【ワシントン=伊藤宏】オバマ米大統領が連邦最高裁判事に指名したソトマイヨール・ニューヨーク
連邦高裁判事の指名承認公聴会が13日、米上院で始まった。承認されれば中南米系で初の
最高裁判事となるが、共和党からは人種問題をめぐる同氏の発言への批判が相次いでおり、
人種問題への見解が一つの焦点になりそうだ。
共和党側は、ソトマイヨール氏が01年の講演で少数派としての出自にふれ、「経験豊かな賢い
中南米系の女性の方が、そうした経験のない白人の男性よりよい結論を出せるだろう」と語っていたことを
問題視している。
この日の公聴会でも、民主党側が承認に賛意を示したのに対し、共和党の上院議員が「個人の出自、
性別、偏見、同情が判決に影響を与えても許されると考えているのではないか」と指摘。別の議員も
01年の発言をとらえて、「性別、人種や経験に基づく偏見を法解釈に反映しても許されるという
ソトマイヨール氏の見解を裏付けたものだ」と批判した。
これに対し、ソトマイヨール氏は「多くの上院議員が私の判事としての哲学を聞くが、答えは簡単。
法に忠実であることだ。判事の仕事は法律を作ることではなく、法を適用することだ」と述べた。
最高裁判事は過去に110人が任命されているが、女性は2人、非白人も2人だけ。それだけに、
中南米系女性のソトマイヨール氏の指名は反響を呼んでおり、米テレビが生中継を交えて公聴会の
模様を終日流すなど、全米が注目している。公聴会は今週いっぱい実施される。
http://www.asahi.com/international/update/0714/TKY200907140089.html