■「性情報が性犯罪をもたらす危険性」については、未だに科学的な立証が成されていない。『そもそも、科学は“無いことの証明はできない』のだから、当然といえば当然。
しかし、『「社会が性情報に寛容である」ことが、カタルシス効果によって、「性衝動や性犯罪に対して抑止的に作用する」』ことについては複数の報告がある。
アイゼンクの著書やナイアスの著書『性・暴力・メディア(新曜社)』など。
■ポルノ普及による強姦減少説
昨年、米ノースウェスタン大学ロースクール教授のダマト(Anthony D’Amato)は、強姦減少の理由はポルノの普及にあるという説を発表しました。
この説の概要は次のとおりです。
強姦が減った理由として、通常、
麻薬がらみの犯罪全体が減った、女性が防衛する術を教えられた、強姦を犯すような人物の多くは他の罪で服役中である、性教育の結果青年達はダメなものはダメだという観念をたたき込まれた、
といったことが挙げられているが、説得力に乏しい。
本当の原因はポルノの普及にある。
ハードコアポルノ映画「ディープ・スロート(Deep Throat)」が封切られたのは1972年であり、その後ポルノがVHS、更にはDVDでレンタルショップで簡単に借りられるようになっていく。
1970年代と80年代にはポルノ雑誌も数が爆発的に増えた。やがて、インターネット・ポルノの時代となる。
その売り上げは三大ネットワークであるABC、CBS、MBCの売り上げの合算額を超えるに至っている。
これによって、事実上、未成年もポルノ漬けになっている。
さて、米国でインターネット普及率が最も低い4つの州で、強姦発生率は1979年以来の25年間で53%も増えたのに対し、
インターネット普及率が最も高い4つの州では、強姦発生率は27%も減っていることからも明らかなように、ポルノが普及したからこそ、強姦が少なくなったのだ。
その理由としては二つ考えられる。
一つは、ポルノを見ることで、欲望が満たされ、実行に移す必要がなくなってしまうことであり、
もう一つは、ポルノがセックスから神秘性をはぎとってしまって強姦の魅力が減退したことだ。
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http://anthonydamato.law.northwestern.edu/Adobefiles/porn.pdf