【Yahooトップ】 人気アニメ「けいおん!」 13話「番外編」があった 【生きがい】
1 :
ヤブツバキ(不明なsoftbank):
人気アニメ「けいおん!」の11話終了後の次回予告で、「最終回」が告知された。
かねてから13話で完結すると噂されていただけに、ネット上では番組終了を惜しむ書き込みが殺到した。
結局、12話が「最終回」にはなるが、13話「番外編」が用意されていることが分かった。
■「早すぎる。早すぎるんだよ 」
アニメ「けいおん!」は、廃部寸前の軽音楽部を舞台に、女子高生4人がガールズバンドを組み、
音楽活動を通じた日常を描いたストーリーだ。原作は「まんがタイムきらら」(芳文社)掲載の四コマ漫画だったのが、
2009年4月のアニメ放映で人気に火がついた。
2009年6月11日放送の「11話」では、いよいよクライマックスを迎える。
放送終了後の次回予告では、12話目での最終回が告知され、ネット上ではこの話題で持ちきりになった。
ネット掲示板「2ちゃんねる」にはスレッド10本以上が立ち並ぶ事態となり、次のように書き込まれている。
「けいおんは生きがいなのに・・この仕打ちは酷すぎるよ」
「早すぎる。早すぎるんだよ・・」
「なあ?最終回てか有り得ないだろう 人の初恋を奪うなよ」
「俺の生きがいを奪うなと言うこととけいおん最終回とか有り得ない」
もっとも、アニメが最終回を迎えること自体には疑問はない。
ただ、ネット上ではこれまで、アニメ「けいおん!」は13話まで続くのでは、と噂されていた。
出所は不明だが、2009年5月末頃から、アニメのサブタイトルは「第10話:また合宿!」
「第11話:ピンチ!? 」「第12話:ライブ!(仮)」「最終回冬の日!(仮)」だとみられていた。
それだけに、12話での「最終回」を不思議がる人が多かったようだ。
続きはソースにて
ttp://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090612-00000002-jct-ent
2 :
スズメノヤリ(大阪府):2009/06/12(金) 23:46:00.09 ID:9L4Lmw8R
,从、 ,ィイ . -‐- 、
/.:.:,ィハ /.:.:.{ . -―- 、 / ヽ
//V イ{-―‐- ... /:厶ィ::} / ヽ ′ { こ i
,!:! ,. イ´ ̄ ̄.:.ミ...く≦ ,.不. | { こ i | : |
/.:{:| / .:.: .:.:. :. :.. :.:..:.. :.:\ 孑 | や | | : |
/..:/∨ ..:.:,.イ:. :..:{ :..:.:.:..i .:..:..:.. 〈 | ( | ノ. ノ
厶.:彡/.! ..:-l‐{十.:.. ..:.:.}斗i一. l } | ) |  ̄ ` ー‐ ´
/..:.:.}. ‐:!.:|.i .:..|ハ:ト、.:.i ..:./iハ|:.:.. .∧ | ( |
. / ..:.:,仁.:.| 从..:.{ __ミ `{∨ ム__}!:リ:.ハ::ヽ l : |
/ ..:.:.:{:ミ:._| .:.:.ト》'fう::iヽ '行::iV}/:.:i:.:..'.. ノ : l
.′ .: ハ:〃| .:.小. Vツ ヒツノ'|:...:.|:.:.:.'.´ ヽ. ? .′
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i ..:..:..:.:l / 从.:ト、 ` ーrく 厂´リ:イ/⌒ヽ:..|
| .: .:..:.:|′ \,ト -≧、廴l{ハj] /' 「i{ /⌒≧_、
| ..:.:.:.:.:{ ,.イ /´ ̄ヽ{/「iトミ! ├!/ /´ ヽ}
| ..:.:.:.:.:|、 / ノ / `Y }V7`ヽ }7 / ヽ.
{ ..:.:.:.:.:| } / { {、 i l { ト{ 廴_j } 从 {{ i { i ,{ }
3 :
シロバナタンポポ(三重県):2009/06/12(金) 23:46:03.48 ID:f4pGT2Ns BE:682548-PLT(12000)
|∀`)チラッ☆
ヤダ
5 :
チチコグサ(東京都):2009/06/12(金) 23:46:09.76 ID:B5HEoDhj
以下スクリプト
6 :
ヤブツバキ(不明なsoftbank):2009/06/12(金) 23:46:12.81 ID:fYlaf789 BE:479951647-BRZ(10000)
こんどこそ!!
ダイソーイヤホン最強他は糞
7 :
プリムラ・ヒルスタ(福岡県):2009/06/12(金) 23:46:18.27 ID:O5C9YR4x
フ`ヽ`ヽ /V}i
ム ヽ ー―-- 、∠ i i
彡xxv___ Z > i i
/ \――― ヽ ii
/ ィ>゙~~~~~~~~丶 ! i
// / i ! ! i
/イ / i \ ー:r ´ ¨ `ヽ} i
{/i i Y 心 ヾ } i
l r‐‐、弋り Ξミ〉ヾ、__ / i
/〈 ヽ /::::::::::::::o::i i
/o:::ヾ__ } ヽフ /:::::::::::::::o:::i\|
__ {::::::::::::::::::ヾテ/>--z ´.::::::::::::::::::r'ヽ|
__, ´ `ヽ:::::___/:::くフト、/.:::::::::::::::::イ
,´/ }トー一'::::::::∨/.::::::::::::. ィ V
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/ `ヽ__..,イ´ 〉 / Y:::::::::::ィ
l /《 i } ′ }:::::::/
xZ ヽ、__..ィ `ヾ、 __ノ} /∧:::/
r' { /`ヽ,∧ //ィ}/
i ト、 .. ' // `ー--イ}ム/
`ヽ `ー一 ´ / / ム{//
ヽ. ' / /ーレ
 ̄ ̄ { /
`ヽ__ /
13話「きちがい」
スクリプト攻撃まで5秒前!
11 :
ナズナ(dion軍):2009/06/12(金) 23:46:35.92 ID:j3smLIrp
yahooトップとか書いてもsakuられるのはsakeられん
なんちゃってwww
12 :
チチコグサ(dion軍):2009/06/12(金) 23:46:36.34 ID:4K0l9qzb
くるぞー
13 :
クヌギ(東京都):2009/06/12(金) 23:46:47.20 ID:xR4zh/zX
記念マキコ
14 :
ミヤコワスレ(京都府):2009/06/12(金) 23:46:47.97 ID:ONVLXCFI BE:1080786847-2BP(200)
え、ほかのアニメみたいに26クールやるんじゃないの?
きめー
16 :
フクシア(東京都):2009/06/12(金) 23:46:52.61 ID:FJCHGca2
yahooトップだかられっきとしたニュース
え??
ハルヒとか24羽だったよな。。。
なんでけいおんはこんな早いんだ??
差別だろ!!!
18 :
コブシ(静岡県):2009/06/12(金) 23:46:55.99 ID:w9lS9Xem
くるぞー
またキチガイか
20 :
プリムラ・ヒルスタ(福岡県):2009/06/12(金) 23:47:00.31 ID:O5C9YR4x
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21 :
スノーフレーク(catv?):2009/06/12(金) 23:47:04.27 ID:p9n0+ak9
くるか?
22 :
エビネ(東京都):2009/06/12(金) 23:47:05.00 ID:9ja5WVzz
ムギちゃん最高。
いやっほおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお。
◆aLICeotiAI
仕事だ
24 :
ナガバノスミレサイシン(静岡県):2009/06/12(金) 23:47:08.41 ID:ypCe21vA
25 :
雪割草(catv?):2009/06/12(金) 23:47:08.94 ID:xjFwVb/S
ん?
