がん検診 個人に行き渡るシステムを
3月8日8時4分配信 産経新聞
「乳房に石灰化した部分がたくさんあります。精密検査を受けてください」
5年前、職場の健康診断を受けた女性(58)は結果を聞いて驚いた。乳がんの早期発見に役立つマンモグラフー検診で、
がんの可能性もある石灰化が見つかった。精密検査でがんと分かったが大変小さく、手術で切除できた。
女性が受けた健康診断にはマンモグラフィー検診は含まれず、オプションだった。「父が末期がんに苦しんでいたので怖くなって申し込みました
。健康診断は悪くなかったのに、オプションでがんが見つかるなんて」と女性は振り返る。
日本で増加している乳がん死亡率は、欧米諸国ではかなり前から減少傾向にある。
日本は欧米より乳がん死亡率が低いとはいえ、各国の死亡率を比べたグラフをみると、そんな事実が分かる。
米国や英国では、昭和60年ごろをピークに死亡率は減少に転じた。マンモグラフィー検診が開始された少し後で、
検診の効果が出始めた時期と一致する。米、英両国の受診率が7割以上に達しているのに対し、日本は約2割にとどまっている。
しかし、国立がんセンターがん予防・検診研究センター検診研究部の斎藤博部長は「受診率の低さばかりが注目されるが、
日本のがん検診には組織的な管理も必要だ」と強調する。大幅な死亡率の減少に成功した欧米諸国には、日本とはまったく違う「組織型検診」と呼ばれるシステムがあるという。
全文
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090308-00000049-san-soci