http://www.asahi.com/national/update/0228/images/TKY200902270393.jpg http://www.asahi.com/national/update/0228/images/TKY200902270394.jpg 障害者団体向けの割引制度を悪用した郵便料金の巨額免脱事件で、大阪地検特捜部に逮捕された広告会社「新生企業」
(現在は「伸正」、大阪市西区)の社長らが製作していたダイレクトメール(DM)広告の封筒が、開くと数倍の大きさに広がる仕組みだったことがわかった。
問題になっている割引制度は、封筒の中に入れる印刷物については広告面積を制限しているが、封筒部分には特別な制限がない。
この点に目を付けた新生企業側が、正規の郵便料金を逃れたうえで、顧客企業の「DM広告効果」をさらに高める狙いだったとみられる。
朝日新聞は、新生企業が関与した複数のDM広告を入手。いずれも、四角形の封筒の3辺を切って開く仕組みになっていて、
開くと折りたたんであった紙が広がるように作られていた。現れたのはすべて広告で、DM広告の発送主でもある
大手飲食店チェーンなどの商品写真や価格などが多数載っていた。
こうしたDM広告のひとつは、まず飲食店チェーンなどの広告主から大手印刷・通販会社「ウイルコ」
(東証2部、石川県白山市)が受注。その後、新生企業が障害者団体を発行元に見せかけた「定期刊行物」を同封したうえで
割引制度を悪用。もともとの広告主である企業の顧客向けに格安で郵送していた。
新生企業などに悪用されていた「心身障害者用低料第3種郵便物」制度は、本来、障害者団体が発行する刊行物を格安で
支援者らに郵送するためのもので、日本郵便は「刊行物の広告部分は全体の50%まで」と定めているが、封筒部分については制限がなかった。
今回明らかになった手法について、ウイルコの関係者は「見た目も派手なカラー広告にして裏も表も見てもらえるように工夫した。
もともと問題のある広告なのだから『いいじゃないか』と、出来る限り多くの広告を掲載できるよう裏技の裏技を駆使していた」と
証言。脱法行為と認識していたことを明かしている。
http://www.asahi.com/national/update/0227/TKY200902270376.html