米国各地の銃販売店で、弾薬が品薄状態になっている。
オバマ政権が弾薬の税率引き上げや新たな銃規制導入に踏み切るのではないかと警戒した愛好家が、買いだめに走っているようだという。
「この2カ月で、銃弾を見つけるのがものすごく難しくなった」と話すのは、コロラド州デンバーで銃販売店を経営するリチャード・テイラーさん。
「現政権が弾薬の税率を引き上げるといううわさが出回っている。パニック買いが広がっているだけだと思う」
オバマ大統領は大統領選の最中に銃規制強化支持を表明していたが、今のところ、実際に規制強化に乗り出す動きはない。それでも銃愛好家らは、万が一の場合に備えたいようだ。
テイラーさんの店では2週間前から、弾薬の販売は1人4箱までと決めた。
それ以前は9ミリ口径銃用の弾薬が1日に1万個も売れた。38口径銃用の弾薬は何カ月も前から品切れ状態が続いているという。
米小売大手のウォルマートも、傘下の店舗で弾薬の販売が伸びていることを明らかにした。
同社広報は「一部店舗では銃と弾薬の需要が増大しており、仕入先の協力を得て商品の補充に努めている。
需要が大きい店では、購入できる数を制限している。さまざまな理由で品薄になるのは、弾薬もほかの製品(トイレットペーパー、電池など)も変わりはない」と説明している。
銃火器の業界団体NSSFによると、現在は供給を上回るペースで需要が増えており、需要に追いつくためにメーカーはフル稼働状態だという。
「銃火器と弾薬の需要が伸びているのは、銃愛好家が現在の政治的環境を警戒しているのが主な原因だ」と広報担当者は解説する。
全米ライフル協会も、かつてない勢いで弾薬の品薄が広がっており、大小の小売店が影響を受けていると指摘。
「議会や新政権が火器や弾薬の禁止を推進したり、大幅な増税に踏み切るのではないかとの不安が存在する」と話している。
http://www.cnn.co.jp/business/CNN200905050019.html