福島・いわき市の製紙工場のマス発電所で自家発電

ある日､俺は午後になったあたりから体に妙な違和感を感じていた｡
しかし霊感の｢れ｣の字もない俺は､体調でも崩したか程度に思っていた｡
道行く人がたまに俺のほうを見てびっくりするあたり､顔色が非常によろしくないのかもしれない｡
こういうときは酒を飲んで早く寝るに限る｡
ｺﾝﾋﾞﾆで引きつった顔の店員から酒を買い､その日は10時前には寝た｡翌朝､しっかり寝たはずだが体の違和感は消えていない｡
朝の準備を済ませた後でふと昨日は携帯を朝かばんに入れたっきりで､一度も出さずに寝てしまったことを思い出しあわててﾁｪｯｸしてみた｡
･･･････留守電12件､しまった､誰か緊急の用事でもあったのか､とりあえず再生せねば
｢ガハハ！ワシノブ子､今○○駅にいるで｣
｢ガハハ！ワシノブ子､今○○大学の前にいるで｣
｢ガハハ！ワシノブ子､今○○教室の前にいるで｣
｢ガハハ！ワシノブ子､今あなたの後ろにいるで｣
｢ガハハ！ワシノブ子､さっきからあなたの後ろにいるで｣
｢ガハハ！ワシノブ子､あなたの後ろにいるんじゃがｰ､もすもｰす｣
｢もすもｰす､ノブ子やでーいい加減気づいてくれｰや｣
｢ノブ子です･･･取り憑いた人が鈍すぎるとです･･･ノブ子です･･･｣
｢うｰ､一日一回くらいは後ろ見るもんじゃけん普通!｣
｢ほれほれ､あのおじさんとかめっちゃワシのこと見とるで｣
｢な､なんでうつ伏せで寝んや!いいかげんこっちみてーや･･･｣
｢えぅ･･･ぐすん････ノ､ノブ子や､この録音きいたらでええから後ろみてくれや｣
俺は背後の気配を確認すると､振り向かないで家を出て大学へ向かった｡
その日俺の背後には､半べそかきながら後ろをついてくるピンクのスーツのおっさんがいたらしい｡