【速報】おとじつ６

494 名前： チドリソウ(東京都)[] 投稿日：2009/06/13(土) 00:24:40.27 ID:32cNxekE
お止め組が実況


けいおん！紅茶267杯目
http://hideyoshi.2ch.net/test/read.cgi/anime/1244738651/184
184 名前：雑用＠お止め組。 ★[sage] 投稿日：2009/06/12(金) 02:28:34 ID:???
京アニま〜た学祭エンドか？


スレスト野郎がけいおんスレで実況。腐ってやがる


まえ
【速報】お止め組が実況　腐った２ちゃん運営の実態★５
http://tsushima.2ch.net/test/read.cgi/news/1244821376/

と見せかけて

　　　　　　　　　ナ ゝ　　　ナ ゝ　/　 　 十＿"　 　 ー;=‐　　　　　　　　　|! |!
　　　　　　　　　　cト　　　　cト　/＾､_ﾉ　 | ､.__　つ　 （.__ 　 ￣￣￣￣ 　 ・ ・
ミﾐ:::;,!　　　　　　u　　　　　　　｀ﾞ"~´　　　ヾ彡::l／VvVw、 ,yvヾNヽ　　ゞヾ　 ,.　,.　,.　、､ヾゝヽr＝ヾ
ﾐ::::;/　　￣ﾞ`ｰ-.､　　　　　u　　;,,;　　　j　　 ヾk'!　' l　/ 'ﾚ ^ヽﾍ＼　　 ,rﾞゞﾞ-"､ノ /　l!　!ヽ ､､　|
ミ/　　　　J　　　ﾞ`ｰ､　　　"　;, ;;;　,;;　ﾞ　　u ヾi　　　 ,,./　,　,､ヾヾ　　 | '-- ､..,,ヽ　 j　 !　| Nヾ|
'"　　　　　　　_,,.. -─ゝ.､　　　;, "　;;　　　_,,..._ゞｲ__／/〃 i.! ilヾゞヽ　 | ､　 .r．　ヾ-､;;ﾉ,.:-一'"i
　　j　　　　／　　 ,.- ､　 ヾヽ、　;; ;;　_,-＜　　/／_,,＼' "' !|　:l ﾞi !_,,ヽ.l　`ー─--　 ｴｨ' (． 7 /
　　　　　　:　　　　' ・丿　　￣≠Ξｲ´,-､　ヽ /ｲ´ r．　`ー-'ﾒ ,.-´､　　i　　　　 u　　ヾ｀`ー' ｲ
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ヾヽ　　　　 l　　　　　 `　 ｀ヽ、 l　 .／　　ヽ　　　　　 l　　　　　　　　　）　　,; ／　　　,'　　　　'^i

攻防が面白い

　　　　　　＿|￣|＿|￣|　 |￣|_|￣|＿_|￣|_|￣| 　 |￣|_|￣|＿|￣|
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ｌ_ｊ_ｊ_ｊ と)　 　|　|　 | 　 　 ／ ｌ_ｊ_ｊ_ｊ と) 　 　|　|　 | 　 　 ／ ｌ_ｊ_ｊ_ｊ と) 　　 |　|　 | 　 　 ／

