4月18日付・名選手との再会
2009/04/18 09:47
安打製造機の異名を誇った張本勲さんをして、成し遂げたらバットを置こうと思わせた3000安打。
そして日本プロ野球記録の3085安打。だがイチロー選手は、そこにハードルや壁などなかったかのように、軽々と越えていった。
彼が与えてくれる楽しみは、そうしたプレーや気の利いた言葉だけではない。
記録を打ち立てるたび、記憶の向こうにいる往年の名選手を蘇(よみがえ)らせてくれる。
時空の壁などないかのように、気軽に会わせてくれる。
最初は1994年、初代ミスタータイガースの藤村富美男だった。シーズン最多安打だ。
その後も連続無三振の藤田平さん、連続首位打者の張本さんら、毎年のように引きあわせてくれた。
歴史との遭遇は、米国に渡ってからも続いた。
シーズン最多安打の新人記録を持っていた「シューレス」ジョー・ジャクソンのことなんて、多くの日本人は存在すら知らなかった。
会えるのは記録更新の時だけではないという人もいる。3年前から彼は、ユニホームのストッキングをひざ下まで見せている。
今でこそ珍しいロビンソンスタイルだが、かつては福本豊さんら愛好者が多かった。由来は黒人初の大リーガー、ジャッキー・ロビンソンだ。
イチロー選手は2千安打を達成した時、「現役中、過去に起きたことを懐かしんではいけない、というモットーでやっている。
今日のことは日付が変わるまでに終わりたい」と話していた。こんな人だから、きっとまた名選手に会わせてくれると信じられる。
http://www.shikoku-np.co.jp/kagawa_news/column/article.aspx?id=20090418000060