慶応大学が、ユーザー参加型で辞書を鍛えてネット経由で利用する
新しい日本語入力システム「Social IME」を開発した。果たしてどのように便利になるのだろうか。
現在、メールやブログ更新ならばOS標準の日本語入力システム(WindowsならMS-IME、Macなら「ことえり」など)で間に合うが、
ヘビーな日本語入力や、専門用語の一発変換、予測変換や
変換履歴使用などの高度な作業環境ならばジャストシステムのATOKが標準となっている。
ちなみにほとんどの商用UNIXにもATOKが採用されている。
一方で、慶應義塾大学理工学研究科の開発した、ユーザー参加型の新しい
日本語入力システム「Social IME 」 ?みんなで育てる日本語入力?」では
インターネットを用いたユーザー参加型のメリットを活かして変換を行うことができる。
具体的には次のような特長がある。
●多くのユーザーが単語を共有辞書に登録することで、普通では変換できない単語も変換可能
●ユーザー間の共有だけでなくWeb全体の集合知を利用した予測変換により、入力効率が21%向上
たとえば、「支出官」というお役所用語は、辞書登録しない限り普通の日本語変換システムでは変換できないが、
「Social IME 」によれば官公庁の入力記録を元に、「支出官」「支出官払い」「支出官代理」などのお役所用語が予測変換できるであろう。
また、「デジラジ」「アラフォー」などの比較的新しい用語も、即座に変換できることになる。
これにより、日本語入力システムを持たないか、持っていても貧相で使えないというOS
(例:QNX、HaikuOS、PC-BSDなど)にとって、日本での実用可能性が大きく進歩することになる。
http://japan.techinsight.jp/2009/02/sanada200902201234.html