コンニャク品種をDNA判別 不正海外流出防止へ期待
群馬県は今月19日、独立行政法人農業生物資源研究所と共同開発した、コンニャクの品種をDNA判別するマーカーを特許庁に特許出願した。
今後、各品種の海外への不正持ち出し防止に活用したい構え。
コンニャク生産量で全国1位を誇る群馬にとって、“知的財産”の種苗の海外流出は懸念材料。
県農政課は「国内産地の優位性を確保し、経営安定を図る意味でも、判別法の開発は大きな意味がある」と期待している。
同課によると、コンニャクの品種判別マーカーは、医学分野などで活用されるDNA配列の分析法と同じ手法でコンニャクの品種を分析する。
3種類のDNAマーカーを用いることで、コンニャクイモだけではなく、
加工された粉の品種も判別できる種苗価値への認識が国際的に高まるなか、
日本から無断で持ち出された農産物の優良品種が、海外で生産される問題も現実化。
種苗権利を保護する種苗法はあくまでも国内法のため、
国や自治体なども対策に頭を悩ませている。コンニャクの場合、国内で栽培される96%は群馬が育成開発した4品種。
生産・育成の“本家本元”として、生産者からも、不正な海外流出や、持ち込みを防ぐ技術開発が待たれていた。
また、中国やミャンマーなどを中心に、コンニャク輸入量は増加傾向にある。
粉や加工品を原料ベースでみた場合、平成19年に国内流通したコンニャクの約2割を輸入品が占めた。
現時点で、コンニャクイモの品質は国内産が優位性を保っているが、持ち出された優良品種が海外で生産され、
安価な輸入品として国内流通すると、生産農家などが大打撃を受ける恐れが出てくる。
県は、税関をはじめとする水際で、マーカーを活用した不正持ち出しなどの対応を期待。
国や業界による現場活用に向けて、試薬メーカーなどと共同での市販化に取り組む方針だ。
また、「板コンニャク」や「しらたき」などの加工製品についても、判別精度を高める研究を続けていくという。
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