教官らを書類送検へ 海自江田島の三曹死亡事故
江田島市の海上自衛隊第一術科学校の特殊部隊「特別警備隊」養成課程で昨年九月、十五人を相手に格闘訓練をした男性三等海曹=当時(25)=が死亡した事件で、
海自警務隊は、業務上過失致死の疑いで訓練に立ち会っていた当時の教官ら数人を書類送検する方向で、最終的な詰めの捜査に入った。
警務隊は教官らに安全管理についての不備があったとみて、訓練に参加した隊員らから事情を聴くなどして、
人数や訓練時間などのルールがあったか、中止の判断が適切に行われたかなどについて捜査を進めていた。
事件は昨年九月九日、同課程を中途で辞め、潜水艦部隊への異動を二日後に控えていた男性三曹が、一人で十五人を相手にする格闘訓練を受け、
十四人目のパンチを受けて意識不明となった。約二週間後に急性硬膜下血腫で死亡し、教官らは遺族に「(異動の)はなむけのつもりだった」と説明していた。
警務隊の捜査とは別に、呉地方総監部は幕僚長を委員長とする事故調査委員会を設置した。同委員会が昨年十月に公表した中間報告によると、
「十五人連続の格闘は隊員の技量や人数を考慮せず、教育訓練の計画や管理が適切ではなかった」
「転出が決まった隊員に連続の格闘をさせる必要性は認めがたい」などと指摘。集団暴行を否定できない内容の報告となっていた。同委員会の最終報告は、送検後に発表される見通し。
http://www.chugoku-np.co.jp/News/Sp200905090052.html