仕事はえーな

アニヲタは頸動脈切って死ねばいいのにね☆

WWWWWWWWWWWWWWWWWWWWWWWWWWWWWWWWWWWWWWW

　*　　　　　　*
　　＊　　　　　＋　　うそです
　 　　 n ∧＿∧　n
　＋　(ﾖ（* ´∀｀）E)
　 　 　 Y 　　　 Y　　　　＊

はよこいや

1000！

雪さんは俺の嫁

おと☆じつ

キチガイしゅげー

akoおせーよ

「僕もだよ」

「ぁ…おねーちゃん？」

「んーん、別に構わないよ」

「…雪は、それも知っています」

「落ちついてるんだね」

「それより、レポートとか、けっきょくどうするの？」

「いま来たところだよ。こっちこそ急に呼び出したりして、ごめんね」

　それは、きっと仮初めの安住だ。

「怪（あやかし）…」

「痛かったら…透矢さんが、治してあげてください」

「花梨、和泉ちゃんの体いじるの好きだよね…」

　無防備に大口を開けた――どちらかと言えば間抜けな顔だ。

「え？　いや、だって…」

「花梨…あの…」

　寝坊はお互いさまらしい。

　教会の前まで来たところで、ふと思い出す。

　何か、というより、大いに力になったような気はしたけど、今の雪さんには冗談でも言えない。

「えっ、ぁぁ…僕？」

「す、すみません！　あのぅ…私と…ですか？　ふたり一緒にとかじゃなくて」

「…投げたりするんですもの、せっかくの贈り物が、壊れてしまいましたわ」

「午後は午後で、どこかお出かけになるんですか？」

　雪さんの手は、出会ったあの日から変わらず、冷たく優しい。

「ちょっと待ってよ。何がなんだか…」

「はは…悪い、ちょっとひがんでるみたいだな、俺」

「だから、時間あるよ？　ふたりさえ良ければだけど」

「…お話は、わかりました」

「品？　きのうの透矢さんに比べたら可愛いもんですー」

「…変なことは教えるんだね」

　弓道の例があるから、いまいちアテにならない。

　思い出さないようにしてたのに…

「ちょっと待ってよ。キミ、最近、まともに食事もしてないでしょう？　なんか作ろうと思って、ほら…」

「ぅぅ、今日はすみませんでした」

「私も、大好き」

　首をしめられているのに、彼女は顔色ひとつ変えず、

　次々とあふれ出す愛液の絡み合う音が、淫らに響く。

「ないけど…」

「雪さんは、昔から、写真とか好きじゃなかったんだ」

「その手さ、俺が握ってもいいか？　透矢の代わりにはならんだろうけど、なんていうか、その…」

「この時期に土葬なんかして…いま掘り返してみなよ。アリスの頭でわからないわけないだろう？」

「送り迎えまでしていただいて…図々しいとわかっていても、目が、これなので、つい」

　おどけた声に顔を上げると、きのうと同じ場所に、和泉ちゃんがいた。

1000ならカワイイ彼女出来る

（夢が、覚めようとしているから？）

「頭が、こんがらがってきた」

「ねー、どうだった？」

「…よ、よけいに照れるから言わないで」

「どうして、僕や牧野さんが、そうだって思ったの？」

「本当に大丈夫。それより雪さん、僕はこの場所を知っているよ」

　震えてる？

　そのせいか…この気持ちの高ぶりは。

　話の飛躍についていけなかった。

　事故死を回避し、記憶喪失になるという偶然を経て、あなたと出会えた奇跡。

　おどけた声に顔を上げると、きのうと同じ場所に、和泉ちゃんがいた。

　恥ずかしかったけど、どこか、おかしくもあった。

　何十回そうしたのか。

　目をつり上げて言う。

「はぁ。もう、なんでもいいや」

　思えば、ここに来られたのも、あそこで弓を引いてみたせいかもしれないし…

「こちらへ…」

「お医者様には、相談しないんですか？」

　事故死を回避し、記憶喪失になるという偶然を経て、あなたと出会えた奇跡。

「はぁ。もう、なんでもいいや」

　楽しげに僕のほほを引っ張る花梨からはその答えをうかがい知ることなんて、できそうにもなかった。

「庄一？」

　何十回そうしたのか。

　当然のように言う花梨が、今日は妙に腹立たしかった。

「そう。アリス、いい？」

「大したことじゃないよ。花梨こそ、和泉ちゃんのことが気になってるんじゃないの？」

「お急ぎくださいね。あまり、時間がありませんから」

　夢が終わる。

「一人暮らしのための資金集め」

「ぅ…うぁ…うわあぁぁぁぁぁぁぁっ！」

　水は、ごく浅い…まさか…

「旦那、さま…？」

「ふーん、気をつけてね」

　涙をこらえて駆け回ってみたけど、見覚えのある道はひとつもない。

　夢を見れば見るほど、夢の現実感が増しているような気がするけど…。

（花梨…）

「怖いのか？」

　と思ったら、一時間もしないうちに呼び出された。

　吸い上げられるような感覚に、僕はなんの抵抗もできないまま、軽く達してしまった。

　聞き返さなきゃ良かった。

「ごめん。これから約束があるから」

「…僕と同じ夢かな？」

「私？」

「私、暴れたりしないもん」

「でも、じゃありません。花梨さんもお待たせしているんですよ？」

「あつー…」

　雪さんの視線は、僕の足下に注がれていた。

「僕が…悲しい」

「その時、彼女は舞を踊りますわね？」

　彼女は僕の指先を、ゆっくり、本の上にすべらせた。

「ぎゅってしたくせに。あーあ、ゴム弓を引いたくらいであれかぁ」

「いや、たまにはこういう雪さんもいいかなと思って」

「そうです。新城という人にとって、透矢さんはモンタギューでありロミオでもあるんですよ」

「か、花梨ちゃん！」

「いいえ、特には…宮代さんは、倒れられましたけど…」

「ちぇー、つまんなーい」

「依存？」

「僕たちが予定より早く来てるだけでしょう。いいんじゃない、気持ち良く練習できて」

「透矢、透矢ったら！」

　花梨を送っていくつもりだったから、少し戸惑う。

　離れようとする僕の顔をかかえるようにつかんで、

「もう少しだけ、このままで、いい？」

「大丈夫ですよ。ちょっと、ぼうっとしてしまっただけです」

スレタイに吹いたｗｗｗ

「うん、楽しかった」

　和泉ちゃん、牧野さん、庄一、それからもちろん花梨がいて、みんな笑いながら、何かを話していた。

「那波もですわ。とても、温かい」

「いいけどさ、その前に、和泉ちゃん、なんでまた海でスクール水着なの？」

　雪さんが、手を取った。

「あの、わたくしは、別に…」

「旦那さまは、那波のことが嫌いになりましたの？」

「夕食も、作ってあげようか？」

「そ、そうかなぁ…」

「っふ……っん、っん…」

　なんのことはない、一連の運動がそこにあった。

「手間を取らせたな」

　純粋な欲望も手伝って、僕は再び、彼女の体に手を伸ばしていた。

「夕食も、作ってあげようか？」

「手間を取らせたな」

　花梨を送っていくつもりだったから、少し戸惑う。

　純粋な欲望も手伝って、僕は再び、彼女の体に手を伸ばしていた。

「普通にして。それで、家のこと以外でも私の嫌なところとか見つけたら、ちゃんと言ってほしい」

「あー、透矢っ、あぶな…！」

「特定の事を何度も夢に見るのは、そう、めずらしいことじゃないよ」

　あの時、どうして、すぐに和泉ちゃんのことを、追いかけられなかったんだろう。

「マリアちゃん、僕、そろそろ帰るよ」

　どんなに暑い日でも、部活の後だという時でも、花梨の髪からは、この、ほのかな甘い香りがする。

「…うん。僕にしろ庄一にしろ、結果が、出せるはずなのに、頑張ってないんだもんね」

「あー、透矢っ、あぶな…！」

「その純粋な家族である父さんは重態だもんなぁ…雪さんがいてくれて、本当に良かったよ」

　幻聴か、木の葉の触れあう音か。

　どんなに暑い日でも、部活の後だという時でも、花梨の髪からは、この、ほのかな甘い香りがする。

「あ…大丈夫？」

「マリアちゃん、そんなことないよ。二人ともすごく可愛いから」

　彼女は、お尻のほうに、それをあてがった。

「鈴蘭ちゃん…こんな所に入ると危なくないかな？」

　今、そのすべてが、温かい。

「…待って」

　僕はたまらず耳をふさいだ。

「うん。マリアちゃんは教会？」

　開発で水が汚れたんだとすれば、確かに彼女とも無関係じゃない。

「あーあ、迷子になっちゃったじゃん」

「ごめんね。ええと、もうしない…とは、ちょっと言えないんだけど」

「人聞き悪いなぁ。困らせるって、別にそんな。ねえ、透矢？」

（…だから、ごめんね）

「いいけどさ、その前に、和泉ちゃん、なんでまた海でスクール水着なの？」

　何もできなかった時のみじめさを、僕は嫌というほど知っている。

