【依頼430】
15日午後4時20分ごろ、愛媛県新居浜市菊本町2の住友化学愛媛工場の付近住民から、
「異臭がする」と同市消防本部に通報があった。消防署員が駆け付けたところ、工場付近は塩素の
ようなにおいが充満しており、工場にいた従業員ら23人と、近くの河川敷で遊んでいた9〜10歳の
子供3人の計26人が同市内の3病院で手当てを受けた。病院などによると、めまいや吐き気などを
訴えているが、重症者はいない。県警新居浜署は、工場内の電解プラントから塩素ガスが漏れたと
みて調べている。国と愛媛県も、毒物及び劇物取締法などに基づいて同工場に立ち入り調査した。
同工場によると、電解プラントではこの日午前9時ごろから、ウレタン樹脂などの原料となる塩素やカセイ
ソーダの製造を開始。午後3時ごろ、同工場の外で微量の塩素ガスを測定し、同4時半ごろにガスが
漏れている場所を特定し、開いていたバルブを締めた。漏れた量は不明で、バルブが開いていた原因を
調べている。
当時工場敷地内で作業し、同市内の病院に経過観察入院した下請け会社の男性従業員(23)は
「急に刺激臭がしてのどが痛くなった。これは危ないと思って速足で逃げた」と話していた。
同市王子町の住友別子病院の近藤和志・総務人事課主任によると、午後5時15〜30分ごろにかけて、
従業員らが搬送されてきたが全員軽症。診察した医師によると、全員がせき込んだり、目の痛みを訴えてい
たという。
新居浜市本郷3の県立新居浜病院の川原通快・総務課長によると、午後5時50分ごろ、9〜10歳の
男女の児童3人が搬送された。3人は「のどが痛い」「頭がぼーっとした」と話していたが、自力で歩行がで
き、約1時間後に全員帰宅したという。
同工場の上村美農(みのう)工場長は「原因を究明し、再発防止に努めたい」と陳謝した。
http://mainichi.jp/select/jiken/news/20090416k0000m040031000c.html