三菱自動車 コスト削減「コーヒー出せません」
世界不況による自動車の販売不振に歯止めがかからない中で、自動車大手が業績悪化を少しでも食い
止めようとつめに火をともすようなコスト削減に乗り出した。
来客に対するコーヒーや紅茶の提供まで取りやめ、「そこまでするのか」と社員も驚いたのは三菱自動車。
文房具の購入も原則凍結して再利用を徹底し、本社の廊下や窓際などは蛍光灯の一部を取り外したので自
動車業界の足元を映し出すような「暗さ」だ。益子修社長ら役員も範を示すべく新幹線などのグリーン車に乗
るのをやめた。
富士重工業は、営業担当者の販売店回りを含めて出張を抑制。取締役と執行役員への報酬を1月分から1
0%削減し、今後は課長級以上の管理職(約1000人)の賃金もカット。東京・新宿の本社の社員食堂は「出張
抑制や、賃金カットで懐具合も響いてか、以前より混雑するようになった」(管理職社員)との声も。
トヨタ自動車も役員を除き、部長級社員の新幹線のグリーン車利用をやめ、海外出張時の航空機のビジネス
クラス利用も取りやめた。創業家への14年ぶりの「大政奉還」を発表した1月20日の社長交代記者会見も東
京ではホテルの宴会場などを借りず、普段は乗用車を展示している東京本社一階にパイプいすを並べて対応した。
マツダも、課長級以上の管理職社員の月給を2月支給分から最大10%カットするなど「あらゆる経費削減を進
めている」(幹部)。当面は「けちけち作戦」が続く見通しだが、各社とも大量削減している「非正規労働者の境遇を
考えると、われわれもコスト削減に努めなければならない…」と社員もあきらめ顔だ。
http://www.sponichi.co.jp/society/flash/KFullFlash20090124068.html