もうやめて! 漫画のライフはゼロよ!
“原作レイプ”という言葉をご存知だろうか。漫画や小説などを元に作られた二次作品が、
原作からかけ離れた駄作であった場合に使われる侮蔑用語である。漫画のドラマ化が当たり前となった今、原作レイプを目にする機会も増えてきた。
漫画とドラマはまったくの別物である。静止画の集まりで音も出ない漫画は、技術的にはドラマに劣るであろう。
しかし漫画でしか表現できないものが確実に存在する。漫画ならではのおもしろさを、ドラマでどう表現するかが成功の鍵となるのだ。
漫画をそのままドラマにすることは不可能だし、なんの意味もない。稀に生まれる漫画原作の大ヒットドラマは、たいていが原作にはないテイストを加えているものだ。
漫画家をはじめ多くの関係者が血反吐を吐く思いで作り上げた作品のおいしいところだけを頂こうとしても、そうは問屋が卸さない。どうすればよりおもしろくなるかの模索は絶対に必要である。
ドラマとして成功するためには原作に忠実である必要はない。原作通りではテレビ的に好ましくない表現をややソフトにして世界観を台無しにするくらいなら、
そんな要素はばっさり切り捨ててしまえばいいのだ。高校生の喫煙がまずいからといって、代わりにキャンディをくわえさせることになんの意味があったのか。
初めから喫煙する設定をなくせばよかっただけの話ではないか。たとえ原作からかけ離れていようとも、おもしろくなれば問題ない。つまらないから原作レイプだと言われるのだ。
二次作品の作り手たちよ。ドラマ化しようと思った漫画をもう一度じっくり読み、考えてみてはくれないか。本当におもしろいドラマになるのか?
そのために必要な+αは? 商売である以上利権も確かに重要だが、つまらないものにお金はついてこないことなどわかりきっているではないか。
ドラマ化にあたり原作を生み出すのと同程度の煩悶を、とまではいわないが、近いものは持っていてもらいたい。お気軽な映像化による原作レイプはもうたくさんだ。
http://japan.techinsight.jp/2009/07/miura200907022238.html