「大丈夫です。私、お姉ちゃんのことも透矢さんのことも、大好きですから」

「おはようございます。透矢さん、こちらをご覧になっていただけますか？」

【お止め組】涼実議論スレッド　５
http://qb5.2ch.net/test/read.cgi/operate/1244314524/

　かすかに存在する獣道を頼りに、奥へと進む。

　気をつけながら、腰を前に出す。

「ぅっ、ぅっ、痛かったよぉ。透矢のためだから我慢したけど…」

「ありがとう。もういいからね」

　なんのことはない、一連の運動がそこにあった。

「二人ともありがとう。口はもういいよ…今度は僕がしてあげる番」

「花梨ちゃんね、安心してるんだと思う」

実況禁止だっけ

（シャワー、浴びてこよう…）

「花梨ちゃんね、安心してるんだと思う」

（この人は、どうしてこんなに柔らかい体　をしているんだろう？）

「夢を見るという、夢ですわ」

　祭りが終わってから、花梨もまた、意識を失ったきりだ。

　玄関の鍵らしい。

　僕はたまらず耳をふさいだ。

「常世の門だと？　ふん…あの男、噂以上にいかれてやがる」

　考え込む仕草を見せて、しばし沈黙。

「那波、僕と帰ろう」

　時間はあるし、ここまで来たら後に引くつもりもない。

「バイト」

「透矢も、和泉のこと好きだよね？」

「ホントに構わないってば。面白いって言うと変だけど、僕もそういう話は嫌いじゃないみたいだから」

「誰もいないじゃない」

（シャワー、浴びてこよう…）

　雪さんの頭を撫でるうちに、僕も寝てしまったようだ。

「和泉は車でしょ」

「外っつらはそうでも、この歳で好きな人がいないなんてこと、普通はないと思うよ」

「あ…正直、興味本位で聞いてるだけだから、無理に答える必要はないよ」

　口をつけたそこは、アリスのものと同じか、それ以上に濡れていた。

　ステンドグラスを通し、差し込む夕陽が祭壇の周りをぼんやり照らして、

　マリアちゃんを拘束することはできないし、エサなんて手に入れる気になれば、どうとでもなる。

「きちんと紹介してあげられるほど、牧野さんのこと、覚えていないから」

「うあっ、なんですか、その当然って顔。人がどれだけ心配したと…」

「じゃあ、ここは、ちょっと休憩だね」

「あああ…ごめん、ごめんね。ぅー、嫌味とかじゃ、なかったんだけど」

　僕は身を乗り出し、彼女と唇を重ねた。

　二人のものを見せつけられ、僕のものはきゅうくつなズボンの中で、痛みを訴えていた。

　まあ、無理もない。

「んー、花梨の舞も見たいし、来ると思うよ。お祭り自体、興味あるからね」

「胸も、駄目…っ」

「ゆーび切らない」

　帰り道、花梨は途中まで無理して歩いていたけど、足は相当に痛むらしい。

　そう言った雪さんは、女の子のほうを心配そうに見つめていた。

「あ…正直、興味本位で聞いてるだけだから、無理に答える必要はないよ」

「…好きな人、いるんじゃないか」

　まだ、何か決定的に足りていない気がする。

「あ、何？」

　口をつけたそこは、アリスのものと同じか、それ以上に濡れていた。

「前世で殺されたのに、よく平気でいられるね。怖かったりしないの？」

　どうにか決着がついた。

「バイト」

「アリスは悪くない。悪いのは、この子を轢いて死体を隠したりした人間だ」

「そう、なのかなぁ」

　さっき、海の話をした時に雪さんが見せた不自然な態度の意味も、これで理解できる。

　僕は身を乗り出し、彼女と唇を重ねた。

　それに、あれは…

「手、持って。両方ね」

　ここに書かれている神と、一般で言う神という言葉の扱いに差があるんだろうか。

「二人ともありがとう。口はもういいよ…今度は僕がしてあげる番」

（あの辺にポテトがあって…あれは…）

「ほらほら迷惑だってさ。行くわよ、マリア」

「ママ」

　要するに、僕は鈴蘭ちゃんのお気に入りで、彼女のお兄ちゃん役っていうところなんだろう。

　口を離して大きく息を吸いこむ。

「わかったよ。じゃあ、雪さんも気をつけて帰ってね」

「っふ……っん、っん…」

　という雪さん自身は、やっぱり汗一つかいていなかったけど。

「マリアちゃん、そんなことないよ。二人ともすごく可愛いから」

「ん、何かな？」

　幻聴か、木の葉の触れあう音か。

バッチコーイ

「別の言語の点字、もしくは…現在主流になっているものとは、対応の違う点字ということになりますわ」

「夜になれば父さんもいたでしょう？」

「…参ったな。ちょっと、悩みというか、辛いことがあって」

　やっぱり、本物の巫女と、そうじゃない巫女がいる。

「無理だよ…」

「それを言うなら、みんなだって僕と同じくらいお人好しだと思うよ」

　黒いワンピースの下に見え隠れする、白く細い体は、なまめかしい。

　開発で水が汚れたんだとすれば、確かに彼女とも無関係じゃない。

「勝手に覗いたりして、ごめんね。聞きたいことがあるんだけど、いい？」

　僕と雪さんも、仲のいい家族っていう意味では、似たようなものなのかもしれないけど。

「んなわけないでしょ」

　どうしてだ。

　現実って、すごく汚い。

「た、たまには何か手伝わせてよ」

　ベッドは、雪さんの手できれいにメイクされていて、病院のベッドの何倍も寝心地が良さそうだ。

　もう、それでいいような気がする。

「透矢ー」

「そ、そうなんですか!?　こちらこそ、そんな時にお邪魔しちゃって、ぅぅ…」

「はっ、ぁ…っぁ、ぅぁ…」

　目に明らかな同情の色を浮かべ、庄一と和泉ちゃんのふたりは出ていった。

「で…いつになったら、正式におつき合いしてますって、報告してくれるんだ？」

　幾重にも施錠されていた扉が、開いていた。

（あの辺にポテトがあって…あれは…）

これはスレ発見されないんじゃないか

　長い長い、夢を――

「そういえば、あんまり、お姉さんの話って聞かないね」

　やっぱり、本物の巫女と、そうじゃない巫女がいる。

　唇を離す。

「やっ」

「雪の両親が、お父様の研究と関係しているわけですから…」

「さ、それでは、朝食の支度ができていますから、食堂のほうへどうぞ」

　ベッドは、雪さんの手できれいにメイクされていて、病院のベッドの何倍も寝心地が良さそうだ。

「ほらほら迷惑だってさ。行くわよ、マリア」

「…参ったな。ちょっと、悩みというか、辛いことがあって」

「ん、何かな？」

　ぺこぺこ――マリアちゃんが、あわてて頭を下げる。

　ごく平凡に、ゆっくりと。

　だけど、和泉ちゃんのことを好きだって言った、庄一の真剣な顔が、

　強いな、と素直に感心した。

「誰もいないじゃない」

「…脱がせるよ？」

　なんだろう、ここは。

「寝ぼけていますの？」

　でも、その手つきと裏腹に、ハンカチはきれいに折りたたまれていた。

　泣きだしてしまいたいほどに、胸が痛むのは。

「そう、なのかなぁ」

　帰り道、花梨は途中まで無理して歩いていたけど、足は相当に痛むらしい。

　どうしてだ。

「夜になれば父さんもいたでしょう？」

『写真があるんだから、少なくとも人間が　行ける場所なんでしょう？　どうにかな　るんじゃない』

「無理、させちゃったのかも」

「そんな顔をなさらずに。今日は楽しいお祭りなんですから」

「鈴が気にしてんのはキミの顔。なんか、おっかない顔してたよ、大丈夫？」

「おなか、撫でて…」

「毎年、同じですから」

「どんなふうに？」

「雪の両親が、お父様の研究と関係しているわけですから…」

「マリアちゃん、七夕なら、僕と一緒に来ない？」

「あの、ね。ふたりで話し合って決めたんだけど…私たちの、居場所になってくれないかなぁ…とか」

「透矢さんが…いっぱい…優しくしてくれました」

「ありがとう。でも、庄一」

　 |┃　　　ガラッ　　　 ＿＿＿_
　 |┃　三 　 　 　 　 ／　　　 　 ＼
　 |┃　 　 　 　 　 ／　─　 　 ─　＼
　 |┃　　　　 　 ／ 　 （●） 　（●）　 ＼
　 |┃　三　　　 |　 　 　 （__人__）　　 　 |
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　 |┃　三　　 ／　　　　|　　　　 |　　　　＼
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⊂二、 ,ノ──-‐'´|　　　　 　 　 　 　 l l"　 |
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「はい、なんでしょう？」

