米倉●子さん「誰もが白いマスクを着けているのは異様。 つまらない。」
おしゃれに病気予防を 上田の縫製工場、7月にも商品化
上田市内にあるスーツの縫製工場が、新型インフルエンザ対策で需要が増えているマスクにかぶせて使う、柄物の布製マスクを試作している。
市販品が品薄で社員が購入できなかったことがきっかけとなり、手作業で作り始めた。模様や色を楽しむことで「おしゃれに病気の流行を乗り切ろう」と、商品化に向けて改良を重ねている。
マスク作りに取り組んでいるのはレオテックス上田工場(上田市、小関清茂工場長)。
表地には綿や麻素材、肌に当たる裏地にはガーゼを使ってある。
中心になって製作している米倉秀子さん(50)は「誰もが白いマスクを着けているのは画一的で異様。つまらないと思った」と話す。
表地にはギンガムチェックやストライプなどの布を使うほか、色も白や紺、グレーなど「ファッション性重視」の一品に仕立てている。
レオテックスは大手百貨店、三越の子会社で、東京に本社がある。
上田工場では三越が受注した紳士スーツの縫製を担う。
新型インフルエンザ対策で5月に入り本社から通勤時にマスクを着用するよう指示があったが、市販品は売り切れで入手困難だった。
米倉さんによると、手芸店やインターネット上でマスクの手作りキットなどが売られているのを見て、「縫製なら私たちがプロ」と型紙を起こした。
模様がずれないようにそろえ、顔のラインに沿うよう立体的に縫い上げたほか、ほおへの密着度が増す工夫もしてある。医療用ではないため市販のマスクの上に重ねて着用し、さらに小まめに洗うことが必要という。
早ければ、7月ごろには商品として売り出す予定だ。
http://www.shinmai.co.jp/news/20090612/KT090611SJI090006000022.htm