リニア中央新幹線計画をめぐり、JR東海が南アルプス東側の山梨県早川町新倉で、「水平
ボーリング用作業坑」との位置付けでトンネルの掘削を始めたことが9日、分かった。断面積
約30平方メートルで長さ2キロにわたって掘削後、終点から水平ボーリングを行い、掘削開
始地点から3キロ先までの地質を調べる計画だ。
JRなどは諏訪・木曽谷回り(A)、諏訪・伊那谷回り(B)、南アルプスを貫く直線(C)の3ルー
トで地形地質調査を実施。昨年10月、いずれも建設可能とする報告書を国土交通省に提出
した。
JR東海によると、同社が想定する南ア貫通ルートについて「より詳細なデータを入手する目
的」(広報部)で2月中旬、作業坑の掘削に着手。「本坑になることはない」(同)とする一方、
調査終了後の扱いは未定としている。
現場は、昨年2月から約半年間実施した水平ボーリング(穴の直径10センチ)地点の近く。
昨年は約1キロ先まで調査したが、それより奥を調べるには、ボーリングの機械を入れるた
めの作業坑が必要としている。工期は2011年8月までの予定。
同社は、南ア西側の下伊那郡大鹿村では同様の作業用トンネル掘削を伴う追加的なボーリ
ング調査を見合わせており、「環境が整い次第行いたい」(広報部)としている。
http://www.shinmai.co.jp/news/20090310/KT090309ATI090018000022.htm JR東海が発注し、掘削が始まった「水平ボーリング用作業坑」=9日、山梨県早川町
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