家族ぐるみでノーテレビ運動
画面から離れて目に優しい生活を―子どもの視力低下に頭を痛める上越市中郷区で、保育園児から中学生を主な対象にした
「ノーテレビ・ノーゲーム運動」が展開されている。子どもだけでなく家族ぐるみで取り組むのが特徴で、
毎月10日をノーテレビ・ノーゲームの日に指定。あらかじめ配られたシートに達成度を記入するなど内容は具体的だ。
住民からは「家族同士が会話をする機会が増えた」との声も寄せられている。
運動の実施主体は中郷小、中郷中、中郷保育園などで構成する中郷区学校保健委員会。
昨年7月から同区在住の約480人の子どもとその家族が参加している。
きっかけとなったのは、昨年春に発表された一つの調査結果だった。
上越市全体42・3%
中郷区 46・3%
裸眼視力が1・0未満の小中学生の割合が、中郷区では市全体の平均を大く上回っていたのだ。
同様の傾向は数年前から続いていた。
「これではいけない」。同委員会のメンバーで中郷小の養護教諭橋本孝子さん(39)らが対策を協議。
一部で疲れ目や視力低下との因果関係が指摘される長時間のテレビ視聴などを控えるよう呼び掛けた。
ただ知らせるだけでは実効性は上がらない。そこで、対象世帯にA4判の評価シートを配り自己評価を求めた。
「食事中はテレビを消す」から「終日、テレビや携帯ゲームをしない」まで5つのコースのどれに挑戦するかを事前に決定。実際にクリアできたかどうかを記入する。
子ども3人とともに挑戦している松田江理子さん(41)は「テレビを消して食事をすると一家団らんの時が生まれた。
これからもノーテレビの日を増やしたい」。しかし、長女の沙矢香さんは(15)は「やっぱりテレビが見たい」とうらめしそうに画面を見つめる。
当初、運動は2月までの予定だったが、橋本さんは「住民の評判が良いので2009年度も何らかの形で運動を続けたい」としている。
http://www.niigata-nippo.co.jp/pref/index.asp?cateNo=2&newsNo=156979