「このままでは命がなくなる」などと不安をあおって高額の印鑑を購入させたとして、東京の印鑑販売会社の社長ら
が逮捕された事件で、この会社の事務所から、「いい人は財のある人」などと書かれた文書を警視庁が押収していた
ことがわかりました。
警視庁は、印鑑の購入者から資産状況などを聞き出し、多額の資金を引き出そうとした疑いがあるとみて調べています。
この事件で、東京・渋谷の印鑑販売会社「新世」の社長、田中尚樹容疑者(51)らは、渋谷駅前の路上で声をかけた女性5人に
「このままでは命がなくなる」などと不安をあおって、印鑑13本をおよそ420万円で購入させたとして、特定商取引法違反の疑いで
逮捕されました。
警視庁は、統一教会・世界基督教統一神霊協会の幹部がかかわっている疑いがあるとして、関連先として統一教会の施設などを
捜索して捜査を進めています。警視庁によりますと、ことし2月、新世の事務所を捜索した際、営業部長の古澤潤一郎容疑者(40)の
パソコンから「いい人は財のある人」「財のある人でないと始まらない」などと書かれた文書を押収したということです。
また、新世では「資産家」のことを「篤志家」と呼んでいましたが、文書には「篤志家を選ばなくては目的を完遂できない」という記述も
あったということです。
これまでの調べによりますと、新世は印鑑の購入者に「先祖の供養が必要だ」などと言って、家系図などを書かせながら家族の職業や
資産状況を尋ね、印鑑のほかにも、高額な水晶や絵画、それに朝鮮にんじんの購入を勧めていたということです。
警視庁は、新世が印鑑の購入者から資産状況などを聞き出し、資産家を狙って多額の資金を引き出そうとした疑いがあるとみて
調べるとともに、統一教会のかかわりについて捜査を進めています。
http://www3.nhk.or.jp/news/k10013623591000.html