は優位な戦いが予想された。
一方の海江田氏は「風頼み」の側面が強かった前回までの選挙を反省し、支援者宅訪問などに力を入れ始め、
「官僚政治からの脱却」を掲げて準備してきた。
内閣支持率低迷のあおりを受け、7月の都議選では千代田区で議長経験もある大物自民都議が民主新人にまさかの敗北。
危機感があらわな与謝野陣営とは対照的に、海江田陣営に勢いが出てきている。
共産の冨田直樹氏は街頭演説で消費税アップ反対や雇用の安定、中小企業支援などを訴え、知名度向上を図っている。
幸福実現党からは、かつてニュース番組のキャスターも務めたフリーアナウンサー、田中順子氏が立候補する。
このほか、国政選挙に何度も立候補した「世界経済共同体党」代表の又吉光雄(イエス)氏と鬱病(うつびょう)や自
殺対策に力を入れるという「日本スマイル党」の総裁、戸並誠(マック赤坂)氏も立候補の意向を表明している。
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