26 :
チチコグサ(東京都):2009/06/12(金) 23:47:13.59 ID:gFShYTKo
同じプロバイダではありませんように南無南無
27 :
ハチジョウキブシ(大阪府):2009/06/12(金) 23:47:16.28 ID:zUlUtGEc
埋め
「けいおんは生きがいなのに・・この仕打ちは酷すぎるよ」
「早すぎる。早すぎるんだよ・・」
「なあ?最終回てか有り得ないだろう 人の初恋を奪うなよ」
「俺の生きがいを奪うなと言うこととけいおん最終回とか有り得ない」
29 :
マーガレットタンポポ(千葉県):2009/06/12(金) 23:47:20.22 ID:eXBS3Qhd
第12話「軽音!」
学園祭が間近に迫った日、唯が風邪で寝込んでしまった。
憂が懸命に看病するが、なかなか熱が下がらない。
澪と律は彼女の回復が間に合わない可能性を考慮し、梓にリードギターの練習をしておくように命じる。
だが放課後、学校を欠席していたはずの唯が音楽室にやってきて…
脚本:花田十輝 演出:石原立也 絵コンテ:石原立也、山田尚子 作画監督:池田和美
第13話「冬の日!」
季節は冬。指がかじかんでしまいギターの練習ができない唯は手袋をはめるなどして弾こうとするが
うまくいかない。しまいにはみんな冬の寒さが悪いと嘆く彼女だが、梓から何でも冬のせいにしないように
諭される。そんなとき、唯はふと冬を楽しむための名案を思いつく。
脚本:吉田玲子 演出:北之原孝將 絵コンテ:山田尚子 作画監督:西屋太志
31 :
ノミノフスマ(東海・関東):2009/06/12(金) 23:47:23.18 ID:Hbo2EMX9
むしろ来い
くるぞ…
33 :
オキザリス・アデノフィラ(千葉県):2009/06/12(金) 23:47:30.62 ID:K8mjprG5
あのコピペ荒らしまた頑張れ
アニヲタを潰すなら応援する
アニヲタは死滅しろ
34 :
チチコグサ(不明なsoftbank):2009/06/12(金) 23:47:34.89 ID:GqiE9KrZ
◆aLICeotiAI
久々にリアルで噴いた
yahooワロタ
36 :
水芭蕉(福島県):2009/06/12(金) 23:47:36.72 ID:wGOGyL0z
「けいおんは生きがいなのに・・この仕打ちは酷すぎるよ」
「早すぎる。早すぎるんだよ・・」
「なあ?最終回てか有り得ないだろう 人の初恋を奪うなよ」
「俺の生きがいを奪うなと言うこととけいおん最終回とか有り得ない」
きめええええええええええええええええええ
37 :
チチコグサ(東京都):2009/06/12(金) 23:47:37.70 ID:B5HEoDhj
「早すぎる。早すぎるんだよ 」
「なあ?最終回てか有り得ないだろう 人の初恋を奪うなよ」
「俺の生きがいを奪うなと言うこととけいおん最終回とか有り得ない」
京兄豚きもすぎwww
けいおんってつまらないよな
放送が終ると同時に忘れられそう
39 :
シンビジューム(東京都):2009/06/12(金) 23:47:40.92 ID:7kGPGNbU
生徒手帳がうんたらかんたら>allはあああ?
スクリプトはやくこい!
41 :
シロバナタンポポ(三重県):2009/06/12(金) 23:47:42.09 ID:f4pGT2Ns BE:171124-PLT(12000)
ムギちゃんのメインの回が無かったのが不満です。
2期やってください。
42 :
ユキヤナギ(アラバマ州):2009/06/12(金) 23:47:45.87 ID:4HOyAOEt
早くやってくれ
43 :
ねこやなぎ(北海道):2009/06/12(金) 23:47:53.28 ID:F8GA+0LW
そんなに辛いなら死ねよ
44 :
スノーフレーク(catv?):2009/06/12(金) 23:47:56.85 ID:p9n0+ak9
別所小宵はスーパー池沼
45 :
ケンタウレア・モンタナ(アラバマ州):2009/06/12(金) 23:47:56.72 ID:3vD9F7dB
yahooトップとかアフォ?
46 :
ヤエヤマブキ(埼玉県):2009/06/12(金) 23:47:59.46 ID:U1Hxk7LX
きんもー
ざわざわ・・・・
48 :
プリムラ・ラウレンチアナ(埼玉県):2009/06/12(金) 23:48:10.15 ID:OMRy+8L4
早くこいよ
荒らし早くきてくれー
50 :
ナガバノスミレサイシン(静岡県):2009/06/12(金) 23:48:22.02 ID:ypCe21vA
51 :
チャボトウジュロ(東京都):2009/06/12(金) 23:48:24.89 ID:OCsc45zv
早く来い
52 :
チチコグサ(アラバマ州):2009/06/12(金) 23:48:31.19 ID:cG5DEbBm BE:802432883-PLT(15556)
ako降臨魔法発動
53 :
チチコグサ(東京都):2009/06/12(金) 23:48:32.27 ID:B5HEoDhj
早くこの糞スレを止めてくれ
アニメスレだからといって何でもかんでもsakuったり止めたりするのは間違ってる
55 :
ヒヨクヒバ(アラバマ州):2009/06/12(金) 23:48:33.93 ID:N8Njom1j
さあこいっ
56 :
ノゲシ(北海道):2009/06/12(金) 23:48:36.39 ID:qwBzgUjf
けいおんは生きがい
これは流行る
57 :
ケンタウレア・モンタナ(アラバマ州):2009/06/12(金) 23:48:37.13 ID:3vD9F7dB
>>41 確かにうんこ太そうな顔してるからお前が好きそうだわ
58 :
バーベナ(山梨県):2009/06/12(金) 23:48:38.04 ID:aZIfDh++
これも、ひだまりスケッチもみなみけも全然おもしろくない
これらを見て何を楽しむの?
おもしろいって言ってる奴等は集団催眠にでもかかってるんじゃねーの?
59 :
パキスタキス(茨城県):2009/06/12(金) 23:48:39.42 ID:KWU6Fss0
koikoi
60 :
トリアシスミレ(東京都):2009/06/12(金) 23:48:40.97 ID:qwppTnD9
荒らし早く来てくれー
61 :
コブシ(静岡県):2009/06/12(金) 23:48:45.26 ID:w9lS9Xem
おせーよ
62 :
タツタソウ(関東・甲信越):2009/06/12(金) 23:48:46.16 ID:XjVbvjcy
パンドラハーツの方が面白いし
どうせ3ヶ月もすれば他のアニメに現を抜かしてるんだろお前ら
奴は一体なんなんだ
. : : ´ ̄ ̄ ̄ : : : . 、
. : ´ : : : : : : : :i: : : :i : : : : ヽ
/: : : : :/: ;___/ :/!: : : :!: : i. : : : :`、 _人_
/ : : : : : /.: ;二7.:/ ! : : /!: : |ヽ: : : :ハ `V´ +
,′: : : : :j :l:``7;ム_j :/ i :/!| }.: : : : : !
! : : : : : :.l: !: :./x=ミメ j/-リ-‐i: !:. : : :!
.! : : : : : :.i: :!:,ィ'ん沁` 斥ミ、!:.!:i: : : i
l : : : : : : :l: l/` 辷ソ ヒマハj/|:.i: :i: :!
|: : : : : : : |;ハ .:::::::.. 丶 `" /::i: !: !:i:.i +
|: : : : : : : : : : ! 、 :::::.l:::::!: !:.レヘ!
.!: : : : : : i : : : i ‐- ' ノ::::i: :|!:} _人_
!: : : : : : i: : : :.!` 、_ ,. イ::::::::!: :ハ! `V´ +
ヽ: : : i: : i: : : :j__ 7´ :::::!::::::::j:/
,..:.:.:.´ヽ⌒ヽ!⌒ソヽ \ ムヽ:::/!::::/ l′
/:.:.:.:.:.:.:.:.:.\_j |:.:.:\ ,小|^ヽレヘ、
i :.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.i ト、:.:.:ヽ! |!ヽ、:.:\:.:.ヽ.__
{ :.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:! |:.:.:フ:.:.:| i} ト、ヽ:.:./:.:.:.:.:.:ヽ
〉 .:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ハ i/.:.:.:.:ゝ、ノ }ノ!:.ヽ:.:.:.:.:.:.:}
{:..:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:./ ! ハ:.:.:.:.:.:.:.:.::| 「!| !:.:/:.:.:.:.:.{
やったああああああああああああああああああああああああああああああああああああ
67 :
ヤブツバキ(不明なsoftbank):2009/06/12(金) 23:48:52.88 ID:fYlaf789
760 たまご ◆EGGMAN.HlI sage New! 2009/06/12(金) 23:44:00 ID:4FqCPmy40
待てやめろ
どうやらこのスレの寿命は後僅かなようだな
生きがいで確定したのかw
69 :
チチコグサ(長屋):2009/06/12(金) 23:49:03.02 ID:WEu6748A
澪は友人を平気で殴る暴力女
律は天使
70 :
ヤブテマリ(宮崎県):2009/06/12(金) 23:49:04.13 ID:hTOQrn69
ホントきめぇなアニオタは
白い、
アニオタ早く死ね
「毎日、したほうが良いですか?」
「必要がないって、誰もそんなこと思ってないよ」
てけてけ、がしっ、よじよじ。
和泉ちゃんが、大げさに、きょろきょろと辺りを見回す。
「? あの…ここのシスターでしたら、透矢さんが入院されている間に…」
「さようなら」
なんでだろう。
「アリスも、そろそろいい?」
手を離す。
「そのまえに…窮屈そうだから、脱がせるね」
「やっと終わりだね」
僕に、もっと気を配るだけの余裕があったなら、
「あとで、お礼のひとつくらいするわ。バイバイ」
雪さん――世界中でただひとり、僕の中にだけ存在しているようだ。
「むー」
「あの、透矢なんだけど」
「終わってからにしようよ…ね?」
僕は指を引き抜くと、自分のものを取り出し、彼女の入り口にあてがった。
「旦那様」
「はぁ…それは嘘だから」
「あー、それじゃあ、アリス」
認めてしまえば楽になれるのかもしれない。
ねえ、雪さん?
「ホント、痛かった。あんな子、他にいやしないんだから、大切にしないと駄目だよ?」
「いえ、洗わなくて、いいですから」
「失礼しますね」
そういえば、雪さんはどんな本を読んでいたんだろう?
