世界的な壁画の保存、修復技術や活用方法について研究する拠点が関西大に設立される

このエントリーをはてなブックマークに追加
1 レモンちゃん(dion軍) 株価【4100】 ◆lemon/uWz2

壁画保存に世界的な研究拠点、関西大が設立

3月7日16時29分配信 読売新聞
世界各地で劣化や剥落(はくらく)の危機に直面している古い壁画の保存、修復技術や、
活用方法について多角的に研究する「文化財保存修復研究拠点」を、関西大が設立した。
最初の活動として、21日からエジプト・カイロ近郊にある世界遺産・サッカラの地下墓で調査を始める。
研究成果は、エジプト同様、乾燥地帯にある中国や中央アジアにある壁画のほか、日本の壁画保存にも生かせる見通しで、
文化庁も「海外での研究が、ひいては日本の文化財のためになれば有意義」と期待している。
研究拠点は関西大のほか、大阪工業大など日本の3大学とエジプトの2研究機関から文化財保存科学、
地盤工学、微生物学などの専門家15人が参加し、今年1月に発足。メンバーには高松塚、
キトラ両古墳(奈良県明日香村)の壁画保存にかかわった高鳥浩介・東京農大客員教授や奈良文化財研究所OBの沢田正昭・国士舘大教授も含まれる。
サッカラの地下墓では、古代エジプト壁画が劣化した原因の解明に加え、保存修復の技術などを5年がかりで研究する。
研究拠点の設立は、関西大が2005年からサッカラの王女イドゥートの地下墓(紀元前2360年頃)の保存に取り組んだのがきっかけ。
墓には東西南北4面に極彩色壁画が描かれていたが、全体の3分の2がはがれ落ちており、キトラ古墳壁画と同じ方法で壁画をはぎ取り、
強化して壁面に戻してきた。08年9月に西面(幅10・5メートル、高さ3・2メートル)の処理を終えた。
一方、南面(幅4・5メートル、高さ3・2メートル)には、供物の牛やビール、パンなどをモチーフにした最も美しい壁画が描かれているが、
下地の漆喰(しっくい)の厚さが1ミリしかなく、現在の技術では、はぎ取り保存が難しいという。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090307-00000635-yom-soci