　唇を離す。

　ほっ、と息を吐いてにこり。

「大丈夫。あのさ、花梨」

　強いな、と素直に感心した。

「最後に決めるのは花梨ちゃんだけど…私は、うん、那波ちゃんの言うこと、信じるよ」

「あら…お目覚めですの？」

「透矢くんも花梨ちゃんも、けっきょくおんなじじゃない…みんな、私がいないほうがいいんでしょう!?」

「そうかなぁ？」

「うーん」

　黒いワンピースの下に見え隠れする、白く細い体は、なまめかしい。

　花梨は誰の返事を待つでもなく、すたすたと歩き出してしまった。

　下に構えていたそれを持ち上げながら、いたわるような優しい動きで、後ろへ後ろへとゴムを引き――

「手だよ。撫でてあげる」

「申しわけありません。そこは、雪にも、よくわからなかったんです」

　そのまま、僕は那波を抱き続けた。

「ふん。ちょっとは大人しくなりそうだしいいんじゃないの」

「あそこがなかったら、今、こんなふうに三人でしゃべってなかったのかもしれないね」

　拝殿の裏側は思ったよりも広い。

　でも、実際に弓を取ってみれば、あのザマだ。

「だから、どうしても会っておきたいんですって」

　戻るきっかけをつかめなければ、一生、彼女とふたりきりってことか？

1000なら童貞卒業

　意識はしっかりしている…意外と大丈夫そうだ。

「那波のここ、お好きですか？」

うんこ

　うつろに澄んだあの瞳で、きのうと同じように、まっすぐ僕をとらえたまま。

「透矢さんが…いっぱい…優しくしてくれました」

「耳が痛いなぁ」

「あーあー、何やってるの」

　何が起こっているのか、よくわからないけど、雪さんだけは…

「あふっ…ひゃっ、ひゃめぇ…」

「天の川は、ご存じですよね？」

「しかし、おまえと一緒に帰るのも何ヶ月ぶりかだな」

「そうかなぁ？」

　寂しげな目をしてうつむく彼女に、

　ぼんやりと、彼女の体の中に、空気が、光が溶け込んでいく。

　それ以前に、僕は…何をしていた？

「まっすぐまっすぐ…はい、そこです」

　舞というよりは、何かの劇を見せられている感じだ。

「初めてなんですの…」

「…からかわれたの、かな」

「わかんないけど、最近、頑張らなきゃって思うんだ。前みたいに引こうとかいうんじゃなくてね」

　いちど思い出してしまえば、崩れるのは簡単だった。

　発情しているんだ――そう、思った。

「下、岩なんだから気をつけようね、和泉ちゃん」

「アリスは？」

「じゃじゃーん」

「ん？　ああ…『今は好き』って言ってたよね。昔は嫌いだった？」

「ゆっくり食べれば、ってアリスが言ったんじゃないか」

「楽しみは後にとっておかないと。今日はキスさせてもらったから満足」

「別に怖いわけじゃないんだよ。でも、この辺りって、あんなのがあったりするしさ」

「どうしてかな…。誰かひとりって考えたら、透矢くんになっちゃった」

　和泉ちゃんがいれば、それが一番だったんだろうけど、彼女はもういない。

「花梨が相手だから、かな」

　首をかしげてばかりだ。

「天の川は、ご存じですよね？」

「さすがに。読み取りづらいですわね…紙の上に…これは、何かの石ですか？」

　問題は、さっきからとなりで、じーっと僕らの行為を見つめている、お姉ちゃんのほうだ。

　ぶるっと全身が震えたと思うと、

はええｗ

　例えば、知能指数の高さが、恐らく僕らとは比べものにならないほど高いこと。

「謝らないでよ」

「もう少し頑張るんだ。きっと、助けてあげるから」

「和泉の気持ち、知ってたのに。告白したのも知ってたのに」

「い、和泉ちゃんが、どうしたの？」

　スカートのすそをつかんで、再び顔を寄せるマリアちゃん。

　僕だって、記憶喪失や夢っていう恐怖から逃れるために、いろいろな人に甘えている。

　舞というよりは、何かの劇を見せられている感じだ。

　彼女は僕の手を開かせ、涙石を置いた。

　なんとなく、うつむいてしまった。

「雪の…透矢さんに、よろこんでいただけましたか？」

　身振り手振りをまじえ、大げさなくらいの元気さで僕を紹介してくれた。

　泣きすがる彼女の姿が、悲しくて、痛々しくて、

「はや？」

「動きたいけど、そうすると、僕のほうがマズイことになりそう…」

「透矢ちゃん」

　僕のそれを、きゅうくつな場所から解放してくれた。

↓aKO

「なんてね。って、キミ、もしかして、あきれてたりする？」

「そ、そうは言ってないじゃないか」

「前も、そうだったね」

　その彼女に、どんな弱点があるっていうんだろう。

　みんなの優しさに甘え、自分の影を追いかけ、汗を流してきた、この一ヶ月。

「あれ…ひとり？」

「考えてみれば、あなたって、そういう意味でも保険になってるんだ。意外と役に立つわね」

　大丈夫だ、僕はまだ覚えている。

　スカートのすそをつかんで、再び顔を寄せるマリアちゃん。

「はい、到着」

「それでいいんですわ。これからすべて、忘れていただくんですもの」

「いけませんわ、デートの途中に眠ってしまわれるだなんて」

　視線に気づいたのか、女の子はぴたりと立ち止まると、

　そう言って、彼女は優しく僕の手を取った。

　落ちつけ、こっちに向かっているのは、単に通り道だからだ。

「あん…本当に、赤ちゃんになってしまわれたんですか？　雪、まだ、おっぱいはでませんよ？」

「熱烈な歓迎ありがとう…」

「ああ、悪い。このあたりだったろ、噂になったのは。つい思い出しちまった…」

　僕も、あの人のことは知らない。

「でも、牧野さん辛そうだったし、彼女は本気だったと思うから」

「庄一は、常世の門が何か知ってるの？」

　なんとなく、うつむいてしまった。

　都合のいい事を言ってしまった。

「今日は良く笑ってくれるね」

「どうして？　こんなふうに一本だけ木が立っていたら、目立つと思うんだけど」

「花梨ちゃん、透矢くんはつき合ってくれただけだよ。やめて」

　僕に、いるだろうか、そんな人が。

　和泉ちゃんがいなくなって、花梨があんなことになってしまって、

「ママは、天国に行けたんでしょうか？」

「いや…でも、そう言われたって、僕にはあれがなんだったのかもわからない」

「んー、そうだね」

　大変な事になった。

　音にならない、彼女の言葉。

　花梨はぼやきを収めると、ひらひら手を振り、そっぽを向くように首をひねった。

「私の言うことって…信用できないかな」

「ですから、過去も未来も、今とつながっているんですの」

　決めつけられてしまった。

　口をつけてもいないのに、雪さんは、とろんとした目をして体を震わせた。

　そして、こんなにも傷ついて…

「でも、牧野さん辛そうだったし、彼女は本気だったと思うから」

「あ…うそ…嘘です。雪、本当は、ああしたほうが気持ちが良くなるのを知っていて、だから…」

これは来るのに時間がかかるだろうな

「知ってる」

「…いいですから」

「和泉ちゃんは嫌なんだよね？」

　ああ…僕は、キミに応えることすらできなかった。

「ああ、そういえば、なんか評判いいね、アリスちゃんは…良く出来た子だって」

　僕も、あの人のことは知らない。

「じゃあ、僕も」

「妙なことを言ってしまって、申しわけありませんでした。懐かしかったもので」

「遅れて、申しわけありません」

　おもむろに、アリスが手を差しだした。

「さっきのこと、気にしてる？」

「はあ…」

「この温もりだけが…ナナミの確かなものですわ」

「和泉ちゃん、僕は…」