「また、来るから」
「もう、からかって。私に褒められたって仕方ないじゃない」
くすくす。
けっきょく、この後は、ゴロゴロするだけで一日を終えてしまった。
第一印象は、寂しい場所。
「ちょっと信じられんな…」
「あなたには聞いてない」
「うかがいを立てる?」
(でも、確かに漫画の記憶喪失ってそんな 感じだよな…)
「男なのは確かだと思うけど」
「っぁ、おしり…だ、めっ…ぇ」
「じゃあ、こっちの道から行こう。そのほうが和泉の家も近いしね」
中には小銭がいくらかと千円札が五枚、それから、
でも、いつもと勝手が違うのか、真っ直ぐな髪の毛は指に絡まらず、さらさらと流れ落ちてしまう。
「…私、おいしかった?」
「雨とか降ると、大変じゃない?」
好意的に、間接キスと思えばうれしく無くもないけど、
117 :
キランソウ(兵庫県):2009/06/12(金) 23:49:11.53 ID:G0VlHQIv
↓「死ね」
「そんなこと言ってたら、終わんなくなっちゃうよ?」
マヨイガのことはともかく、これはいい機会なのかもしれない。
ホタルが生息するのは、きれいな水辺。
そう言って、いそいそと舞台に上がる花梨は、活き活きとした表情をしていた。
「花梨はいい子だよ。謝る必要なんてどこにもない。ほら、顔上げて」
庄一と別れ、家の前まで戻ると、
「放射性物質には必ず半減期というものがありますの。放射線の放出量が半減してしまうんですわ」
「部活でお忙しかったですからね。たとえテスト期間でも、まだ戻っていなかったはずですよ」
きのうの、祭りの後…具体的には舞のあたりから、明らかに様子がおかしい。
顔を出すっていう、アリスとの約束。
「うん。それじゃあ、ママとしゃべったことは?」
「いいじゃない。ふたりのほうが、はかどるんだから…お茶だっていれてあげたでしょう?」
「きゃっ!」
「花梨ちゃーん…」
132 :
ジシバリ(青森県):2009/06/12(金) 23:49:12.76 ID:UishmpOC
スクリプト応援してるぞ
「お姉ちゃんを知ってるんですか!?」
だるいだるいと言うけれど、この子は時間を問わずいつでも元気だ。
『こんなところで、何、やってるの?』
死ぬって、どういうことなんだ?
「あ、そういうことか…悪さをしたとか、そういうことじゃないんだね」
変なとこ、とは彼女のお尻である。
「やぁっ…本当に…だ…っ…ぁぁ」
「内輪の集まりだけどね」
「ひどいんですね。人の顔を見てお笑いになるだなんて」
それくらい、彼女へのキスはあたりまえで…いつもみたいに、むやみやたらと照れずに済んだ。
「ええ、おかげさまで」
「ご、ごめん。でも、別に変なことは…」
ひとりでいても気が滅入るばかりだ。
「透矢さぁぁぁん…」
「でも、雪さん、自分でしてるとき、すごく気持ち良さそうだった」
“びゅっ”
抵抗はない。
「…うん。可愛いと思うよ」
「透矢さ…っ…」
「アリス、仲直りしたばっかりなんだし。マリアちゃんも、ほら」
「雪が体調良くないのを表に出すなんて、めずらしいね。一人にしといて大丈夫なのかな?」
「んー、僕はいつも片手」
ばいばい、花梨。
「…んぅぅ」
(頑張れ…)
「舐めるっていうこと?」
「だ、駄目! そんな…汚いもん」
暗くなってきて、帰らなきゃいけない時間になった。
「透矢が元気になりますように…ね」
庄一が見下ろした先には、親友の背中に向けて差し出される小さな手があった。
「和泉ちゃん…こっち」
ただ、庄一は、ひどく優しい顔をしていた。
「宮代さんと帰りたくないんですの?」
「んぅー、っ、っぐ…」
「ひゃっ! あっ、ぁっ、ぁっ…」
いつの間にやら、見慣れた姉妹ケンカになってしまった。
なんだか、自分を追いつめてしまった気もする。
中にいるのは、雪さんだろう。
「不便なことと言いますと、例えば?」
彼女は、甘えた声をあげ、しがみついてきた。
「…ばれないかな?」
最初、そんなことを疑う人間はいなかった。
「はいはい、二点目いただきー。ちなみに五点先取だから」
まあ、見学くらいなら…
「ですから、過去も未来も、今とつながっているんですの」
「想いを込めているからですわ。その想いが波となり、物理的に世界を動かす」
「くす。一緒にいると、うつっちゃうんだよね、花梨ちゃんのクセって」
「ふふ…やっぱり覚えていましたのね」
「はい、ちょっと」
ああ…帰って来たんだな、無条件に、そう思わされた。
「産んでも…いいですよね?」
「すまん、一生の不覚だ。背中に張りついたきり離れなかった…」
「とはいえ、マリアちゃんが危ない目に遭うのは困るよ。できるだけおねえちゃんと一緒にいないと」
「今日は大丈夫だと思うんだ。こんなことばっかり自信があるのも、嫌だけど」
庄一は、そんな僕の様子に笑いをかみ殺しながら、
「あ、でも――」
「やー、私がそういうこと言ってもらえるのって、この時期だけだから」
「うん…っん…」
『ナナミ様、ナナミ様――』
「子供の頃は、そんなもんでしょ!」
「わがまま…」
不思議な、そして美しい少女。
玄関の戸が開いて、花梨らしい声が聞こえたと思うと、
「おねーちゃん」
「冗談というより悪夢だな。しかも、そういうのに限って正夢だったりするから困るんだ」
「一発はアリスの分。女の子は大切にするのが、庄一の信条じゃない」
誘うように目を閉じたマリアちゃんの体に手を触れさせる。
「雪さんと、ちょっと似ているところがあるかもね。色白で、涼しそうなところなんか…」
「…わたくしが原因なんですの。儀式の邪魔をしてしまった」
記憶が戻るまで、こんなことをくり返すのか。
「夢、ですの?」
「一日は二十四時間、一時間は六十分…」
遠くてよくわからないけど、丈の長い、スカートのようなものを身につけているし髪も長い。
和泉ちゃんの言葉が、びっくりした様子で、たがいの顔を見合わせた。
207 :
ナガバノスミレサイシン(静岡県):2009/06/12(金) 23:49:15.14 ID:ypCe21vA
>>63 お前ら来期はうみものがたりの団地妻最高とか言ってるんだろ?
