大手清酒メーカーの菊正宗酒造(神戸市)は8日、
今年で創業350周年を迎えるのを機に、同社の清酒の約4割を伝統的製法である「生(き)もとづくり」で生産すると発表した。
消費者の清酒離れが進む中、製法や品質にこだわることで清酒市場の活性化を図るのが狙いだ。
同社は9月以降、「真・辛口宣言」をスローガンに、従来「特撰」クラスのみだった生もとづくりを「上撰」クラスに拡大する。
同日記者会見した嘉納毅人社長は「創業の原点に戻り、品質で消費者のニーズに応えたい」と語った。
生もとづくりは、清酒の醸造に必要な酵母を乳酸菌を使って育てる江戸時代から続く酒づくりの技法。
人工的に酵母を育成する「速醸もとづくり」と比べ、辛口で奥行きのある清酒に仕上がるのが特長という。
菊正宗酒造では、これまで杜氏が気温の低い冬場に行っていた生もとづくりを、年間を通じて可能にする製法を開発。
最新の設備を導入し、年間の生もとづくりによる清酒生産量を100万本(1・8リットル瓶換算)から400万本に拡大する。
上撰クラスの価格は据え置く。
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