http://www.yomiuri.co.jp/entertainment/news/20090707-OYT1T01016.htm 野球人気で急上昇…BS放送“視聴率”過去最高に
BSデジタル放送の視聴率にあたる接触率が、ゴールデンタイム(G帯、午後7〜10時)で急上昇している。
BSデジタル民放5局が先ごろ発表した今年4月の接触率は、2005年の調査開始以来、過去最高を記録した。
発表によると、5局のG帯週平均接触率の合計は14・5%。前回調査(2月)から5・2ポイントも増え、これまでの
最高だった06年11〜12月の11・0%を3・5ポイント上回った。全日(午前6時〜深夜0時)でも1・2ポイント
上昇した。
接触率を押し上げた最大要因はプロ野球中継。4月25日にBS日テレで放送された巨人―中日戦は、BS全番組で史上
最高の13・5%を記録。調査期間中にBS日テレで放送された巨人戦5試合は、すべて10%を超えた。
BS各局はプロ野球中継に力を入れており、特にBS日テレは今年、昨年の2倍以上となる
52試合の巨人戦を延長対応で中継する予定。地上波の日本テレビは42試合から26試合に
激減しており、プロ野球中継が地上波からBSに移行している様子がうかがえる。
また、BSがこだわってきた、画質や音質の良さを生かした紀行番組が好調なのも、接触率
上昇の原因の一つ。BS日テレの「トラベリックス3」やBS―TBSの「世界・夢列車に乗って」などが今回、過去最高の
接触率を記録した。
BSの普及率が46・7%に達し、一部新聞でBSの番組表が地上波と同じ最終面に掲載されるようになったため、
「見てみようという人が増えている」(BS朝日)ことも背景にある。
東京工科大の碓井広義教授(メディア論)は「地上波のテレビ局は近年、購買意欲の旺盛な
若い世代を意識し、中高年層が排除されつつある。BSに知的満足度の高い番組の多いことがようやく気づかれ始めた」
と指摘する。
再来年以降、BSのチャンネル枠が拡大されることをうけ、総務省は6月、WOWOWなど8社・団体に電波割り当てを
認定しており、ますますBSの接触率は伸びていきそうだ。(小林佑基)