刑を廃止したいのであれば人間性を摩滅させてしまうこの社会を再生する必要がある。
多くの人が人間性を取り戻し、人と人の交流が生まれ、共感性や想像力が育まれてこそ
死刑廃止に理解が得られるようになる。特異な凶悪犯罪が減り、遺族が心の傷を癒す
ことができ、世間に加害者の背景を理解しようとする態度が育つことが必要なのである。
最近、凶悪事件の裁判での死刑判決や死刑の執行が増えている。それに伴い死刑制度の
是非の論議も激しくなっているが、多くの人が死刑を肯定している。1月30日の荒木祥記者の
「日本、国際世論に逆らってまた『ベルトコンベアー』死刑を執行」の記事の書き込みでも
どちらかといえば死刑廃止に否定的な意見で占められていた。死刑廃止の運動は日本では
大きな壁に当たっている。
ここで、多くの人を死刑の支持に向かわせる背景を考えることは、死刑廃止の議論を考える
上で有益なばかりでなく、裁判員制度が始まった今、一人ひとりが裁判にどう向き合うかという
問題についても役立つように思われる。そこでなぜ日本では厳罰化傾向が強まり、
多くの人が死刑を支持するようになったのかを論じてみようと思う。
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