「普段だって、何?」
「約束?」
「透矢さん…今ね、とても…気持ちいいんですの」
体が、震えていた。
「鈴蘭ぱーんち!」
「え? ぁー…ああっ!」
「はぁ? 思ったより楽しめたって言っただけじゃない」
「庄一、そっちは?」
ていねいに周りを掘り返すと、耳らしきものや尻尾らしきものが…
「ナナミさん…夢の中の彼女…」
「っ…ん…」
上から砂をかけた様子がある。
「那波、どうしたの?」
絹みたいにつややかな髪が、夏服のそでから露出した僕の二の腕をくすぐる。
『ときどき見ますわ、透矢さんに片思いしている夢を』
「海を、見ていますの」
はたから見ているほど、心安らぐ状況でもなかったらしい。
「さーて、どういうことか説明してもらおうじゃないの」
これじゃあ、まるで僕が…
「いっ…っぁ…っっ!」
つまるところ、だから『のんき』でいられるんだろう。
「冗談みたいな話だと思うでしょう?」
なんの悩みもなく、誰に迷惑をかけるでもなく、過ごせていたはずなのに。
さしこむ光にギラリと輝くそれは、まさしく宝物だった。
「庄一は手伝わなくていいの? 大和神社にも関係あるんでしょう?」
「…知ってたよ」
「ごめん。さっきまで、ボーっとしてたから」
「ぅ、うるさい! 余計なことつっこまないの、このムッツリメガネ!」
「雪は、本当に言われた通りにしていただけですから、細かいことはよくわからないんです」
そのうち、僕は走り出していた。
それどころか、流れ込む吐息からは戸惑いの色が消え、すっかり甘い色に支配されている。
「いろいろあって。それでね、試合もひと段落したし、息抜きにデートでもどうかなぁ、なんて」
今さらではあるけど、よくここまで気がつくな、と感心してしまう。
「可愛いって言ったんだよ」
「信じていい?」
「言わないでください…もちろん、透矢さんのお望みでしたら、また、してさしあげますけど…」
「…花梨だって、和泉ちゃんに申しわけないと思いながらパーマをかけたんでしょう?」
「まあまあ。それより、ありがとう、アリス」
「胸、痛かったの?」
僕は、返事を返す代わりに、ふとももの間に顔をうずめ、何度もキスをした。
彼女は、雪というのか。
とは言うけど――
最後に、もういちど、ちょん…
「瀬能、透矢」
「そうだよ、透矢くんまで…」
雪さんは、少したしなめるような調子でそう言った。
地面を蹴るたびに、水の跳ねるような音がする。
「怖がってるよ。やめない?」
「お望みなら、この場で再現するけど?」
「その、お偉いさんっていうのは?」
僕も花梨も、和泉ちゃんのことで参っていたため、救われた恰好だ。
実際、ここ数日、何度も同じようなことをしているけど、このキツネ、僕にだけなつく様子がない。
つまるところ、だから『のんき』でいられるんだろう。
「寂しい、ですか?」
「別に、雪じゃなくてもそうすると思うんだけど」
「部活、出ないとまずい?」
「ふふ、お会いになりますか?」
「あのねぇ」
花梨を送っていくつもりだったから、少し戸惑う。
「くぉの! そういう問題じゃ――」
「うん、そろそろ。アリスは、もう痛くないのかな?」
十秒も経たないうちに戻ってきた。
「…ちょっと…良くなったみたい」
彼女は、泣いていた。
女の子がいた。
うなずき返すと、和泉ちゃんはにこにこ笑って、僕をさらに底へと導いた。
「…変なこと言ってないよね」
ただ、彼女や僕――人という生き物に、わずかでも奇跡を望む力があるというならば、
「くす」
「和泉ちゃん、大丈夫?」
「…ひ、ヒザはひどすぎ」
確かに、教えてくれている和泉ちゃんの反応を見てる限り、僕もけっこうきわどい立場にいるらしい。
「いいんだけどね、慣れてるし」
僕は、ほとんど叩きつけるようにして腰を突き上げた。
「邪魔だなんて、そんな。雪はむしろ助かりました」
この際だから、夢のことまで聞いてしまいたいところだけど…
それだけ言うと、庄一は『ふん』と軽く鼻を鳴らしながら、皮肉っぽく口もとをゆがめた。
夜――『案の定』の孤独。
「おねーちゃ…おねーちゃぁん…」
「いいえ。雪は家政婦ではありません。メイドです」
「強かったのもあるけど、甘える人がいなかったんだよねぇ、きっと」
時間はあるし、ここまで来たら後に引くつもりもない。
「雪さん、ごめんね」
社交辞令じゃないのはすぐにわかった。
「花梨ちゃん、どう…?」
「でもさ、和泉ちゃんはいいの? 花梨や庄一ともお別れだよ」
あたたかい感触を思い出して、つい唇に目をやってしまう。
「だそうですけどー?」
庄一が言うように、雪さんは特別だ――彼女を基準に考えちゃいけないんだろう。
「うーん。まあ、考えてもわかんないものはわかんないよね。仕方ない…荒療治する?」
言わないよ、じゃない。
どうやら、ズボンの下で大きくなったものが、彼女のお尻に当たっていたようだ。
『うん…』
「はは、それにしても散々な…」
友達は、みんないなくなったり入院していたりするし…彼女のほうばかり見ているからだろうか。
確かに、誰も来ていないのは、ちょっとおかしい時間だった。
彼女は僕の指先を、ゆっくり、本の上にすべらせた。
「雪と透矢さんは、同い年ですよ」
物を食べている時の顔っていうのは大概間抜けになるらしい。
「おね…」
僕の問いかけが聞こえたのか、ふたりの様子を見ていると怪しい。
「ちょっ、自分で拭くわよ!」
「はは、わかってるよ。アリスは本当にマリアちゃんが好きなんだね」
わけもわからず引いているだけの、恐ろしい弓道のことなんかより、
僕は、雪さんの『はしたないところ』に口をつけ、舌を差し込んだ。
だけど、雪さんや友達がついているという安心感が無意識のうちに働いていたのかもしれない。
そういえば、最近、やけに花梨と意気投合してたなぁ…。
「奇遇ですね」
「保って、あと一日か二日――」
「馬鹿! あれは…」
雪さんが読む本じゃなかった。
「今の僕が首を突っ込むことじゃないと思うんだ。冷たいかな」
窓枠に区切られた狭い世界――切り抜かれた青空を、見上げる。
僕に向けた、敵意の表情とは、似ているようで違う。
髪から落ちる滴がなければ、泳いできたことに気づきもしないだろう。
「きのうの事」
けいおんスレ立てた奴be焼きぐらいにしろよもう
考えるだけで、あの、なま暖かい感触がよみがえってくるようだった。
「違うんだ? でも、良かったのかなー、庄一を行かせちゃって」
「明日も、明後日も出てこなかったら?」
「おまえ、今までの話を聞いてなかったのかよ」
「ナナミは、ナナミですわ…旦那さまのものですから」
「ああ、そっかそっか」
(夢…?)
「まっとうな人間が、魔法だの魔女だの、騒ぐと思う?」
彼方のマリアちゃんに、頭を下げた。
「庄一さんがいなかったら、危なかったかもしれませんね」
「お父様と…呼ぶな! お前は…お前が死ねば」
「防空壕のこと調べようと思うんだけど、つき合わない?」
「私は新城家のひとり娘で、全資産の相続人でもあるの」
「透矢さん、やっぱりタクシーを呼んだほうが良かったんじゃないですか?」
「私だって、ふたりのこと好きですよぅ。おねえちゃんだってそうだよね?」
だけど…
「あー…はは、人違い…」
雪さん、じゃんけんに勝ってたらどうしたんだろう…
「他に誰がどこに行くんだよ。おまえさ、和泉ちゃんから、何か言われただろ?」
彼女は、大きな目を真っ赤にはらして、泣いていた。
和泉ちゃん、牧野さん、雪さん、花梨…
ゆいいつ確かなもの、自分自身を求めて貪るように手をはいまわらせる。
子供をもうけて、家族を作ること。
そう考えながら、僕は二の腕をさすっていた。
僕のために頑張ってくれているのに、これじゃ失礼だ――気を引き締め直す。
型の指導と、背中に張りついた花梨が首をかしげた。
窓枠に区切られた狭い世界――切り抜かれた青空を、見上げる。
「本?」
「…本当ですか?」
意地を張り続けていたアリスも、体力が尽きたのか、精神力が尽きたのか、何も言わない。
病気で苦しそうだからっていうのもあるけど、雪さんが喜んでくれるのを想像するのは楽しい。
「だったら、那波がずっと元気でいられる可能性を選ぶことにしよう」
「う、うん」
僕は、悲しくて涙を流している自分に、気づくことができた。
なのに、雪さんが、花梨をひっぱたいて花梨は泣きそうな顔をしていて、
道はひたすら一本道で、しかも地下に向かっているようだった。
「僕、泳げるんだよね?」
なんてことを考えたりもした。
「透矢さん…もう大丈夫ですから、動いて下さい」
背後で、人の気配がした。
「痛がるかもしれないけど、最後まで」
このままじゃまずい――僕は、ひとまず力を抜くことにした。
「あはっ。じゃあ、透矢さん、そういうことで。今日はそろそろ失礼します」
軽く唇を舐め合った後、舌を絡めた。
「どうかな、キミの彼女の体。目立つほど筋肉はついてないと思うんだけど」
「やだな。別に、透矢が謝る必要なんてないでしょ。事故なんだから」
おもしろいどころか、ほのぼのした空気にそぐわない凄惨な光景が浮かんできた…やめておこう。
「それが売りなもんで。でもさ、駄目もとで医者に行くのもアリだと思うよ」
「あの…裸だったから…なんとなく恥ずかしくて」
「庄一のうす汚れた愛なんか、ほしくないですー」
「また、怖い夢を見たんですね?」
「もう少し、ゆっくりしていけば?」
背中から差した光の中を、こらえきれなくなったものが、輝く雫となってこぼれ落ちた。
「…んー」
「あの子、私を守ってくれていたんです。他の悪い霊に憑かれないように」
「…わかりませんわ」
「ウチはおまけなんだよ、おまけ。まあ、後かたづけくらいは手伝うさ」
黒い髪を風になびかせて、彼女は、寂しそうに海を見つめていた。
「私が脱ぎたいの」
追いかけてくる彼女から、僕は必死で逃げた。
行為を再開する。
「だーっ! あなたたち、ちょっと黙っててよ。マリア、こっちにいらっしゃい」
「いや、そういう問題じゃなくて、なんか精神的にすごく落ちつかないんだけど」
彼女がいつも身につけている指輪だ。
少しもごまかせていないのに、男は無条件でごまかされてしまうような笑い。
「だ、だってぇ…思いっきり叩いたら死んじゃうよぉ」
「ふーん。そっか…じゃあ、また明日」
納得なんか、できるはずがない。
「神隠しですか…」
あの頃の僕には、彼女が何をしようとしていたのか、よくわからなかった。
「マリアちゃんは嫌じゃないの?」
僕は、きっと、忘れないだろう。
すっかり、見とれていた。
彼女は僕と、どんな関係なんだろう?
「あふっ…ひゃっ、ひゃめぇ…」
試合はどうなっただろう――花梨は?
