【人】「(兄とは)体格も性格も正反対」 大阪高裁長官に就任した大谷剛彦氏
裁いた被告は約2000人。主に刑事裁判畑を歩み、担当した判決はすべて、自宅倉庫に保管する。
判決を下した責任の重さを忘れないようにするためか。
昭和47年、東京地裁判事補になった直後に外務省機密漏えい事件やあさま山荘事件を担当。地下鉄サリン事件(平成7年)では、
裁判長として実行犯の審理にもかかわった。
着任会見でまず口にしたのは5月から始まる裁判員制度への思い。「裁判官の説明責任の重要性が増している。管内の体制や環境を整えることに
全力を尽くしたい」。裁判員の充実した体験の積み重ねが制度定着につながるとして「不安もあると思うが、まずは参加して」と呼びかけた。
座右の銘は「実るほど頭を垂れる稲穂かな」。実際に机に稲穂を飾り、何事にも謙虚にと心がけている。
大阪勤務は初めてで「まずは大阪の町を歩いてみたい」。裁判官らしく自分の目で確かめてからモノをいう慎重な姿勢がみえた。
大阪を拠点とするジャーナリスト、大谷昭宏さんの弟としても知られる。「体格も性格も正反対。酒好きが唯一の共通点かな」(加納裕子)
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東京都出身。東大卒。在学中はラグビー部に所属。昭和44年司法試験に合格。前任地の最高裁で事務総長を2年8カ月間務めた。
http://sankei.jp.msn.com/affairs/trial/090210/trl0902102124004-n1.htm