「この先、保存樹木あり」
いわき市の保存樹木に指定されている同市田人町旅人の「石割桜」について、市は20日、
大型車などの通行によって枝が損傷する可能性があるとして、ドライバーに注意を呼びかける
立て看板を設置した。
石割桜は、巨大な花こう岩の割れ目から発芽した樹高13・8メートル、幹周5メートルのヤマザクラ。
樹齢は300年以上と言われる。山間部の市道辺栗・上平石線(総延長約2・3キロ)沿いにあり、地元の
隠れた桜の名所として親しまれている。1979年に市から保存樹木の指定を受けた。
しかし、道路を覆うように高さ2〜3メートルまで伸びた垂れ枝が、木材を運搬するトラックやゴミ収集車
などの大型車に引っかかり、枝が折れる状況が長年続いており、地元住民らから市に対策を求める声が
寄せられていた。
市公園緑地課などは、これまで折れた断面の防腐処理や枝の剪定(せんてい)で対処してきたが、「隠れた
名所だけに、桜の場所を知らない人も多い。桜の位置を明確にし、ドライバーに周知する必要がある」と判断。
この日同市道の起点、終点と、桜の前後約100メートルの位置に「この先、保存樹木あり ヤマザクラ(石割桜)」
と記した看板を計4枚設置した。
同課の櫛田泰明課長は「まずは、ドライバーに桜の存在を知ってもらうことが重要。地域の大事な財産であり、
今後もよりよい形で保全を考えていきたい」としている。
http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/fukushima/news/20090421-OYT8T00019.htm