へとへとになって、家へたどりつくと、時刻は十時を回っていた。
「? ていうかね、キミぃ、体をほぐしとけって言ったでしょぉ〜?」
無我夢中でそれを続けた。
僕は再び、スパッツの中へと手を伸ばした。
「石になんかつまずいてないよぉ」
口元に、ぬっとミカン飴が現れた。
「透矢さん、くださいな」
置いていかれたのはちょっと寂しかったけど、ああいう状況じゃ仕方がない。
「あー、も、もちろんわかってたから」
ふわふわと空を舞う、あの雪のひとひらを、見ていた。
「……そう。おやすみ」
「それに、これでさようならだから」
「違うんだ? でも、良かったのかなー、庄一を行かせちゃって」
なんの抵抗もせず、行為を受け入れる彼女のそこは、あっという間にびしょ濡れになってしまった。
「確認と報告?」
僕も花梨も、和泉ちゃんのこと、こんなに好きなんだから。
「っふ、ぅん…」
心配なのは、この調子をお祭りの本番にまで引きずってしまうこと。
とか言いながら、すでに、口を耳に近づけ、ふぅふぅと息を吹きかけている。
「雪さん、ご両親のことは、ぜんぜん覚えていないんだっけ?」
「…もし生まれ変わるのでしたら、あんなふうに生きてみたい気もしますわ。透矢さんの恋人として」
僕は、その横をすり抜け、無言のまま、道場を後にした。
あまり言われるのも嫌だなと思っていたので、ありがたい。
花梨は納得のいかない顔をしていたけどそれ以上は追求してこなかった。
「はぁぁ…っ…ぁっぁっ…」
きのうの夜もそう。
「でも……んっ…」
「切りますよ?」
「ホントだ…」
「マリアちゃんは、なんて言ってるの?」
「透矢さん…」
「あ、あれ? どうしたの、ふたりして」
(こんな、これでいいわけがないんだ)
確かに、僕の歩いて来た道がある。
そんな二人に、また、よけいなものがあふれそうになる。
「い、いや」
「雪も、ああいうこと、したほうがよろしいですか?」
「あ、うん、透矢くんはそんな感じ。そのほうがいいよ」
「自分でも、そう思うよ」
「負け惜しみ?」
和泉ちゃんはとつぜん、すっとんきょうな声をあげると、花梨と僕の顔を、何度も見比べた。
アリスが足を閉じようとすると、マリアちゃんは、あわてて腰を下ろした。
けっきょく、今日は彼女と話す機会がなかった。
「和泉ちゃん…っ」
「それは、さすがになぁ…」
彼女は夢の中の少女じゃないのか?
アラビアのローレンスぅ
「ねえ、透矢くん。どうして私がメガネをかけてると思う?」
「それじゃあ、月にはすごい数のウサギがいるってことだね」
こういうところは花梨なんだよなぁ、なんて思い、どういうわけか安心した。
結局、花梨の家についたのは出発してから三十分も経った後だった。
「どうして、ナナミを…」
「応援?」
べーっと舌を出したかと思うと、にこにこ。
メモのすみっこに描かれた雪うさぎのイラストは、雪さんのサインだろうか?
「まったくだ」
吐息が、あえぎに変わる。
吸って、吐き出してを、くり返す。
「まあ、こんな時だし、キミも少しは甘えていいと思うよ。ひとりぼっちだもん…寂しいよね」
「なんでも読みますわ」
「僕が、見た?」
なんにもする気にならない。
「あ、ちょっと、マリアちゃん」
「花梨の巫女さん姿か。見てみたいね」
ふがいない…
うなずく彼女の首筋に顔をうずめる。
「あ、雪さん…ごめんね、朝から僕ばっかりダラダラしちゃって」
「はは、ありがとう。でも、その子から見たら違って見えるかもしれないよ?」
「おまえさ…となりの席、花梨じゃなくて和泉ちゃんで良かったよなぁ」
僕たちは、その場をあとにした。
「だから練習しといたほうがいいって言ったのに、もう」
「記憶も、戻られましたしね」
「私は、それで泣きやんだなぁ…あれからなんとなく、キミのお母さんって素敵だなぁ、とか…」
手を取られる、背中に胸が押しつけられる、吐き出された息が首筋をくすぐる――
「花梨はそれで大丈夫?」
あの、洞窟の先――その先にあるのが、あの美しい光景だとしたらどうだろう。
「…そんなことないよ。みんなが、仲良くやっていけるのが、いちばんいい」
「いいも悪いも…マリアちゃん、無理してるんじゃ…」
「泣かないで。大丈夫ですわ…お側にいますから」
だらんと、犬のように舌を垂らして、花梨がうめいた。
何も、ごく一般的な家があるなんて思っていたわけじゃない。
「花梨ママの、おっぱい」
「もう、そんなこと言ってると、またけっ飛ばしちゃうからね」
不思議な体験だった…ような、そうじゃなかったような。
やっぱり、幼い頃に見た彼女は、彼女のままで…
「あー、ミカン飴ね」
「目を閉じて、よく見てくださいな」
「雪、朝食の支度がありますから、失礼しますね」
何度もわき上がるその衝動だけどうにか押し殺して、僕は…、
なんでもやってくれる優しいメイドさんがいて、だらっとしているだけで、時が流れていく。
「詳しい事情はわかりません。すべては、透矢さんのお父様からうかがった話ですから」
どうも今日は間がもたないというのか…変に意識してしまって、お互い、口を開くことができない。
「ならない」
『和泉ちゃん!』
「まあ…その話はいいか。少なくとも嫌われてないんだから喜ばないとね」
「ロケットは月に着いたよ。キミが夢を捨てなければ、雪に会いに行くことだって出来る」
活動的なデニムパンツの下から現れたのは、いかにも女の子らしい、リボンつきのショーツだった。
「それって、花梨とのこと?」
「いいけど…何?」
牧野さんにそっくりの声、真っ白な肌、艶のある美しい髪も、色素の薄い瞳も、すべて。
「わかってる。だいたい、花梨はなんにも悪くない」
すごく、きれいで、優しい人だった…
首を絞めるようにして、マリアちゃんの体を揺さぶるアリスを、庄一が取り押さえる。
花梨の手からウサギが離れた。
505 :
フイリゲンジスミレ(愛知県):2009/06/12(金) 23:49:19.88 ID:BCDdzjy0
キタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ !!
「あのとき、なんて言った?」
離ればなれになる確信がある、そうじゃなければ、その必要性を強く感じている?
だったら僕も、みんなの期待に応えてあげるべきじゃないのか?
それにしても、なにげに手配とか言ってるけど、何をどうしたんだろう…
「んー、でもアリスのほうにつき合うよ」
「お願い、お書きにならないんですの?」
「和泉ちゃん…牧野さんのことがショックなのはわかるんだけど…」
「ええ。和泉さんが、いつも見舞ってくださるからですわ」
「お願い。私は…してほしいよ…」
幸い、入れているところがところなので子供が出来る、という心配だけはしなくてもいい。
キスされるわ、頭を撫でられるわ、周りの目が気になって気が気じゃない。
「こんなところに滝があるんだね」
「透矢さんの人徳ですよ。雪がいい人かどうかは置いておきますけど」
「っ…やだ…捕まっちゃった…」
要するに、僕は鈴蘭ちゃんのお気に入りで、彼女のお兄ちゃん役っていうところなんだろう。
最後に、キスをした。
「那波…あの…口でしても、いい?」
「風船ウサギって、教えてくれたの」
「ぶ、か、つ! 寝ぼけすぎー」
「や、やっと出来たね…」
「…? 僕の、部屋」
「幸せなら、出ていく必要なんてないよ」
僕は、差しだされた手をにぎると、さきほどのページに表記されていた、篆書体の文字をなぞらせた。
「だーって、あの温厚な雪ちゃんがビンタですよ、ビンタ!」
今は、そんなことを考えている時でもない…か。
今にも泣き出しそうなアリスの頭を撫でる。
連続した、曲線的な動きは、寄せては引く波の動きに似ていた。
僕の目に見えないところでばかり、事態が動いて、なんなんだ…?
僕を死に引き込む音。
535 :
パキスタキス(茨城県):2009/06/12(金) 23:49:20.02 ID:KWU6Fss0
律ちゃん天使
「その前にひとつ。花梨の『悪い病気』って?」
人の声、車の音、そういうものが、今、目の前の空間には一切存在しない。
「なんかすごい話になってきた…」
ボケっとしていると、ノックの音に引き戻された。
雪さんは、困ったように笑って、
「どうなんですか、透矢さん」
「本当です…」
「ナナミが教えてくれた篆書(てんしょ)とは、また、別の?」
僕は、夢か幻かはわからないけど、父さんが言う、神隠しってやつにあった。
「今日は、夢の中でもからかわれたんだよね。牧野さんも見た?」
早く、解放されたい。
「…撫でないでよ」
「いい? 先に言っておくけど」
理屈じゃなくて、直感みたいなもので捉えているんだろうなぁ、と思う。
誰だろう?
