「ハイエース」盗難急増 1〜3月県内102台 海外で人気、密輸目的?
トヨタ自動車のワゴン車「ハイエース」が盗まれる事件が今年に入って
県内で相次ぎ、前年同期より10倍以上の被害に上っていることが、
県警の調べでわかった。耐久性の高さなどから海外で人気を集め、
盗難後、密輸されているとみられる。県警は同一グループの犯行の
可能性が高いとみて、窃盗容疑で捜査している。
県警街頭犯罪・侵入犯罪抑止対策室によると、2008年の盗難車両数は
1798台。上位3車種は〈1〉ハイエース168台(9・3%)〈2〉スズキ「ワゴンR」
158台(8・7%)〈3〉ダイハツ「ムーヴ」58台(3・2%)だった。これまでは
トヨタのレジャー用多目的車(RV)「ランドクルーザー」が多かった。
ハイエースの被害は今年になって急増。神戸市や加古川市内で、1月に
30件(前年2件)、2月に37件(3件)、3月は35件(5件)と激増。4月3日
現在、102台が盗まれており、全体(553台)の約2割を占めている。
日本損害保険協会の全国調査でも、07、08年と2年連続でハイエースの
盗難被害がトップ。千葉県警が昨年に摘発した窃盗団は、約1年半で
約100台を盗んでいた。車はナイジェリア人などの外国人ブローカーの
手に渡り、解体されて横浜港から持ち出されていたという。
イモビライザーなどの盗難防止装置がない古いタイプのものが多いため、
窃盗団のターゲットとなっているとみられ、県警は「所有者は盗難防止装置を
設置するなどの対策をとってほしい」と呼びかけている。
ハイエース 3〜15人乗りで、価格は約180〜約350万円。多くの人を乗せ
られて使い勝手が良いほか、丈夫で長持ちすることから、中東やアフリカなど
の途上国での需要が高まっているという。(2009年5月9日 読売新聞)