日本のWebは「残念」 梅田望夫さんに聞く(前編)
2006年2月、梅田望夫さんが著した「ウェブ進化論」(ちくま新書)は、
インターネットの可能性やGoogleの力をポジティブに語り、国内の「Web 2.0」ブームに火を付けた。
英語圏ネット空間は地に着いてそういうところがありますからね。英語圏の空間というのは、
学術論文が全部あるというところも含めて、知に関する最高峰の人たちが知をオープン化
しているという現実もあるし。途上国援助みたいな文脈で教育コンテンツの充実みたいなのも
圧倒的だし。頑張ってプロになって生計を立てるための、学習の高速道路みたいなのもあれば、
登竜門を用意する会社もあったり。そういうことが次々起きているわけです。
――日本のSNSは、人生に必要なインフラになっていない、という意味でしょうか。
なってないんじゃないんですか? 職を探すとか……。人生のインフラ、学習、
生計を立てる、キャリアを構築する、みたいな。
――英語圏のそういったあり方が方が好き、という、好き嫌いの問題だということでしょうか。
どっちが優劣、といった意識はあるんでしょうか。
好きだというのはあるよ。人間だからね。ただ、客観的に見て違うよね。ここはどうだろう。
そこについて「事実認識が間違っている」という論は立たないんじゃないかな。
――その「違い」に対して、日本のネット空間にはある種、がっかりしたと。
ネットはすごくニュートラルなものでしょ。道具だから。上から下まで正規分布みたいになるよね、
普通。ニュートラルなものって。
ニュートラルなものって相対化されるじゃない。いいことから悪いことまで全部出てきて、
悪いところは相対化されるじゃない。いいとこもあれば悪いところもあるよね。
日本のネット空間もそうなんだけど。その比率がずいぶん違う感じがするなあ。
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0906/01/news045.html