http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2009021702000209.html 国際会議の後、ろれつが回らない状態で記者会見し、閣僚としての責任が問われていた
中川昭一財務相が十七日、辞任する意向を表明した。支持率低下に苦しむ麻生内閣に
とって、中川氏の前代未聞の失態は、まさに「弱り目にたたり目」。「日本の恥だ」
「辞任は当然」。有権者から怒りとあきれ声が広がった。
「自分の健康管理の不注意から国民の皆さん、総理、国会を始め多大な迷惑をおかけ
したことをおわび申し上げます」。
財務省で急きょ、会見した中川氏は髪を整え、ダークスーツ姿で神妙な表情。ゆっくり
とした足取りで会見席に着き、先進七カ国財務相・中央銀行総裁会議(G7)後の会見
とは一変。しっかりと辞任の弁を述べた。
「昨晩、今朝と(医師に)みてもらって腰や風邪、疲労がたまっているという診断を受けた」。
ただ、「景気回復のために全力を傾注したつもりであります」と、これまでの財務相としての職責を強調した。
予算案成立後に辞表を提出する意向を示したうえで、「残された日々、全力を尽くしていく」と短い会見を結んだ。
財務省の男性職員(43)は「うわさでは普段酔っているようなことも聞くが、今回は自分も
経験があるので風邪薬の影響と思っていた」と辞任表明に驚きを隠さない。同省の広報担当者は
「今回の会見はメディアの幹事社からの要請で緊急に開いた。あっという間の出来事だった」と
困惑気味。同省職員の多くはちょうど昼食時で、職場に戻って辞任表明を知った。東京・霞が関
の財務省前を歩いていた会社員(52)は「日本の恥だ。記者会見を見ていてこちらまで恥ずか
しかった。麻生さんもこのまま辞任してくれればいいのに」と冷ややかに話した。
横浜市の大学院生吉田麻美さん(24)は「体調管理がなぜできなかったのか。こうした立場にある
人が軽率な行動を取ったことに疑問がある」と話した。
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