『今夜、夢の中でお会いしましょう』

　それを確認したアリスも笑いながら、

勢い160万とかインフレ杉

「僕と、同じじゃないか」

「お父様の研究には、雪の両親も関係していたフシが…雪はそれで」

「大好きだよ、雪さん」

　紹介されたその家は、周囲を白壁が取り囲み、正面入り口には厚い木戸――

　おかしな夢を見たものだ。

　花梨の口に自分のものが吸い込まれていく様子を見ていると、それだけで興奮してしまう。

　見た目の印象通りのさわやかな声に、病室全体の空気が、明るくなったような気がした。

「僕の考えてることくらい、お見通し？」

１０００

「今すぐじゃないと駄目なのかな？　何か事情があるの？」

おら

「どう、しましたの？」

　なにか、訳ありなのかもしれない。

「ああ、そういえば、なんか評判いいね、アリスちゃんは…良く出来た子だって」

　ようやくそれだけ絞り出したと思うと、また視線を落としてしまう。

「あ、あれ？」

「弓引きの儀式、梓弓――古来より、弓矢というのは、そういう神聖な儀式に関わるものなんですの」

「はい…とても温かくて…雪は、上手にできましたか？」

　月や星の助けはあるけど、夜の海は、昼とは、まるで別世界のように暗く、不気味な色合いをしていた。

「妙なことを言ってしまって、申しわけありませんでした。懐かしかったもので」

　父さんに言わせれば、ここは、現実から切り離された、特別な場所なんだから油断もできない。

　マリアちゃんは、恨みがましいような目で僕を見上げた。

　それでも準備を入念にしたせいか、ゆっくりであれば、愛液の助けもあって奥に進むことはできた。

　様々なことが思い出されて、混乱して、良くわからない返事になってしまった。

　牧野さんに、会いたかっただけなのかもしれない。

　人が変わってしまったような冷たい声に僕は身震いしながら体を離した。

「透矢さん、ノド乾きませんか？」

「透矢」

　本当に、そうだ。

「俺よりバカなおまえに言われたくない」

　直接対話も、アリスやマリアちゃんが言うと、あまり冗談になっていない。

「そんな言い方、ずるいです…。わかりました、ご一緒してください」

　無邪気によろこぶ雪さんに、僕もようやく笑顔を浮かべることができた。

「友達だから、心配なんじゃない…」

「感想とか聞きたいじゃない。ひとりだとさびしいし」

　前に来た時と、何かが違う。

「触らないで！」

　背が高いし、僕より手も大きいから、敵わない。

「はあっ？」

「気をつけて帰ってくださいね」

「なに、それ？」

　肩に手を置く、

　僕も、よくよく元気だ。

「そうだよ。大丈夫だ」

　よっぽど眠かったのか、一分も経たないうちに、可愛い寝息が聞こえてきた。

　花梨が、不思議そうな顔をした。

　月や星の助けはあるけど、夜の海は、昼とは、まるで別世界のように暗く、不気味な色合いをしていた。

　花梨が不安そうな顔で言う。

　雪さんの足音が遠ざかるのを確認して、僕はもういちど、手紙の内容を確認した。

　僕は、そこでようやく、黒板に書かれた自習の二文字に気がついた。

「和泉ちゃん…って!?」

　それでも準備を入念にしたせいか、ゆっくりであれば、愛液の助けもあって奥に進むことはできた。

「もういいから、今日は休んでてよ」

　神が落とした奇跡の涙…

　僕は指を引き抜くと、自分のものを取り出し、彼女の入り口にあてがった。

「そんなこと言ってたら、終わんなくなっちゃうよ？」

「じゃあ聞くけどさ、そんな面倒なことをした理由は？」

「おまえは…。しかしまあ、ちょい時間あるし、屋台でも見て回るか」

　少し年代が進んだみたいで、何枚かの写真には、花梨と庄一らしい子供の姿も見られる。

　それでも、つかんだ手の温もりと、笑顔だけは、確かに存在している。

「夢に、見ましたの」

　かあっ、と顔を赤くして、うつむいてしまった。

「壊れて、しまいましたの…」

　当然、触れても痛みはない。

「ずいぶん前から言われていたことだ。ここまで良く保ったさ」

「うーん」

　庄一は、そんなことも言っていたっけ。

　そんな彼女の鼻を、アリスが思いっきりつまんだ。

　止まることもできない僕は、痛みをやわらげられたらと、彼女の胸を愛撫した。

「何かな？　今度は、力になれることだといいけど」

「そうなの？　いいことないじゃん。テストは難しくなるし、誰かと会えなくなったりするしさ」

「ありがとう。でも、庄一」

「で、じゃなくて、支度しなよね」

「花梨ー、終わったー」

「アリスが見張ってるしね…」

　そのまま、僕は那波を抱き続けた。

　拝殿の裏側は思ったよりも広い。

「馬鹿言ってないでよ、もう」

「…うん、なんか、わかるかも」

　なま暖かい風が、境内を吹き抜ける。

「ええ。目を覚ます前には、大声で叫ばれて。よほど怖い夢だったんでしょうね」

「透矢くんが那波ちゃんのことばっかり見ていると…私が怒っちゃうの？」

「今さら遅い。そうそう、巫女服って言えば、帰り、ちょいつき合わない」

「あら…お目覚めですの？」

　花梨が僕に気をつかって、わざと軽く流してるのだって、わかってる、わかってるんだ。

「じゃあ、それらしいものを…」

「初耳」

「こんなことを続けていては、お友達を無くしてしまいます」

　神が落とした奇跡の涙…

「いいよ、何回でも…可愛い顔、見せて」

　花梨は、暗がりでもわかるくらい真っ赤に染まった顔を、ぱたぱたと両手であおいだ。

「やめてくれ、俺が負け犬みたいだ」

「うん。あれね、落ちついて考えてみると仕方ないのかなぁって思う」

　いちど思い出してしまえば、崩れるのは簡単だった。

　こくん――こう恥じらわれると、調子が狂ってしまう。

　彼は雪さんのほうを見ると、何かをうながすように、小さく、首を縦に振った。

　敵も味方も巻き込んで。

「だね…」

　今、キスしたいって言ったら、和泉ちゃんは受け入れてくれるだろうか。

「…お腹が空いてないのかな」

「マリアちゃん、それは違うよ。アリスはそんなつもりじゃない」

　何が起こっているのか、よくわからないけど、雪さんだけは…

「僕こそ、せっかく誘ってもらったのに、牧野さんばっかり見てて」

　僕は覚悟を決めて――しかしコソコソと礼拝堂の中を覗いた。

　発情しているんだ――そう、思った。

　それでも、つかんだ手の温もりと、笑顔だけは、確かに存在している。

　人一倍、大きくてやわらかそうなそれはなぜか、あおむけになっても、あまり型くずれする様子がない。

「お風呂にでも入る？　ボロいけど」

「私のここに入れたくて、こんなになってるの？」

「楽しみは後にとっておかないと。今日はキスさせてもらったから満足」

「この辺のつづらとか、開けちゃっていいの？」

　雪さんが背中に顔を寄せる。

「それ、もう論外」

　ぼんやりと、彼女の体の中に、空気が、光が溶け込んでいく。

「大丈夫だから。それより、ここ教えてくれないかな？」

「む、難しいね」

スクリプトつえー

　しかし、どうにも窮屈だ。

「ひゃっこいひゃっこい」

「…ちょっと、良かった」

「そんな、ほめすぎると怪しいよ」

「痛い、よね」

「ホントだよ。髪をほどくと、大人っぽくなっちゃうんだね」

　身振り手振りをまじえ、大げさなくらいの元気さで僕を紹介してくれた。

「恋敵ってねぇ…」

（あれは、牧野さんの…）

「っはは。雪さん、『頑張れば』って、いきなり話が怪しくなってるよ」

