ドイツ:流通大手アルカンドル破綻 メトロに一部売却か
【ロンドン藤好陽太郎】
ドイツの百貨店最大手「カールシュタット」を傘下に置く流通大手アルカンドルは9日、
資金繰りに行き詰まり、エッセンの裁判所に破産申請したと発表し、
事実上経営破綻(はたん)した。金融危機によるドイツ流通大手の破綻は初めて。
百貨店の不振に加え、金融危機での対応も後手に回り、今週末に7億1000万ユーロが返済不能に陥る見通しとなったため。
アルカンドルは公的資金による緊急融資を申請したが、ドイツ政府は拒否した。百貨店部門は、流通大手メトロと売却交渉に入る見通し。
アルカンドルの08年9月期の売上高は約199億ユーロ(2兆7000億円)。
売上高の5割超を占める旅行大手の「トーマス・クック」は破産申請の対象外となった。
ドイツ政府は不動産金融大手ハイポ・リアル・エステートや自動車大手オペルを救済した。
今回、支援拒否したのは再建計画が不十分だったうえ、破綻の影響が比較的小さいと見込まれたため、
財政悪化の回避を優先させたとみられる。
http://mainichi.jp/select/biz/news/20090610k0000m020132000c.html