「…でも、私、ちょっと見てくるね」
「透矢ー、スイッチ入れてー」
じたばたじたばた――
どうして、こんなにぼんやりしているのかなぁ…ずっと、そう思っていた。
「…のほうが良さそうね」
「やだ。私、そんなにうれしそうな顔してる?」
「それが、ぜんぜん…」
と、口火を切った。
「それ、気持ちいいってことだよね。だったらいいじゃないか」
「まだまだですよ。あの量ですからね、少しずつ片づけていこうと思います」
ほどなくして、僕のものが、何か薄い壁のようなものに触れた。
「接吻…キス…僕とキスしたってこと?」
「どーも、透矢との間にある間が気になるんだよね…」
…入れたい。
「そういう事があるから、おねえちゃんも心配するんですよね」
「困りました」
「気持ち良くない?」
“パンッ、パパンッ…”
真っ白な風船、
アリスの大声に、鈴蘭ちゃんが怒り声をあげ、今度はその声でマリアちゃんが飛び起きて…
「はぁぁ…っ…ぁっぁっ…」
「…今ならいいか。牧野さんも同じ夢を見てるんだって」
「知らないけど、いいじゃない。態度が悪くても卒業はできるんだからさ」
行為のたびに上がるあどけない声が、お尻から伝わる刺激が、僕をとらえて離さなかったから。
名ばかりの勉強会がひと段落つく頃には陽が傾き始めていた。
和泉ちゃんが、またおかしそうに笑う。
体を落とし、ピンと立った乳首にかじりつく。
「あそこまでしてくれとは頼んでないよ」
「だったら、何?」
和泉ちゃんは、のんびりした動作で首を傾け、『困ったね』と苦笑した。
「なんだか、赤ちゃんみたいで可愛いんですもの。嫌ですか?」
「本当に、いいの?」
「頼むぜ、ホント」
「本当に来てくださったんですのね」
「ぇ…」
スカートの下で、もじもじと、ふとももがこすり合わされているのがわかる。
アリスは、マリアちゃんのために…
マリアちゃんは僕の手を離れ、アリスに飛びついた。
「どうかな、キミの彼女の体。目立つほど筋肉はついてないと思うんだけど」
「まあ、そう言うかなぁとは思ったけど。それじゃ、僕もやめておこうかな…」
だけど…あれは…
「気持ち良さそうだね…」
それ自体、別段おどろくほどのことでもないように思う。
それから、示しを合わせたように、うなずき合って、
カタカタと、歯の打ち合う音がした。
お風呂に向かう雪さんにことわって、僕は、ひとあし先に、休ませてもらうことにした。
「ふーん、気をつけてね」
何かが、顔の上を通りすぎて、
わからなかった…これ以上、何を言ってあげたらいいのか。
試合にデートに、失敗続きだ。
「…だって」
引き返せるタイミングで、巧みにエサをまかれ、誘い込まれている――そんな気持ちになった。
ふたりの姿は、ない。
「本当にいいから。楽しんでほしくて連れてきたのに、これじゃ元も子もない」
「…この子、オスだったりする?」
牧野さんの体は、とにかく軽い。
わざわざふたりの誘いを断ったのはいいけど、
「やっぱり…」
「アリス…最悪の手段っていうので祓われたキツネはさ、どうなるの?」
理屈からいけば、皇祖神アマテラスの存在を否定するものだから、という馬鹿げた理由からだ。
駆け寄り水をかけると、その人は笑って僕に同じことをやり返してくる。
「うん、頑張ってね」
「それくらい気づいてるよ。色素の欠けた体。瞳の色。なによりあんたの入れ込みようで」
「そういえば、作者の苗字、あなたと一緒ね。もしかして親戚筋とか?」
そんな具合で、面会時間中、呼びかけていたけど、彼女が目覚める気配は一向になかった。
「子供とか好きなの?」
花梨の物言いに、庄一が、やれやれと両手を上げた。
「冗談よ。これ以上の収穫はなさそうだし行きましょう。マリアが待ってる」
「そういうことは早く言いなさいよ。あなたのお父さんに聞けば、すぐ解決したってことじゃない!」
「いたたた…ちょ、ちょっと待ってよ。僕は別に、遊んであげないとは一言も…」
「これ、刀の柄だ」
「僕こそ、せっかく誘ってもらったのに、牧野さんばっかり見てて」
幻、だったのか?
いくら大した山じゃないとはいえ、目印もなしに進むのは危険すぎる。
どう見ても、大丈夫っていう雰囲気じゃない。
それでも、触れてみれば不思議と柔らかい。
「…好きにするといい」
「もう一回、する?」
「九時をちょっと回ったところです」
拭けば拭いただけ、今度は、やけに粘りけのある液体があふれてきて止まらない。
「駄目だよー、勉強に誘ったんだから、教科書も見なくちゃ」
「少しって顔色じゃないよ。休んでいったほうがいい」
「完璧…それより花梨だろ」
「でも、わざわざここで借りてるのが、透矢くんらしいなぁ」
「やっぱり、そうなんだ」
「気をつけろ、透矢。こいつはホントにやる女だから」
「極論だね」
お腹から、性器、お尻の上にいたるまで何度も何度も、白濁した欲望をまき散らして。
アリスが苦笑する。
僕自身は、牧野那波さんをどう思っているのか。
「うるさいな。実際、千早(ちはや)まで着るんだから綺麗になるじゃない」
「庄ちゃん、頑張れよー」
「ぜんぜん気にならないって言えば嘘になるけど…花梨はきっと大丈夫だよ」
駄目だ――
独特の張りつめた空気。
僕は気の抜けたような顔をする和泉ちゃんを、ほとんど引きずるようにして、その場から連れ出した。
「旦那さま…宮代さんを…守ってあげてくださいな」
目を合わせていた花梨が、僕に哀れむような視線を向けてきたのはどうしてだ?
だから――
「あ、いや、大丈夫だから。行こうか」
「ホントだよ。髪をほどくと、大人っぽくなっちゃうんだね。今まで気づかなかった」
「透矢さん、何を読んでいますの?」
「そんなことないと思うけど…あ、見て見て!」
和泉ちゃんは、のんびりした動作で首を傾け、『困ったね』と苦笑した。
「どうして?」
「…」
みんなが知っている自分と、本当の自分の差。
「…勝手に殺さないでよ」
「いや、そういう問題じゃなくて」
「ごめんね。でも、いるんだよ、人間の中にも悪魔みたいな人が」
「服が汚れるから嫌だな…。透矢、よろしくね」
662 :
スカシタゴボウ(福岡県):2009/06/12(金) 23:49:21.76 ID:Nq70aAzx
スクリプト↓
今さら、あとには引けない。
だから昼間はとにかく暑い。
要するに、僕も花梨も、ちょっと子供で素直じゃないんだと思う。
牧野さんの手の感触を思い出して、僕のものは、もう、はちきれんばかりになっていた。
667 :
ラッセルルピナス(大阪府):2009/06/12(金) 23:49:22.02 ID:hz36D4xy
我々は
>>1が何故このような発言をしたのかという
疑問を解決するため、
>>1の故郷である福島県いわき市に向かった。
「まだ日本にこんなところがあったのか…」
思わず口に出てしまった言葉を同行した上司に失礼だと咎められた。
小人が住むような小さな家、ツギハギだらけの服を着る漁夫たち、
そして彼らは余所者で身なりのいい我々を監視する様に見詰めている。
常時接続だの、ADSLだの、光ファイバーだので浮かれていた
我々は改めて漁村の現状を噛み締めていた。
ボロ屑のような家に居たのは老いた母親一人
我々を見るなり全てを悟ったのか、涙ながらに
「息子が申し訳ありません」と我々に何度も土下座して詫びた。
我々はこの時初めて
>>1を許そうと思った。
誰が悪い訳ではない、漁村の貧しさが全て悪かったのだ。
我々は
>>1の母親から貰ったカマボコを手に、
打ちひしがれながら東京へと帰路についた。
双子の姉妹の絆は、僕なんかでは及びもつかないほどに、深い。
とたんに暗い顔になってしまった。
ちゅっちゅっ、とキスをするように寄せられた唇の温もり。
ぼんやりした視界には、どこか、集落のような光景が映っていた。
「明日は、もっと綺麗になるんだよね?」
「…確かに専用だね、手動だけど」
「ぁっ…」
「鈴蘭ぱーんち!」
わかっていたから、和泉ちゃんは誰にも相談しなかった。
そして何より、確かな現実として起こった、七夕の夜の出来事。
「私…っ!」
でも、僕の感想は違う。
「…何がどうなってるのか、さっぱりだ」
時刻は四時半を回ろうかというところ。
「花梨…そんな…」
「ううん。それで、何かな?」
「透矢さん、夕食、お食べにならないんですか?」
「走馬燈のようにってやつだね」
恋人なのか?――だけど、わざわざみんながいる場所でするなんて、まるで…
「うん。でも那波ちゃん、それがどうかしたの?」
スクちゃんまだー??
