日本電産は超絶ブラック。「素手で便所掃除」「土曜も日曜も出社」「福利厚生を言い出したら即お引取」

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1 すずめちゃん(アラバマ州)

 「最近の若い社員のことを“アスファルト人間”と言っておるんですわ」−−日本電産の
永守重信社長は一気にまくし立てた。「とにかく怒鳴りつけても、冗談を言っても、まるで
反応がない。いくら水をまいても、全部、跳ねのけて道路わきのドブに流し込んでしまうア
スファルト道路と同じ。どんなに熱心に仕事を教え込もうとしても、染み込んでいきよらへ
ん」。

 京都市に本社を置く日本電産はパソコンなどのハードディスク装置用小型モーターで
は世界トップメーカー。1973年の会社設立からちょうど20 年、ベンチャー経営者である
永守社長が自らの手で売上高600億円、従業員も1000人を超える規模にまで築き上げ
た。しかし、どうも最近、若手の様子が変なのだ。

 「バブルの時代、本来、入るはずのない者までが、うちに来たんやないか。あとでお荷
物になるぞと当時から公言しとったが、案の定そうなってしもうた」。永守社長の嘆き節
は止まらない。「一流大学の連中は一生懸命勉強して、自分の実力の1.5倍の学校に
入るから、会社に来た時はもう疲れ切って、カス同然。かと思うと、電気工学科を卒業し
ているはずなのに、オームの法則も知らへん者が研究開発部門に行きたがる。どない
なっとるんや」。

 永守社長の堪忍袋の緒は切れた。バブルの時代も守り通した「新入社員は素手で便
所掃除」という新人研修は学生にも「悪名」高いが、加えて面接試験では「ハングリー精
神」、「情熱と執念」など「古典的言葉」を連発して学生の反応を見る。学生に聞こえよ
がしに、「研究所ではどれだけ休んどるんや」と永守社長が聞けば、人事部長が「はい、
土曜も日曜も出社。昨年から休みはありません」と答えてみせる。多分に脅しの要素が
強いが、「休日だの福利厚生だのを口にする者には即刻お引き取り願う」。

 「一度どついたら、二度と立ち上がれへんのやないか」などと気に病むのもやめた。
昔のように、若手の書いた設計図を目の前で平気で破ってゴミ箱に捨てても見せる。
「それでも残ってくれるのが本物」と思えばこそだ。

http://business.nikkeibp.co.jp/article/manage/20090213/186058/