　庄一が舌打ちした。

　何もできなかった時のみじめさを、僕は嫌というほど知っている。

「もう写すって言ってる。あっ、あと一問でおしまいだよー」

「動きたいけど、そうすると、僕のほうがマズイことになりそう…」

「あ、ありがとう、花梨ちゃん」

　頭をなでる。

　もし、山ノ民と呼ばれる存在が、二種類いたとしたならば…

　もう、花梨の手をわずらわせることはなかった。

　その彼女に、どんな弱点があるっていうんだろう。

「いつも、ほっぺたなのに、変なの」

　花火が上がる。

「おはよっ」

「花梨か。いや、ついさっき、和泉ちゃんから間違い電話があったんで」

　彼女の唇は、閉じられるでも開かれるでもなく、自然に僕の行為を受け止めているようだ。

　例えば、知能指数の高さが、恐らく僕らとは比べものにならないほど高いこと。

「んー、なんか、牧野さんが透矢を押し倒してた」

「私、ね」

「謝らないでよ」

「前世で殺されたのに、よく平気でいられるね。怖かったりしないの？」

　瀬能透矢、旦那様――

　目覚めると、ヒザの上だった。

　私は、家を出ます。

　言いかけると、彼女はそれを止めるように、背中へ回した手に力をこめた。

　ぷかぷか、波間に浮かんだ『僕』は、どちらに入ることもできず、立ち往生だ。

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　まだ寝てる。

　ばんそうこうをまいている間も、雪さんは終始にこやかだった。

1000

「だから、要するにキツネの魂に体を乗っ取られてるのよ」

　何にしても、後のことは実際の生活の中で思い出していくしかないような気がしていた。

　べっ、と舌を出されてしまった。

　僕に、いるだろうか、そんな人が。

「っぁ…んん…透矢…だ…めっ…」

「悔しいけど、ホントにそうよ。私たちの言う非常識なことを信じて、助けてくれたんだもん」

　大丈夫、と安心させてあげる余裕すらない。

　牧野さんが花梨に舞を踊るなと言い、彼女の父親は、舞に興味を示している。

「人の寝顔を勝手に見て、ニヤニヤしないでよ！」

　内壁のひだが、まるで生き物のように吸いついてくる。

前スレの勢い68万4000ｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗ

「ん、ごめんなさぁい…っふ…ぅ」

「んーーーっ、っふ…っふぅぅ…」

「お姫様が目を覚ますために、王子様がすることって、ひとつしかないよ」

「はい。仮にですわ、光があると触ってしまう猿がいるとして…死ぬまで触れ続けたりするでしょうか？」

　それほどに、彼女の舌と指先が与える快感はすさまじくて、

「ありがとう。行ってきます」

　音にならない、彼女の言葉。

100

「失礼しますね」

　それでも、言葉にしなきゃいけない気がして、続けた。

　和泉ちゃんは、あっという間に花梨の手から短冊をもぎ取ってしまい、

「仕方ないと思う。僕は、逃げてばかりだから。本当は、花梨と会うのも気まずくて…」

「写しちゃっていいから」

「熱烈な歓迎ありがとう…」

（ボタンを押して誰も来てくれなかった　ら…？）

「あん…本当に、赤ちゃんになってしまわれたんですか？　雪、まだ、おっぱいはでませんよ？」

だから死ねって

　彼女の中は、僕の精液と彼女の愛液でベタベタになっている。

なにがおきているんだ

「僕から見たら子供」

「どうして、そんなこと…」

　抱きしめた雪さんの感触…今でも、この手に残っているのに…

　雪さんが笑った。

　お風呂に入り、部屋に戻った。

「…は、はい！　それじゃあ、あのぅ、失礼します」

　ただ、捨て置かれ、見放された場所。

　マリアちゃんの見たものは、僕の見る幻や夢と同種のものなんじゃないかと思う。

「無理しないで」

「…これ、どうやるの？」

　加えて、戦以外の場で不可解な死に方をする者が急増したという事も、大きな痛手となった。

「んー、まあねぇ。確かに最近ちょっと疲れっぽいかも」

「はは…花梨、そろそろ、こっちも」

　どこかで、こんな感覚があったな、と思えば、弓を手にしている時だった。

「先生に相談されてみては？」

『雪は、おまえが守れ――』

「お墓参り？」

「夢に、見ましたの」

「卑怯者？」

『今夜、夢の中でお会いしましょう』

「ひっ…ぃ…」

「はい。仮にですわ、光があると触ってしまう猿がいるとして…死ぬまで触れ続けたりするでしょうか？」

　ピリピリと張りつめた空気の中、花梨が構えを作る。

十秒も経たないうちに戻ってきた。

「盆の行事だ。船に供え物を乗せて、先祖の霊を見送る」

　何か、目に見えないつながりがあるのかもしれない。

「透矢さんは亡くならなかった」

　見た目の印象通りのさわやかな声に、病室全体の空気が、明るくなったような気がした。

　だとすれば、この世にありながら、それらを存在として捉えることのできる、

「雪、さん？」

「まあ、そう言うかなぁとは思ったけど。それじゃ、僕もやめておこうかな…」

　思っていたよりも、人が入っている。

　ああ…僕は、キミに応えることすらできなかった。

「本人が気にしてないんだから、いいじゃない」

　この町の夏は暑い。

【祭り】お止め組が実況
http://tsushima.2ch.net/test/read.cgi/news/1244821545/
抽出 ID:l1sQFLf9 (976回)

　身振り手振りをまじえながら話すマリアちゃんの肩口には、きれいな水着の跡が見えた。

　雪さんに起こされて、雪さんの作る朝食を食べて、雪さんに見送られて家を出る。

（逃げたか…）

「戦争、とか？」

「ぁ…えっと…」

　バカバカしいけど、この、非常識な出来事の中では、ずいぶん理にかなっているようにも思えた。

「那波もですわ」

「ちょっと、相談に乗ってもらったの」

「物理学の最先端、量子力学による…」

「花梨はもともと自主的に練習しているだけだし」

「するな！」

「わかった。あとさ、それが一段落したら雪さんも来てくれる？」

　髪の長い、はかなげな少女が。

　あの不思議な力を見せられなければ、たぶんそれで済ませていたんだろうな…。

　振り向かせ、唇を押しつける。

「デート、してくれる？」

　それで、やっと見つけたと思った居場所は、やっぱり幻だった――だから、泣いている。

「…とにかく、もう休ませてあげよう」

「透矢」

　ピリピリと張りつめた空気の中、花梨が構えを作る。

　…これが、本当の雪さんなのかもしれない。

「左手、いちばん奥にあるのが僕の部屋。そうだよね？」

「ちょっと、透矢、透矢ってば」

　もう少し、つき合ってもらうことにしよう。

「透矢くん…大丈夫？」

「雪のことも、忘れてしまいましたか？」

　それだけは確かだ。

　父さんに言わせれば、ここは、現実から切り離された、特別な場所なんだから油断もできない。

「透矢も、前に、変な夢見るとか言ってたよね」

　僕も、よくよく元気だ。

「本当に、お迎えが来るようですわね」

　だけど…父さんの研究は、バカげてる。

　たとえ虚像でも、それをくずせば守りたい関係まで壊れてしまいそうで、不安になる。

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「冗談ですわ。記憶がなくても変わりませんのね、透矢さんは」

