ミュージシャンでもあるひばり保育園(金沢市額新町)園長の源学(みなもとまなぶ)さん(41)は、
九十人ほどの園児を見守りながら「Gen」の名でテレビCMの曲をつくったりライブに出演したり。
園児とのきずなを強めるのも音楽で、毎日のように楽器を握り、子どもたちと歌っている。
トレードマークのハンチング帽をかぶった源さんがウクレレを奏でて歌いだす。
源さんが作曲した「石川サンバ」。園児たちは手を振り上げてステップを踏み、一緒に大声で歌う。
毎日、保育園の仕事に追われるが、園児に音楽の楽しさを伝えたいと思い、七夕や誕生会などで園内コンサートを開く。
源さんが最近十年で作曲したCM音楽は五十曲超。園児のために作ったオリジナルの歌も十曲ある。
両親の経営する保育園で働き始めて九年、園長になって四年。最初に感じた園児との溝を埋めたのは音楽だった。
ギターを奏でて童謡を歌うと、園児の目の輝きが増す。朝の体操や給食の前、一緒に歌うことが日課になった。
保育園で働き始める前、源さんは東京にいた。「将来が決まっているようで嫌だった」と十八歳で上京し、
勤務先で知り合ったミュージシャンらとバンドを組んだ。
テレビ番組への出演をきっかけに二十一歳でプロデビュー。
バンドの初シングル「バラ色の人生」がヒットし、ソロでもCD十五枚を発表した。
音楽活動を続けるうち保育園を心配する自分に気づいた。
三十二歳の時、プロデューサーから「子どもと接しながらでも音楽は続けられる」と言われ、金沢に戻った。
今は「人に対して表現するという意味で保育と音楽は同じ」と思う。今年中に新たなCDを作ろうと考えている。
「曲はすべて、子どもたちのためにつくった歌にするつもりです」と話す。
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