涙なんか見られたらかなわない。
「後ろめたいことでもあるのかい? あれに何かしたとか」
照れくさそうに、雪さんが笑った。
「はい…っぃぃ、いつでも、中に…」
「僕は、大きくても小さくてもいいと思うけど」
言われてみれば、一番の友達であるマリアちゃんに取り憑くというのは、おかしな話だ。
「っ、っぁ、はぁぁ」
「にしては暗い顔してる。私との約束を守りに来てくれたわけじゃないの?」
「透矢さん、花梨さんと、仲直りはできましたか?」
「うん…って、その言い方、和泉ちゃんは一緒じゃないの?」
岩が、僕らを退けるのは当たり前だ。
僕のものを根本までくわえ込み、雪さんは、長い長い、吐息をもらした。
僕は、棒を振り上げた。
でも、地面を蹴る音が不安で、やっぱり振り返った。
「わかってる。ごめんね」
わずかな振動が、徐々に徐々に、僕たちの中で快楽に変換されていく。
「肉がついただけじゃない。しかも、マリアちゃんったら、私より身長低かったわよねー」
でも、僕は彼女の言うことを聞くことができなかった。
「寂しかったですか?」
どこまで本気なんだろう…。
口元に、ぬっとミカン飴が現れた。
「キツネ…あった」
その後、すべての家を見て回ったけど、どこも同じような惨状だった。
「…言わないでください」
人ならざる者、怪。
「馬でも可」
「透矢、ここから、さっきの船を流すんだよ」
「人間ではないよ、雪は」
「僕こそ、せっかく誘ってもらったのに、牧野さんばっかり見てて」
「透矢くっ…透矢くぅん!」
単なる趣味ではなかったらしい。
声のトーンが下がる。
「でしたら、もう少し、ふたりでお話ができますわね」
水中にいるせいか、信じられない速度で刻まれる自分の鼓動が、やけにはっきり聞こえて気持ち悪い。
ポツリと言って、花梨は、回した手に自分の手を重ね合わせてきた。
記憶の海へと消えたそれは、思い出というモノに姿を変えて、今も僕の中に生き続けている。
「透矢さんのそういうところ、雪は好きですよ。あまりお人好しすぎるのは考えものかもしれませんけど」
七月七日。
「うん。マリアちゃんは料理上手だね。おかげで助かる」
少しもごまかせていないのに、男は無条件でごまかされてしまうような笑い。
(さて…)
「んっ…ぅぅ…」
「ごめんごめん。みんなして、誰かが教えたと思いこんでたみたい」
雪さんと一緒に見られたから、他の事なんか、いいや。
「あら…おはようございます」
「透矢は、優しいね」
短冊を飾り終え、一段落したところで花梨が僕らに出した指示は『短冊をはずせ』というものだった。
マヨイガなどありえないと考えた僕に、彼女はそう言った。
「おねーちゃん! そんなこと…」
「舐めるっていうこと?」
「残念、お母さんです。本番では私が歌うんだけどね」
興奮して、眠れなかった。
わからない。
「そっか。夢は、夢だってわかっても、どうにもならないからね」
「…った!」
ずっ――と、吸い込まれるように、僕のものは彼女の奥深くへと進んで、
「といって、放っておくのも良くないと思いますけど」
(ひょっとして、牧野さんも同じ夢を…)
「で、でも」
人一倍、大きくてやわらかそうなそれはなぜか、あおむけになっても、あまり型くずれする様子がない。
だけど、あのときの言葉が――
「で、でも、やっぱりひどいよ。ママだって…おねえちゃんのやったことは…」
「悪いけどお願い。最後の手段もあるにはあるけど…」
「そうですか。でしたらそのように」
ずるずると、抵抗を押しのけながら彼女の中に僕が入っていく。
「雪さん、ご両親のことは、ぜんぜん覚えていないんだっけ?」
「なんだ、いったい…?」
そして、まんまと起こしてしまった。
和泉ちゃんは、僕の言葉を舌で制して、また、胸の上で手を動かした。
「だって、気づきようがないじゃない。というより幽霊じゃないのよ。それはもう人間」
「…ちっ…こちらに…ぃ…」
「わかりません。たとえば今、山の上から航空写真を撮影しても、集落なんて見つからないと思うんです」
「雪さん」
「ふたりとも、強すぎ…」
「っぁっぁ…んぁ…」
無理矢理に押し込もうとしても、なかなか上手くいかない。
「最初から、そう言ってたじゃないか」
僕に対する呼称が変化したのは、違う人格に入れ替わっていたから。
根拠もなく、そんなことを考えた。
「ざ、残念そうだね」
「あ、だからですね、えっと、また明日にでも、一緒に遊んでくれませんか?」
何も…
「…確かに、那波も、むごたらしい死に方はしたくありませんわ」
「普通の子は、この歳でお見合いなんてしないでしょう?」
「う…ごめん…」
「あ、マリアちゃん」
「柔らかいんだ」
「いや、そう言われてもね」
雪さんに耳うちされ、僕も、あわてて手を振り返す。
ぺこりと下がったふたつの頭を、僕は、そっと撫でた。
でも、僕は、怖くて眠れなかった。
花梨の表情が曇った。
「そっか。でも、ありがとう」
彼女の父から、そんな唐突な連絡が入ったのは、その日、夜遅くのことだった。
「花梨はどうしたんだ?」
「責められてる気がするんだけど」
「…待って」
「透矢さん、夕食、お食べにならないんですか?」
逆じゃあ、ないだろうか?
「ふっ、ふぅ…んぐ…む…」
「消えてしまいますもの」
「いや、だから」
「だね。それで、まだ練習していくつもりなの?」
「鈴蘭ちゃんも見たいの? それじゃあ、午後は、三人で一緒に行こうか?」
「雪さんが、タヌキ寝入りぃ?」
そのまま、舌をはわせながら、首すじに顔をうずめた。
(雪さんのことだから、またおいしいもの を用意してくれているんだろうなぁ)
雪さんに会って夢を見なくなるなら、僕が今、彼女の夢を見るはずがない。
独り言みたいなつぶやきと共に、雪さんが部屋に入ってくる気配がした。
メモのすみっこに描かれた雪うさぎのイラストは、雪さんのサインだろうか?
ぽろぽろと涙をこぼしながら、彼女は、笑っていた。
「でも、よっぽどだね。足がつく深さでそんなに不安がるなんて」
「山って危ないところじゃないの?」
「ふーん。まあ誘ってはみるよ」
記憶をなくした僕、弓道の大会で優勝した僕、ナナミと共に生きる僕、海に消えた僕、
雪さんと鈴蘭ちゃん――なんだか不思議な組み合わせの訪問だった。
「雪は、中じゃないと…嫌です。責任を取れだなんて言いませんから…どうか…」
庄一にも、聞こえている。
「で、けっきょくのところさ、雪は、どうしても、泳げそうにない?」
ズボンのふくらみを見て笑うと、そのまま、ちゅっ。
これ何、とは聞くまでもないし…要はどう対処したらいいのかわからない。
その日の夜の事だった、
まだ感触が残っているのか、口の中で、もごもごと舌を動かしているのがわかる。
「ホント、ひどいですよぅ。明日になればお腹を空かせて出てくるのに…」
緊張した空気に耐えきれなくなったらしく、花梨が口を開いた。
「たくさん、してるの?」
「あ…うーん」
海へ行こう。
「アリス…わかってるから。僕が、ぜんぶわかってるから」
「すみません。お役に立つどころか、余計なことばかり言ってしまって」
「…花梨さんのお気持ちもわかりますけど仕方がないですよね。ただ、八つ当たりは良くありません」
波打ち際に立つ少女――
「進歩ないわよね」
「僕たちの見るあの夢は…」
「おやすみなさい」
そこまできたら、和泉ちゃんのことまで思い出したって良さそうなものだ。
すりすりすり。
花梨の声に似ているような、ちょっと違うような…。
「よ、喜ばないでよ」
さっきのキス、あれは本気だったんだ。
なごり惜しげに引き止める牧野さんを、やんわりとベッドに押し返して、彼女の家を出た。
そこでひと呼吸。
「ご、ごめんなさいっ、聞いてませんでした!」
明らかに、人間の力ではなかった。
ごしごし、口もとをぬぐう和泉ちゃん。
「大丈夫ですわ。大丈夫…」
と、買い物の成果を、手の平の上で跳ねさせる。
『旦那さま…宮代さんを…守ってあげてくださいな』
「う…いや、言ってみただけ」
「ナナミですわ」
「少しどころか、すごく良くなった」
『雪と……じゃ…』
それは、照れ笑いになっていたかもしれない。
「過保護は良くないんじゃない? こっちは見ての通りなんだし…少しくらい放っておいても大丈夫よ」
「七夕の日に聞いたよ」
「見るだけでいいの?」
重たそうな頭を深々と下げて、そう言った。
和泉ちゃんは首を傾け、僕に体重を預けてきた。
「はは。ねえ、ところで、気分はどんな感じ?」
「寝苦しそうだったので、勝手にさせていただきました。寝心地は、あまり良くなかったようですけど」
そして、人影までも…
「ん…和泉には、悪いなと思うんだけど、だからこそ、着てみようかなって」
波打ち際に立つ少女。
「確かに。ここに案内されてお墓だって言われても、普通は嘘だって思うし、意味がないよね」
ぺこり、深々と頭を下げる。
「ええっと、だから、あれだよね」
「女の子が、男の人の前で、あんな恥ずかしいところ見られたんだよ? もう、お嫁にいけないじゃない」
笑顔でとんでもない事を言うな、アリスも。
「お前らしいけど…こんな時くらい部活の事は忘れてもいいんじゃねーか?」
アリスは『もう…』と、どう聞いても、うれしそうにしか聞こえないような声でつぶやいた。
それでも、僕は、そこから目を離すことができなかった。
「それじゃあ、頑張って弓道の練習すればもっと上手になれる?」
海かとも思ったけど…
彼女が、いた。
じゃれつくマリアちゃんの頭を撫でていると、疲れていたのか、彼女はすぐに眠ってしまった。
そういう見方をすれば、花梨と僕の置かれた状況には近いものがあるはずだ。
「気をつかわなくてもいいってば。自分でそうしてたんだもん」
「うん…だから、もう想像しないでね?」
(今度は眠り姫、か――)
確かに、最近の僕は、雪さんの優しさに甘えすぎていた。
雪さんは、もう元気を取り戻している僕のものに、ほほをすり寄せた。
「そんなつもりはないんだけど…」
「だから、なんていうか…ごめん」
「そう言ってもらえるとうれしいなぁ」
ひと段落したところで声をかける。
「ん…行こうか」
「ぁ…え? お祭りって…」
彼女は、口に笑みのようなものを浮かべて、何かを撫でるみたいに手を動かしている。
「もうしわけありません。独学なものですから。自分でも確認できませんし…」
周りが見えていない、と言われているような気もして、ちょっと腹立たしい。
(まあ…)
「僕だって、二人にあんなにされて、恥ずかしかったよ…」
そうだ、あの大木…ここはどこだ?
