入れ歯回収1年で大きな実績
入れ歯で広がる善意の輪−。不要になった入れ歯を世界の恵まれない子どもたちの福祉に役立てようと、新発田市が市内2カ所に
設置している「入れ歯回収ボックス」に、1年間で136人が投函(とうかん)、約6.4キロが集まった。その価値は約23万円。自身の愛
用品を寄付し回収運動の“旗振り役”を務めてきた片山吉忠市長は「高齢化社会とはいえ、こんなに集まるとは」と驚き、さらなる協力
を呼び掛けている。
使用済み入れ歯の回収は、歯科医師や歯科技工士らでつくるNPO法人「日本入れ歯リサイクル協会」(本部・埼玉県坂戸市)が実施。
通常は捨てられる使用済み入れ歯から貴金属を取り出して精製、売却益を日本ユニセフ協会と、回収ボックスを設置する自治体の福祉
団体にそれぞれ寄付する活動だ。
同協会は全国の自治体にボックス設置を呼び掛けており、新発田市では2007年11月に、市役所1階ロビーとボランティアセンターに
設置した。全国で20番目、日本海側では初めての設置だった。
昨年12月1日までの1年間に、計136人が入れ歯を投函。金、銀、パラジウム合金を精製して売って得た約23万円は、日本入れ歯
リサイクル協会に入金された後、日本ユニセフのほか、約10万3000円が同市社会福祉協議会に寄付された。
使用済みの入れ歯が、発展途上国の子どもたちや地元の福祉活動に役立てるとあって、回収活動への協力を広く呼び掛けてきた
片山市長は「今後もこの取り組みを進め、一層福祉に努めていきたい。市民には、これまで以上のご協力をお願いしたい」と話している。
同市によると、県内で入れ歯回収ボックスを設置しているのは阿賀町や燕市、五泉市など7市町20カ所。
http://www.niigata-nippo.co.jp/pref/index.asp?cateNo=2&newsNo=157117