7月9日付・まるで繰り返し
2009/07/09 09:19
まるで繰り返しだ。中国の新疆ウイグル自治区で、漢民族とウイグル族の対立から150人以上が亡くなった。
その構図は昨年3月、チベット自治区で起きた大規模暴動とあまりに似ている。
ともに背景には、漢民族に対する少数民族の不満がある。どちらの地区も第2次大戦後、人民解放軍によって「占領」された。
漢民族が移住してくるようになって発展もしたが、その果実を得るのは中央とつながりがある漢民族ばかりだった。
それでいて少数民族に対しては、宗教的に抑圧したり漢語の使用などを強制したりする。ウイグルの場合、頻繁に核実験も行われている。
先祖伝来の土地を蹂躙[じゅうりん]される怒りは、チベット以上に積もっていたのではないだろうか。
前回も今回も、政府は少数民族側に非があるとする。
前回はチベット仏教最高指導者のダライ・ラマ14世が、今回は世界ウイグル会議を率いるラビア・カーディルさんが扇動したと主張する。
ともに亡命中の彼らの言い分は、国内では制限される。
ここまで重なると、もはや偶然ではあるまい。問題が繰り返されるのは、根本に原因があると考えるのが自然だ。
民族政策を改善し不満解消に努めなければ、何度力で押さえつけても、同じことが繰り返される恐れがある。
残念なことに、こうした惨事にならなければ、世界の関心が集まらなかった点もよく似ている。
チベットの時は、その関心も後の四川大地震で薄れてしまった感があった。今度も繰り返されるのだろうか。
http://www.shikoku-np.co.jp/kagawa_news/column/article.aspx?id=20090709000106 偶然だが、今日、東洋史の卒論の審査で、
また先生とケンカした。