「よくわかるね。ちょっと嫌なことがあって。でも、大丈夫だよ」
限界だ――僕はすっぽ抜けてしまう寸前まで腰を引き、
(ああ、ごめんごめん…)
「どうしたのさ、にこにこして」
しかし、やがて、キリスト教会が、異教の神をあがめる者を迫害する方策を打ち出すようになる。
後頭部を、したたかに打ちつけた。
いや、そんなことを言っている場合じゃないはずだ。
「雪さん、ごめんね」
「花梨のほうが、きれい」
「と、言うと?」
彼女が言うように、僕はふたりのために覚悟を決められなかったんだから。
………くしゃみ?
「大丈夫、だよね?」
確かに、お母さんとならともかく、お姉ちゃんとおはようのキス、っていうのは珍しいかもしれない。
デミリアンドレミナゥギコンゴロレスジルルブンエシスぅ
「あったりまえでしょ! 透矢だって私の彼氏なんだから…怒ってよ」
メビウスの帯とか言ったっけ。
僕たちが最後だったらしく、みんなの視線が僕ら――とりわけ僕に――集中した。
「す、鈴蘭ちゃん…ちょっと…苦しい…」
「ショックで思い出しちゃった?」
「残念ながら、今、透矢さんにできることは…ほとんどありませんの」
「じゃあ次、山ノ民の話。まず、山ノ民と聞いて、どういう人を思い浮かべる?」
「手触りがね。体型とかじゃないから」
「嫉妬ぉ?」
「あ、間違えたー。今のは、鈴蘭きっく」
「少し寝たほうがいいよ、雪さん」
「やはぁ…っぁぁ…ふわぁぁぁぁ…」
思わず息を飲んだ。
「…おどろいた?」
「じゃあ、好きな本とか、面白かった本とかについて話をしていた?」
数回ゆっくりと上下させただけで、僕のものはもう、達する寸前にまで追い込まれてしまった。
事象の連続性がどうこうってやつだ。
腰を強く持ち上げる。
「ふたりとも、強すぎ…」
汚いものを知らないから、きれいで居られる…彼女の純粋さは、そういうものなんじゃないか。
それから、どうしてあんなに頑張れるのかが、わかったような気も。
「でも、不安だよ。これで舞に失敗したら花梨ちゃんは本当に…」
雪さんに手をなでられているときと同じ感触、同じ優しさ。
「ええ、いくつか簡単な検査をして、何もなければ、あと一週間ほどで」
「おい、しっかりしろ!」
ガタガタと歯を打ち鳴らし始めたアリスに、ただならぬものを感じ、急いで引き上げることにした。
雪さんが、手を取った。
触れあう唇から、鼓動が、静かに優しく伝わってくる。
「あ…いや、その」
祭りの後、家に戻ると誰もいなかった。
「じゃあ、お願いします。お話をしている間に、ずいぶん楽になりましたから」
「あああ…ごめん、怒ってるわけじゃないんだよ。だから泣かないで」
「ごめん…そうだね」
この人のくれた穏やかな時間が、僕に、そんなことを気づかせてくれたのかもしれない。
「化け物って容姿じゃないけど、人間離れしているところはあるね」
「子供じゃないんだから、そんなにめずらしそうに見ないの。んっ…」
小さな背中を見つめて、どうにも、やるせない気持ちになった。
「あの…和泉ちゃん…」
現実でも妄想でも夢でもいい。
その拍子に胸元のポケットから、何かが舞い落ちた。
「あっ、すみません、香坂マリアです!」
「大丈夫かなぁ…」
というか、雪さんに妙なことを吹き込むと、本格的に妙なことになりそうで怖い。
940 :
スノーフレーク(catv?):2009/06/12(金) 23:49:25.60 ID:p9n0+ak9
スクリーーーーープト!
「じゃあ、行くね」
「これが、透矢さんの…」
「ん…わかった」
「ふふ、寝ぼけてらっしゃいますね?」
「庄ちゃんの部屋みたいに、エロ本あるかなー、と思って」
「明日は試合だしさ、のんびりできればいいんじゃないかな。うちに来る?」
「目覚めた日に見た写真ですよ」
「透矢くん、どうする?」
急激な行動を取ったわりに、すんなり事が進むものである。
「そんなことないよ。僕にしてみたら、アリスだって…いや、口は悪いけど」
でも、あれは本当に夢だったのか…
「っんぅー」
僕らの進む先には、ウサギを見上げ、泣いている少女が一人。
いつまでもこのままでいたら、もう一回なんてことになり兼ねない。
「それじゃあ、お邪魔しました」
「まあ、確かにそうだね」
「漫画じゃあるまいし。学者の端くれなんだろう? 嘘やいんちきは、いい加減にやめてくれよ、父さん」
「牧野さん、早く良くなってね」
マリアちゃんはごろりとベッドの上に転がり僕の事を見上げた。
「あれ…牧野さんか」
「はは、どうしたの?」
「くす…それもあるけど、もっと気持ちの問題。海のときは特別だったしね」
ぶつくさ、文句を言いながらも、マリアちゃんのとなりに引き下がった。
「同じよ。私の側から、マリアを連れて行こうとする…。マリアは、私のことだけ見てればいいの」
「和泉ちゃん…牧野さんのことがショックなのはわかるんだけど…」
時が止まったかのように、セミの声がやんだ。
「あ、あのねぇ、牧野さん」
でも、和泉ちゃんは満足したようで、にこにこ笑った。
「なんという星か、ご存じですか?」
中身は同じ子なんだから、照れる仕草までは変わらない。
本当はうれしいけど、このままでも困るから、言った。
「お尻ばっかりぃ…っ…」
目立つのは、歴史云々よりも、町に伝わる伝承や風習などを研究したものだった。
「じゃあいいわ。ありがと」
「いつも、あと何点かじゃありませんか」
「だって、事実あなた自身、覚えていないんでしょう? 自分が何者なのか」
二人との間に存在していた、細い、でも決定的な何かが、切れてしまったような気がした。
だけど、乱暴な運転は、それだけ焦っていたって見方もできる。
「雪にはその可能性を否定することもできません。どうか、お気をつけ下さい」
単に女の子だからなのか、才色兼備の彼女なら、和泉ちゃんとでもつり合いが取れるってことなのか。
「それでしたら、一緒に寝てください」
「山ノ民と言うのだそうです。本来は、存在してはいけない種族だとか…」
「こんなものですよ。見ての通りの田舎ですから」
「あー、そうだ。宮代神社って、そのまんまの名前なんだけどさ、覚えてない?」
今になっても話してくれない、事情。
始まりも終わりも、前も後ろも、すべては、その帯の中、
雪さんが背中に顔を寄せる。
「んーっ、遊んだ遊んだ。キミたち、楽しめた?」
「宮代さんの、晴れ舞台ですものね」
いまいち話が理解できないものだから、苛立ってきているのが自分でもわかる。
「記憶喪失っていうやつかな」
「ぜいたく言わないの! 嫌ならやめるわよ」
だから、僕も触れられない。
「そうなんだけど…」
「あ、ひどーい。おねえちゃんの愛を疑うの?」
「…そうかも」
「私…透矢のこと、好きだよ」
言われてみれば、一年前に彼女が告白してくれた時も、背中を向け、目を逸らしていたっけ…
あれは、そうだ、単なる記憶喪失というよりも――
何回も左右を往復し、僕はようやく彼女の胸を解放した。
1001 :
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