【しまむら大敗北】アパレルメーカー ユニクロだけ好調
アパレルメーカーの失速ぶりが年明け以降、目立っている。
主に高めの価格帯の商品を百貨店や総合スーパーに頼って売ってきたことが、
不振の大きな原因だ。価格を見直したり、他社の力に頼ったり。消費低迷のなか、打開へ向けた模索が続く。
「小売りの値下げ圧力がものすごく、海外の工場建設などの規模拡大も裏目に出た」
男性用シャツ製造・販売大手のトミヤアパレルの木田克也会長は、
会社更生法の適用申請を報告した2月26日の記者会見で、無念そうに頭を下げた。
「形態安定加工」シャツなどをつくるが、スーパーや百貨店の販売が振るわず、
07年12月期は純損失に転落。資金繰りでは主取引銀行からも見放された。
その10日前には「ゴールデンベア」などカジュアルウエアで知られる小杉産業が破産手続きを申し立て、
同じように社長が頭を下げたばかりだった。
「高価格帯の商品が多すぎた」(ユナイテッドアローズの岩城哲哉社長)という反省はどこも共通しており、
「キース」などで知られるルックは今秋、バッグなど雑貨も扱う新ブランドを立ち上げる。
30代前半の女性を引きつけようと、直輸入の上質感を出しながら値ごろ感のある価格を設定するという。
「バーバリー」などを扱う三陽商会の小山文敬副社長も「百貨店と一緒に、
従来型から踏み込んだ店づくりを考えたい」と、反転攻勢を誓う。
一方、百貨店向けの高価格帯ブランドで知られるリンク・セオリー・ホールディングスは、
業界では珍しく好調な「ユニクロ」を展開するファーストリテイリングの完全子会社となることを決めた。
09年8月期は経常赤字に転落する見通しで、佐々木力社長は「ファーストリテイリングの資金力と
強い事業基盤を生かして、保有ブランドのグローバル化を図る」と巻き返しをめざす。
朝日新聞
http://www.asahi.com/business/update/0228/TKY200902280191.html