◆◆◆スレ立て依頼所◆◆◆

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674 すずめちゃん(千葉県)
【ISSCC】東京大学らがSSD向けの新電源システム開発,メモリの消費電力を1/3に

 東京大学らは,SSD(solid state drive)向けの新電源システムを「ISSCC 2009」で発表した。SSDが搭載するNANDフラッシュ・メモリの消費電力を約1/3に低減でき,
コスト削減にも寄与する。メモリ・チップなどの構成部品をSSD内で3次元的に多段積層する,いわゆる3次元SSDに向ける。

 NANDフラッシュ・メモリでは,これまで,電源電圧を低減しても,期待通りに消費電力を削減することが難しかったという。メモリ・セル部の低電力化には電源電圧の低減が有効ではあるが,
その半面,電源電圧を下げると,メモリ・チップが備えるチャージ・ポンプの消費電力が増加してしまうためである。

 この課題を解決するため,東京大学らはブースト・コンバータを用いた新電源システムを開発した。新電源システムは,電源制御回路,高電圧スイッチ,コイルで構成する。提案するブースト・コンバータ型電源システムは,従来のチャージ・ポンプに比べて,出力電流が大きく,
かつ電力効率を高められる。このため,NANDフラッシュ・メモリが必要とする高電圧を,より小さな消費電力・面積で実現できるようになる。このブースト・コンバータを導入すれば,
SSD内の複数のNANDフラッシュ・メモリ・チップが個別に備えていたチャージ・ポンプを不要にできる。これにより,NANDフラッシュ・メモリの電源電圧を従来の3Vから1.8Vに低電圧化することができ,
NANDフラッシュ・メモリの消費電力を約68%削減できる。

 今回開発したブースト・コンバータ型電源システムはSSDの低コスト化にも寄与する。チャージ・ポンプを不要にしたことで,40nm〜30nm世代のNANDフラッシュ・メモリのチップ面積を5〜10%縮小できる。
ブースト・コンバータを構成するコイルは,チップ間を接続するインターポーザの配線を活用する。電源制御回路と高電圧スイッチは,180nm世代の安価なプロセスで製造できる。

 開発に際して,東京大学 生産技術研究所の桜井 貴康教授,高宮真准教授のグループが電源回路・3次元集積回路技術,東京大学 工学系研究科の竹内健准教授のグループが
NANDフラッシュ・メモリ回路技術の開発をそれぞれ手掛け,NANDフラッシュ・メモリ製造は東芝が担当した。

Source:http://techon.nikkeibp.co.jp/article/NEWS/20090211/165494