日本食から離れられない中国人

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1 すずめちゃん(アラバマ州)


日本に来て3年経つと、必ず花粉症になる。日本に来て10年経つと、日本の食生活から離れられなくなる。
この話は来日したばかりのころ、先輩の在日中国人たちによく聞いた。日本食から離れられなくなるなんて?!と、
とても信じられなかった覚えがある。

知らず知らずのうち、10年の歳月が流れた。出張で中国に戻ると、わずか1週間ほどで中華料理に飽きて
しまい、日本での食生活が恋しくなる私がいた。ここで私が言う日本食とは、懐石料理などの類ではなく、
ごく庶民的なものだ。
朝飯は駅近くの松屋でソーセージエッグ定食を頼みたい、ミニ豚皿の小鉢を選んで、半熟の目玉焼きと
焼きノリを一緒にごはんにかけて、少しショウガをのせて、混ぜて食べたい。昼は会社近くの定食屋で、
「私の定番」魚塩焼き定食を注文する。春はサワラ、夏はうなぎ、秋は秋刀魚、冬はサバ…もちろん、
大根おろしと味噌汁も欠かせない。こうしてお昼の定食で、四季の変化を素直に味わうことができる。
夜は同僚たちと仕事の話をしながら「とりあえずビール」、そして焼き鳥。特に少し焦げ目のついた鳥皮、
あの香りがたまらない。帰りに小腹がすいたら満員電車から降りて、帰宅途中にある古いラーメン屋さんで、
ネギのたっぷり入った豚骨ラーメンを1杯。これは1日よく頑張った自分への最高のご褒美だ。
そんなことを妄想しているうちに、中国出張に同行している日本人の同僚は、マーボー豆腐をご飯にかけ、
おいしそうに食べている。「本場のマーボー豆腐は日本の味と全然違うね!スパイスが効いていて日本人に
はちょっと辛いけど、たまらないな!」と言う。

さて、日本人が中国で10年生活するなら、中国の食生活から離れられなるのだろうか?彼のような人に
聞いてみたい。それよりも何よりも、帰国したら成田空港でまっ先にザルそばを食べよう、私はそう心に
決めた。(36歳男性/在日11年/技術者)

http://news.livedoor.com/article/detail/4046840/