過去最大の売り上げか、海賊版に苦戦か−。
4年半ぶりの新作登場に市場の期待が高まる「ドラクエ」。
しかし、ニンテンドーDSは「マジコン」と呼ばれる機器を使った海賊版ソフトの利用が横行。
インターネットでDSのゲームソフトのデータを不正入手できるため、
正規のソフトを買わずに海賊版で遊ぶ事態となっている。
新作のドラクエ9には不正コピー対策が取られているとみられるが、ハッカーらに破られる可能性もあり、
業界関係者は「売り上げに少なからず影響するのでは」と危惧(きぐ)している。
「今年最大のヒット作になるのは確実だ」(ゲーム雑誌出版「エンターブレイン」の浜村弘一社長)。
ドラクエシリーズは昭和61年の第1作発売以来、世界累計4700万本以上出荷している人気作品だけに、関係者の期待は大きい。
しかし、こうした勢いに冷や水を浴びせそうなのが、世界中に蔓延する海賊版ゲームソフトだ。
国内外の総販売台数が1億台を突破したDSの場合、ネットで不正にダウンロードしたゲームデータを起動する機器
「マジコン」を利用した海賊版の被害が特に深刻で、コンピュータソフトウエア著作権協会によると
一昨年末までの被害推計は約3000億円。マジコンの普及が進むと、ゲームソフトメーカーはそれだけ大きな痛手を受けることになる。
海外市場ではマジコンが猛威をふるい、ゲーム機本体よりもゲームソフトの販売台数が少ない“逆転現象”まで起きており、
あるゲームソフトメーカーは「ゲームソフトでは全くもうけられない時代になった。
ドラクエシリーズといえども例外ではないはず」と本音を漏らす。
メーカー側も、開発したソフトが不正に利用できないようコピーガードするなどして対処しているが、
マジコンはバージョンアップが続き、「プロテクト外し」と呼ばれるハッキングも横行。
抜本的な対策は取れていないのが実情だ。
ドラクエ発売元のスクウェア・エニックスは「個別のソフトウエアについて
どんな対策を取っているかは公表していない」としている。
http://sankei.jp.msn.com/entertainments/game/090711/gam0907111529001-n1.htm