>>319 普通記録映画はそれ専門のカメラマンやクルーが撮影するけど、
ナチスは芸術家肌の新進気鋭のうら若い女性映像作家を使った。大抜擢だ。
またSSやナチス旗の意匠、党大会の飾りつけ、しまいには軍服のデザインまで、
オペラの舞台設計者や若手の演劇衣装デザイナーを起用した。
かっこいいのは当たり前で、実用性よりも見た目やデザインを優先してたし、
それは映画や舞台のデザイナーが、まるで大規模なスペクタクル映画の画面効果を
あげるためにやったような手法だったんだよな。
また古代ゲルマン民族の時代衣装を身に着けたパレードを年中催していたし、
深夜にサーチライトや巨大な焚き火、たいまつ、花火、そして大編成のオーケストラを使って
現代でいえばディズニーワールドのエレクトロパレードみたいな政治パフォーマンスを繰り返してた。
軍事パレードやオープンカーで行進するお祭り、全てが舞台仕掛けで、
ソ連や北朝鮮などがまねたけど、あれほどの完成度のパレードはいまだ際限されてない。
両親が収容所送りになったユダヤ人数学者のピーター・フランクルが、
「ナチスは大嫌いだが、ナチスのプロパガンダ映画やパレードを映像で見ると、
心が躍り、力がみなぎり、晴れ晴れとした気分になった、腹立たしい」といっていたな。