王子製紙、太陽電池などの効率高めるナノサイズ微細構造作製技術を開発
http://eco.nikkeibp.co.jp/article/news/20090612/101626/ 王子製紙基盤技術開発研究所は、数十〜数百ナノメーターサイッズのドット型周期微細構造を作製する新規技術の開発に
成功したと発表した。これにより、太陽電池の発電効率やLED(発光ダイオード)の光取出し効率の向上に寄与できるという。
微細凸凹構造は光学素子や記録媒体などに利用されているが、従来の製法では、微細凸凹構造を大面積で安価に、簡便に
形成するのが難しかった。王子製紙では、直径25nm〜1000nmの粒子を精度よく単層に配列した状態で物体の表面にコーティングする
技術を確立。さらにコーティングした粒子をマスクにしてエッチングすることで、円錐から円柱状のドット型周期微細構造を作製できたという。
この方法による凸凹構造作製は、従来の製法に比べて低コストで、大面積にも短時間で形成できるのが特徴だ。
物体の表面に微細突起物を設けると、物体の表面は屈折率が徐々に変化するため、反射防止機能が得られる。
今回開発された技術で作製した微細構造体を型にして樹脂成型品を作製すると、可視光領域で0.2〜0.3%の反射率の
反射防止体になるという。この反射防止構造は、シリコン表面に直接加工することもでき、これを応用すると太陽電池の
発電効率やLEDの光取出し効率の向上が期待できる。 (日経エコロジー/日経BP環境経営フォーラム)