世界に恥をさらした酩酊会見でクビが飛んだ中川昭一前財務相は、ちっとも懲りちゃいなかった。
19日(日)、地元・帯広の会合で北朝鮮の核開発再開宣言を引き合いに、「核に対抗できるのは核だというのは世界の常識だ」
とブチかましたのだ。当然、マスコミは騒ぎ立てる。だが、この発言、口を滑らせたわけではないようだ。
「次期総選挙は落選確実とみられていましたが、対抗馬の民主党の石井知裕(比例復活)は西松建設違法献金事件で
東京地検特捜部に参考人聴取されたことが報じられたことで失速してきたため、わずかに目が出てきた。
そうはいっても、このまま選挙に臨めば、“酔っぱらい”のレッテルを張られたままで苦しい。そこでマスコミに
思い切った発言を取り上げてもらい、酩酊騒動を打ち消そうというハラなのです。失言ではなく、確信犯ですよ」(永田町関係者)
もっとも、生き残りを懸けたパフォーマンスだけではない。中川は安倍政権で自民党政調会長だった06年にも
「憲法では核保有は禁止されていない」と発言し、問題になっていたのだ。
中川は3月30日付で公式HPに「ローマ記者会見について」と題したお詫びを掲載。4月5日にはテレビ朝日「サンデープロジェクト」に
出演して「大変な失態を犯してしまいまして、政府、国会、国民のみなさまに大変申し訳ないと思っています」と謝罪し、
20日は文化放送の「大竹まこと ゴールデンラジオ!」にも登場し、すっかりミソギを済ませた気でいるのだ。
「もはや総理候補と目されることはまずないが、何年か経って自民党政権が続いていれば、閣僚返り咲きもなくはない。そのためには、政治的な発言で存在価値を示し、物議を醸したほうが得策という損得勘定です」(政治評論家・有馬晴海氏)
ところが、同じ自民党の河村官房長官にも「われわれがどうこう言う立場にない」とアッサリ受け流されてしまった。
誰も相手にしていないのに、本人だけが分かっちゃいないのである。
(日刊ゲンダイ2009年4月21日掲載)
[ 2009年4月24日10時00分 ]
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