　だから、みんなで幸せになれないのかなと。

「んー、いつも通りになってきたかなぁ、と思って。キミは記憶喪失で、雪にべったりだし…」

　雪さんの体が断続的に震え始めた。

　いくら得意だとはいえ、あそこまで正確な動きが出来るものか？

　他にめぼしいものは売っているかな、と立ち並ぶ屋台をながめていると、背後から肩をつかまれた。

「あー、和泉ちゃん、走ると…」

　牧野さんは、すごい集中力で本を読んでいる。

「うん、わかってる」

「そう言う和泉ちゃんは、楽しくない？」

「変だよ…こんなことなら、髪、前のままにしておけば良かったかな」

「おやすみなさい、雪ちゃん」

ｗｗｗｗｗｗｗ

　記憶をなくす前の僕は、どんな気持ちでこの世界を見つめていたんだろう。

「ありましたのに…ぃ…」

「別に、嫌がったりなんか」

　かあっ、と顔を赤くして、うつむいてしまった。

「透矢くん…大丈夫？」

「わかってるんだけど…朝は…」

「旦那様、わたくしのことでしたら、よろしいんですの」

　見れば、右手にある扉のすきまから、明かりがもれている。

「たたた」

「ぅぅ、すみません、私が来てくださいってお願いしたのに」

「事情はわかったが…何も、宮代が見ることはないだろう？　今日は、ちょうど良く大和もいることだし」

「入れるんだ？」

「もういいから、今日は休んでてよ」

「庄一、いったいどうやって？」

「ふたりが嘘をついているとは思わないけど…鵜呑みにはできないよ」

　あと一回が、限界かもしれない。

1000

　そこでようやく目にした我が家はというと、木造平屋の、日本家屋という言葉が良く似合う建物だった。

　このままいけば、同じ事がくり返されるような気がした。

　とりわけ、山を神とした上で、自らもまた山の一部であると考える、原始宗教的な色が。

　僕は、少女の後を追いかけた。

「おねーちゃん」

「よくやるな」

　まあ、普通に考えて、雪さんが僕のそばを離れたがることはないよな…。

　牧野さんの夢で失敗したからって、それが揺らぐことはない。

「ナナミは、必要なくなりました。この世界はもうじき消えますわ」

　ゆいいつ確かなもの、自分自身を求めて貪るように手をはいまわらせる。

「…ぁ。わかりました。でしたら、着替えてから、改めてうかがいます。それまでにはその…」

「無理に手伝わされていたとか、そんなことはない？」

「わはーっ！」

　白い、

「それで、あのね…私がいない間に、花梨ちゃんに何があったの？」

「あれは…透矢さんが…」

　ただ、川に連れてこられただけの僕。

　見上げる瞳と、わずかに開かれた唇は、まるで、僕を誘っているようで…

　ぱしゃぱしゃ――

「庄一、いつからそこに？」

「目当てのものは、あったの？」

「…好きだよ、花梨」

　割り切って。幸せにひたることにした。

一体何が始まるというんです？

　花梨は、暗がりでもわかるくらい真っ赤に染まった顔を、ぱたぱたと両手であおいだ。

「ふたりが嘘をついているとは思わないけど…鵜呑みにはできないよ」

「あんなにいい子なのに」

　ここで、いくつか本を読んだ。

「すぐにはね。でも、なんて言うか…宮代神社なんかは、懐かしい感じがした」

1000

「和泉ちゃん…って!?」

　別に目指す川がなくても、開けた場所があれば休憩もできる。

　常世の国というよりは、黄泉の国への入り口と言われたほうがしっくりくる。

　だいたい、どうして牧野さんなのか。

「それっ、その顔が嫌。何を考えてるのか知らないけど、人の寝顔を勝手に見て、ニヤニヤしないで！」

「ホントだよ。髪をほどくと、大人っぽくなっちゃうんだね」

（やっぱり、会いたかったんじゃないか）

「それっ、その顔が嫌。何を考えてるのか知らないけど、人の寝顔を勝手に見て、ニヤニヤしないで！」

『本当ですわ。いつも、その石を身につけていなさいな。目印になりますわ』

　そこでようやく目にした我が家はというと、木造平屋の、日本家屋という言葉が良く似合う建物だった。

「あんまり…」

「嘘だもん…そんなこと言って、本当は目が覚めなければいいって…」

「無理に何かやらせなくてもいい気がするなぁ」

　だから、勘違いだったのかもしれない。

「ふーん。でもいいな。今日は暑いし、僕もひと泳ぎしたいよ」

「ホント！　良かった…」

　でも、これはただの現実だった。

　とてもじゃないけど、顔の様子だとか、細かい特徴なんて確認できやしない。

　庄一、静かになったと思ったら、動かなくなっていた…。

「だけど、できるだけ大切にしますから」

「キスの、おまじないですか？」

「僕が、ついていくっていうのは無し？」

　ロケットが月に着いて、そこがおとぎの国じゃなくなった今、月のウサギたちはどうしているんだろう？

「どう思われたっていいわよ。マリアが元に戻ったなら、それで」

「明日も約束をしていたな。断るなら、適当な言い訳をしておくぞ」

　花梨はあいかわらずのだんまりを決め込んでいる。

　どうであったにせよ、彼女の決意は固いようだ。

「それで『つながる』か」

「ありがとう。雪さんも…」

　ふたりがいつもの口ゲンカでも始めたらよけいに収拾がつかなくなる。

「そうですね。あの子には少し悪い気がしますけど」

「ありがとう。メガネを外して見ると、透矢くんは、もっと素敵になるね」

「それよりも、雪に、何かお手伝いできることはありませんか？」

　もっとも、こんなこと今さらだ。

「透矢さん、お腹…好きなんですか？」

「あ、透矢、実はストライク？」

「風船に夢ね。僕も前に聞いたかもしれないなぁ。子供は夢をつめこんで、大人は魔法の力を使って――」

「そんな、ほめすぎると怪しいよ」

「わかりません。本当は好きなのかもしれないし。友達だとは思うけど…」

「ふふ。ナナミも、ずっと見守っていますからね。さあ、お願いをしましょう」

「ふーん。でもいいな。今日は暑いし、僕もひと泳ぎしたいよ」

「…私、おいしかった？」

「うん。それで…庄一？」

「そんな顔しないでよ。ほら、無理に手なんか入れて、洋服がやぶけちゃったら嫌だなぁと思って」

「本当はいけないことなのかもしれないけど、こういう時はいいと思うんだ」

　二階建ての建物で、本来は、主に教会関係者が寝泊まりするための建物だったらしい。

　和泉ちゃんの言葉には、どことなくトゲのようなものが感じられた。

「うん。それで…庄一？」

　べっ、と舌を出されてしまった。

「ううん。それで、えーと、それって？」

「こんなことを続けていては、お友達を無くしてしまいます」

「ずっと、一緒にいるって…約束…」

「無理に何かやらせなくてもいい気がするなぁ」

　門の前の暗がりに、彼女がいた。

「な、なんのこと？」

　ぎゅっ――僕の腕をつかむアリスの手に力がこもった。

「んー、かもしれないね」

　だから昼間はとにかく暑い。

　僕は、またゆっくりと腰を前後させ始めた。

「人聞きの悪いこと言わないでほしいんだけど」

　どう見ても、男女別で練習してるような気が…

「どう危ないの？」

　花梨の手からウサギが離れた。

　マンツーマンのあたりを、やけに強調する。

　マリアちゃんは、もう、すっかりいつもの調子に戻っている。

「おはよー。上がるからねー」

　僕は彼女の胸に手を伸ばした。

　おじさんは、牧野さんの状態を見ても平然とした顔で、コーヒーカップの乗った盆を僕に差しだした。

「いーじゃない、あなた、普段はさんざん甘えてるんだから！」

　花梨の様子を見に行くのとは状況が違うとはいえ…。

「ば、場所までは知らなかったんだよ」

「へ？」

「前見てよ、前！」

（…あっさり、しすぎていないか？）

　門の前の暗がりに、彼女がいた。

「いいって。はは…それにしても、ひでぇツラだな」

「じゃあ、もうちょっと何か…こんな練習ばっかりじゃ、頑張って出てきた甲斐がないよ」

　言葉を、ひと月でほぼ完全に理解した。

「そっか…大丈夫、いい匂いしかしなかったよ」

　不安を見て取ったのか、彼女が僕の手をきつく握りしめてきた。

　バランスを失って、あとずさる。

　戸惑った顔をしながら、何も聞かず、僕の言う通りにしてくれる雪さん。

「えー、どーでもいいじゃん、デートなんだし」

　これは、まるで彼女だ。

　自分に何かしらの過去が存在したっていう事実――それが確認できるだけでも、今の僕には心強かった。

　言いかけると、彼女はそれを止めるように、背中へ回した手に力をこめた。

「確認だけでしょ。ちゃんと宿題をやること、ケガをしないように」

「ひゃっこいひゃっこい」

「じゃあ、もうちょっと何か…こんな練習ばっかりじゃ、頑張って出てきた甲斐がないよ」

「な、なんのこと？」

「そっか。でも、誤解しないであげて。あの変身は、僕たちが気持ちを確認した後のことだから」

　が、誰もいないようだった。

「海？」

「…………もう、勝手にしろっ！」

「僕への、言づけだって？」

　背筋に、冷たいものが走った。

　今さらではあるけど、よくここまで気がつくな、と感心してしまう。

　その代わり、僕の手を強くにぎり休むことなく足を進めた。

　この辺にしておこう。

「なんか騙されてる気がする…」

　その後、すべての家を見て回ったけど、どこも同じような惨状だった。

　雪さんが、くすぐったそうな顔をする。

　僕は、夢か幻かはわからないけど、父さんが言う、神隠しってやつにあった。

　そしてそのうち、なぜか気落ちした様子で肩を落とし、振り返った。

　もし弓を引かないと記憶が戻らないと言うのであれば、

「あはは。で、やっぱり、明日は駄目？」

「ぃぅっ…」

「大好きなもの、ふたつも奪っちゃって…嫌われたに決まってるじゃない」

　波音に合わせるように、和泉ちゃんの足下で、小さなシミが、浮かんでは消えていた。

「前は、神社の裏山から出て来たのよね、あの男…」

「笑うことだよ〜。透矢くん、この話をすると、最後に必ず“まいったな”って言うんだもん」

「だから、僕とがんばろうよ」

「そうそう。あの、落ちついてきいてほしいんだけど…」

「はは…それでいいの？」

「私、あきらめていないから」

「僕には、無理だった」

「お人好しの透矢さんが、この私を出し抜こうなんて、百年早いのよね」

「こんにちは。じゃあ、行こうか」

　真っ白な肌が、みるみる赤みをおびていく。

「こんなものですよ。見ての通りの田舎ですから」

「そう言うけど、キミ、もともと自主参加してたんだよ」

　和泉ちゃんには似合わない、嫌な顔。

「悔しいけど、ホントにそうよ。私たちの言う非常識なことを信じて、助けてくれたんだもん」

　　 _,,....,,_　 ＿人人人人人人人人人人人人人人人＿
-''":::::::::::::｀''＞　　　ゆっくりしていってね！！！　　＜
ヽ:::::::::::::::::::::￣^Ｙ^Ｙ^Ｙ^Ｙ^Ｙ^Ｙ^Ｙ^Ｙ^Ｙ^Ｙ^Ｙ^Ｙ^Ｙ^Ｙ^￣
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_,.!イ_　　_,.ﾍｰｧ'二ﾊ二ヽ､へ,_7　　　'r ´　　　　　　　　　　ヽ、ﾝ、
::::::rｰ''7ｺ-‐'"´　 　 ;　 ',　｀ヽ/｀7　,'＝=─-　　　 　 -─=＝',　i
r-'ｧ'"´/　 /!　ﾊ 　ハ　 !　　iヾ_ﾉ　i　ｲ　iゝ、ｲ人レ／_ルヽｲ i　|
!イ´ ,' |　/__,.!/　V　､!__ﾊ　 ,'　,ゝ　ﾚﾘｲi (ﾋ_] 　　 　ﾋ_ﾝ ).| .|、i .||
`! 　!/ﾚi'　(ﾋ_] 　　 　ﾋ_ﾝ ﾚ'i　ﾉ　　　!Y!""　 ,＿__, 　 "" 「 !ﾉ i　|
,'　 ﾉ 　 !'"　 　 ,＿__,　 "' i .ﾚ'　　　　L.',.　 　ヽ _ﾝ　　　　L」 ﾉ| .|
　（　　,ﾊ　　　　ヽ _ﾝ　 　人! 　　　　 | ||ヽ、　　　　　　 ,ｲ| ||ｲ| /
,.ﾍ,）､　　）＞,､ _____,　,.イ　 ハ　　　　レ ル｀ ー--─ ´ルﾚ　ﾚ´

