拉致被害者、横田めぐみさん=拉致当時(13)=が北朝鮮の女工作員と同居しながら日本語教育に
従事させられていたところに、田口八重子さん=同(22)=が「めぐみさんの面倒をみたい」と希望して
合流し、一時3人で暮らしていたことが9日、帰国した拉致被害者が政府関係者にした証言で明らかになった。
時期は、田口さんが大韓航空機爆破事件の実行犯、金(キム)賢(ヒヨン)姫(ヒ)元工作員(47)に
日本人化教育をした後の昭和59年前後。めぐみさんと田口さんが同居していたことは既に判明して
いるが、その一部は女工作員との同居だったことになる。
帰国被害者によれば、めぐみさんと田口さんは59年前後から61年夏ごろまで同居。このうち
60年ごろまでは女工作員も一緒だったことが新たに判明した。女工作員は金賢姫元工作員の
同僚の「金(キム)淑(スク)姫(ヒ)」。銃や爆弾などの取り扱いも訓練した女スパイだった。
田口さんが自ら北朝鮮当局に「めぐみさんの面倒をみたい」と切り出したことは、それ以前に
めぐみさんと面識があったか、同居したことを示唆している。
当初は「田口さん−『金賢姫』」と、「めぐみさん−『金淑姫』」の2通りの組み合わせで工作員教育を
させられていた疑いが強まった。金賢姫元工作員は最近になって、「めぐみさんと『淑姫』が写った
写真を見た」と証言している。
田口さんは3人で同居するまで、「(金賢姫元工作員との生活を終えた後)しばらく1人で生活した」と
話していたことも新たに分かった。北朝鮮側は、田口さんは「61年7月30日に交通事故で死亡した」と
しているが、帰国被害者は「62年に運転手から、外貨商店で田口さんと会い、人民武力省のナンバーの
車に乗っていたのを見たと聞かされた」とも話している。
http://sankei.jp.msn.com/world/korea/090310/kor0903100134002-n1.htm