歌志内:故高橋揆一郎氏 厳寒の命日に「氷柱忌」
歌志内市出身の芥川賞作家、故高橋揆一郎氏(1928〜07年)の三回忌にあたる31日、歌志内市郷土館ゆめつむぎで「氷柱(つらら)忌」と名付けられた文学忌の命名式が行われた。
命日が厳寒期なことや、作品につららを意味する「氷かんざし」があることにちなんだ。
文学忌は「河童(かっぱ)忌」(芥川龍之介)や「桜桃忌」(太宰治)など著名作家の命日に、作品などにちなんで付けられている。
古里をこよなく愛した高橋氏の業績を伝えていこうと、有志が実行委員会をつくり遺族やゆかりの人たちと協議を重ねてきた。
命名式には70人余りが参加。三戸満雄実行委員長が「高橋先生の遺志をつないでいきたい」とあいさつ。
毎日書道展審査会員、東地松亭氏=札幌市=が揮毫(きごう)した額が披露された。泉谷和美市長が祝辞を述べ、炭鉱のまちで数奇な運命をいちずに生きた女性を描いた「氷かんざし」の朗読劇が上演された。
高橋氏は当時の歌志内村で炭鉱の坑内員の四男として生まれた。夜間中学校を卒業後、母校の歌志内小学校の代用教員となり、20歳から42歳まで住友石炭鉱業に事務職として勤務。
その後、文筆業に専念し78年に「伸予(のぶよ)」で第79回芥川賞を受賞した。【西端栄一郎】
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