　ただ、捨て置かれ、見放された場所。

　自分に何かしらの過去が存在したっていう事実――それが確認できるだけでも、今の僕には心強かった。

「雪さんと、離れたくないから」

　が、誰もいないようだった。

「だから、僕とがんばろうよ」

ｷﾀ━━（ﾟ∀ﾟ）━━（ ﾟ∀）━━（ 　ﾟ）━━（ 　）━━（ 　）━━（ﾟ 　）━━（∀ﾟ ）━━（ﾟ∀ﾟ）━━━

　いつの間に動いたのか、アリスはマリアちゃんの背後で不気味にささやくと、

　そんな絵が思い浮かび、僕は戦慄した。

　雪さんはしばらくの間、僕の手をなで続けてくれた。

　雪さんの目から、いっぺんに涙があふれ出す。

　ぐちゃっという水っぽい音がしたと思うと、背筋に寒気が走って、

　僕は、やはりすべてが終わりを告げたのだということを、肌で感じとっていた。

　なにしろ、一度は済ませた後だし、彼女の中はびしょぬれを通り越して泉みたいになっている。

「和泉ちゃんは嫌なんだよね？」

（というかこれ、ぬいぐるみ？）

「うん。じゃあ、このまま行くけど、いいかな？」

　彼女は僕のベッドに顔を、胸をこすりつけるようにして、一心不乱に体をゆすっていた。

　そうでもないとすれば、

「言っときますけど、エッチなことじゃないですからね」

「良かった。じゃあ練習の続きしよう」

「牧野さんが、透矢さんって呼んでくれたからさ、うれしかった」

　僕は和泉ちゃんに告白されて、キスだってした。

「アリス、もう…限界…」

　でも、あの立派なツインテールと黒ずくめの服装は、そうそう見間違えるものじゃない。

「ふふ…雪なんかが相手でも、気になるものですか？」

　なんだか騙されているような気分になりながらも、僕は仕方なく花梨に続いた。

「あ、はい」

「後生です、何も聞かないでください」

　何においても、この子はそういう基本的な事を知りたがっていた。

「とりあえず、待ってて」

「ホントですか？　ぅぅ…」

　腕に、まだ花梨の感触が残っている。

「牧野さんのこと考えてないし」

「大丈夫だよ、痛いところもないし」

「…うん。最後だし、思いっきり泳いじゃうよ。覚悟してね？」

「べ、別に、焦ってないよ…」

「夢に、見ましたの」

　少し整理。

「そう言うけど、キミ、もともと自主参加してたんだよ」

「とりあえず、待ってて」

　身振り手振りをまじえながら話すマリアちゃんの肩口には、きれいな水着の跡が見えた。

　広場の中心に立つ大木の下に、彼女はもたれかかるようにし、たたずんでいた。

「？　ああ、大丈夫だよ、体温計を探しに行こうと思っただけだから」

「別に、僕は何も…」

　僕は、あのとき知りたかったのかもしれない。

　というよりも、七夕に固執する子が、めずらしいだけだろうか？――なんにしたって変わっている。

「勘弁してよ…」

　話し疲れたのか、海岸沿いの道を二人は無言で歩いている。

「弓引きの儀式、梓弓――古来より、弓矢というのは、そういう神聖な儀式に関わるものなんですの」

「和泉ちゃん、気をつけないと」

「今日、病院に行ってきた。入院していた時に、いくつか検査をしてね」

「悩み事なら、相談に乗るけど？」

　めでたく、本日退院だ。

「庄一はだまってて！」

「よろしかったら、また明日、続きを教えてくださいね」

「ちょっと、頭をぶつけて…」

「神社？　でも、もう暗くなっちゃいますよ」

　狭い町とはいえ、やみくもに走り回って見つかるとも思えない。

立て続けろ

「…そんなもの…かもしれないね」

「雪さん、ここは？」

　和泉ちゃんが首をひねる。

「あなたたちねぇ…私がいること忘れてない？」

お互い何を戦ってるんだ？

　アリスとは逆に、マリアちゃんは拍子抜けしたような調子で言った。

「そっか。でも、誤解しないであげて。あの変身は、僕たちが気持ちを確認した後のことだから」

　要請通り、花梨の家の蔵とやらを調べることになったはいいけど、

　子供じみているけど、どうやら頭を撫でてあげるのが、いちばん効果的らしい。

「あー、別に責めてるわけじゃないから。じゃあ、午後からどうしたもんだろ」

　嘘なのか本当なのかわからないような事を言う。

『ね、すごいでしょう？』

「花梨も気にしてたけど、彼女は、彼女なりに変わろうとしているだけだよ」

「デート、してくれる？」

　僕は、彼女たちのために、何をしてあげられるだろう…

「ごめんね。和泉ちゃんが、せっかくうち明けてくれたのに、ごめん」

　マリアちゃんが不思議そうな目をして顔を上げる。

　たとえ虚像でも、それをくずせば守りたい関係まで壊れてしまいそうで、不安になる。

「どうか無理をなさらずに。気分が悪いのでしたら、続きは明日にしましょう」

「ホントですか？　ぅぅ…」

「けっこう、恥ずかしいんだよ…」

『ね、すごいでしょう？』

　今の今まで、忘れていた、らしい。

「ずっと」

　背後から声がかかった。

「駄目です！」

　和泉ちゃんにはやっぱり笑顔でいてもらいたい。

「二人とも、お待たせ」

　僕は、そこでようやく、黒板に書かれた自習の二文字に気がついた。

　結局、この人には、どうしたって敵わない。

「あ…ゃぁっ。いいよ、自分でする」

「はは、まあ、そんなものだよ…」

　舌が絡み合うたび、ざらりとした感触がつたわって、僕の意思とは関係なしに、体が悦びに震える。

「きれいな足」

　夢の中で、触れた感触まで覚えてるっていうのも、よく考えたらすごいことだ。

記念カキコ

「頼むぜ、ホント」

「じゃあ、通った道をもういちど探してみよう」

「雪では、お力になれないんですね」

　まだ、何か決定的に足りていない気がする。

「いいけど、それで、話って？」

「常連…？」

　半泣きの、砂にまみれた顔があわれで、なんとなく頭を撫でた。

　戻るきっかけをつかめなければ、一生、彼女とふたりきりってことか？

「まっすぐまっすぐ…はい、そこです」

　偶然じゃない。

（会いに来て、良かったな…）

　花梨が神妙な顔でうなずいたのを見て、雪さんは、ぽつりぽつり、事の次第を語り始めた。

「…じゃあ、おいで」

　決まってる…いつか、しぼんで無くなるんだ。

「事故？　なるほど、それで僕は…」

「おねーちゃん」

　眠ろうにも、夢のことがちらついて、あまり眠る気になれない。

　何が起こっているのか、よくわからないけど、雪さんだけは…

「あふっ…ひゃっ、ひゃめぇ…」

　だが、生き残った。

「あー、別に責めてるわけじゃないから。じゃあ、午後からどうしたもんだろ」

　それにしても、父さんの論法は、ずいぶん押しつけがましいというか…

「？　うん。のぞいてたのはこっちだし、無視するのはちょっとね…」

　マリアちゃんは、すすっ、と僕の背後に隠れてしまった。

　そんな気がした。

　今日は人が少ない…静かだ。

「初耳」

　雪さんが女の子のために使った、おとぎの国の入り口を開く魔法。

「いいえ。でしたら、片思いしても、よろしいんですの？」

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