伊藤高史のページ
創価大学文学部准教授(「表現の自由」、ジャーナリズムなどが研究テーマ)の連絡板
美少女ゲームの規制を求める国会議員の論理
産経新聞社のウェブサイトIZAによると、円より子参院議員は、美少女ゲームの法的規制を求めて次のように述べているという。
円議員らが提出したのは「美少女アダルトアニメ雑誌とゲームの製造・販売の規制法制定に関する請願」で、「街中に氾濫(はんらん)している美少女アダルトアニメ雑誌やゲームは、小学生の少女をイメージしているものが多く、
このようなゲームに誘われた青少年の多くは知らず知らずのうちに心を破壊され、人間性を失っており、既に幼い少女が連れ去られ殺害される事件が起きている」と指摘。
「幼い少女たちを危険に晒(さら)す社会をつくり出していることは明らかで、表現の自由以前の問題である。
社会倫理を持ち合わせていない企業利潤追求のみのために、幼い少女を危険に晒している商品を規制するため、罰則を伴った法律の制定を急ぐ必要がある」と、罰則をともなう法規制を求めている。
私は、パソコンでのゲームは将棋以外はやらないので、法的規制がなされたとしても直接的な被害は受けないが、、もし上にある通りに円議員が主張しているなら、その論理的思考能力の欠如に驚かざるを得ない。
「青少年の多くは知らず知らずのうちに心を破壊され、人間性を失っており」という部分と、「既に幼い少女が連れ去られる事件が起きている」という個所には何の論理的つながりもないのは明らかであろう。
http://takashiito.cocolog-nifty.com/takashiitoh/2008/05/post_600b.html?cid=35334532#comment-35334532