変死体の検視などに立ち会う県警察医として、長年にわたり捜査に協力してきた能代市中和の「小野医院」院長で外科医の小野雄司さん(65)が、警察庁長官の警察協力章を受章した。
小野さんは能代署管内で1985年から24年間、多い年で年間約90体、計800体以上の検視に立ち会った。死因の特定できない死体が見つかれば昼夜を問わず呼び出され、
切断された死体や腐乱死体を目にし面食らったこともある。
死因の判定は医師でも慣れないと難しいとされるが、「誤ると亡くなった人に失礼だから」と、正確さを肝に銘じる。切断された遺体の身元が判明し遺族の元に返った時は、正直に「良かった」と感じ、
自殺と見られる遺体と向き合ったときには、「なぜこんなことを」と思いやった。
県警監察課によると、普段の診療に充てる時間を検視に割かれる場合が多いため、警察医のなり手は不足しているという。それでも、小野さんは「誰かがやらねばならないから」と自らに強い使命感を持つ。
6日、県警本部で西川直哉本部長から警察協力章を手渡された小野さんは、「今後も警察医を続けていきたい」と語った。
(2009年7月9日 読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/akita/news/20090709-OYT8T00085.htm http://www.yomiuri.co.jp/photo/20090709-661370-1-L.jpg