小沢氏が福岡から行脚再開、献金事件には言及せず
岩本司・参議院議員のパーティーであいさつする民主党の小沢代表(20日午後7時27分、北九州市内のホテルで)=秋月正樹撮影
政治資金規正法違反事件で3月3日に公設秘書が逮捕されて以降、1か月半余り地方行脚を中断していた民主党の小沢代表が20日、麻生首相の地元・福岡県から動き出した。
「福岡の勝利は九州、日本全体の勝利につながる」と次期衆院選に向けて結束を呼びかけたが、事件については一言も言及しないまま。民主党の関係者からは行脚再開を歓迎する一方、「せっかくの好機に、なぜ説明しないのか」と疑問の声も漏れた。
「自民党政権、官僚支配を打破しなければ、日本の未来はない」
20日夜、北九州市のホテルで開かれた民主党の岩本司参院議員(福岡選挙区)の政治資金パーティーで、小沢氏は約300人を前にこう訴え、自らの手で政権交代を実現することに意欲をにじませた。
岩本氏は「小沢さんは壊し屋と呼ばれるが、霞が関をぶっ壊すには小沢代表が必要だ」と強調。次期衆院選の立候補予定者も「小沢代表の期待に応えるのが我々の役目」と声を張り上げた。
連合福岡の高島喜信会長は秘書逮捕について「決戦を前にした与党などからの攻撃ではないか」と小沢氏の擁護に回った。
民主党は2005年の前回衆院選で、福岡県内11選挙区を「1勝10敗」と惨敗した。しかし、03年の前々回は、福岡2区の新人が自民党の山崎拓・前副総裁を破るなど小選挙区で5議席を獲得している。
首相や自民党幹部、現職閣僚が居並ぶ福岡を民主党は「政権交代の象徴」と位置づけている。
http://kyushu.yomiuri.co.jp/news/national/20090421-OYS1T00208.htm