世界を席巻していた日本のゲーム産業に異変が起きている。欧米のゲームメーカーの台頭が著しい
一方で、日本のゲームソフトは売れない状況になっている。3年前からゲーム市場の世界シェアも急激に
低下している。現在は推定で20%程に落ち込んでいるという。専門家は「今後はゲーム会社だけではなく、
テレビ業界、アニメ業界などが横断的にスクラムを組んで攻めに行かなければシェアの縮小は続く」と
危機感を募らせている。
◆ゲーム化権押さえられ身動き取れない状況
エンターブレインの調査によると、2007年のゲームコンテンツ市場(家庭用ソフト・オンライン・携帯電話
ゲーム・PC ゲーム)は、04年に比べ北米が約2倍の1 兆3269 億円、欧州も同2倍以上の1 兆2144 億円に
なった。それに対し、05年に日本から海外へ出荷したソフトの金額合計は、業界団体のCESA(コンピュータ
エンタテインメント協会)調べで、前年比8.7%増の約2528億円、06年は43%増の3629億円、07年は54.3%増
の5600億円だった。ただし、07年は任天堂の「DS」「Wii」用ソフトの人気に支えられたもの。ゲームの専門家
によれば、ここ5年間は、大手ソフトメーカー6社の売上げに占める海外売上高比率はほぼ横ばいの20%。
ハードと合わせても、全世界に占める日本の市場シェアは20%にすぎないと推定している。「ファミコン」や
「PS」が出た当時の圧倒的シェアとは様変わりしているのだ。
ゲーム業界に詳しい野村証券シニアアナリストの桜井雄太さんは、日本のゲームメーカーがふるわない
原因について(1)得意としていたRPG(ロール・プレイング・ゲーム)やシミュレーションゲームは欧米で人気が
低いこと(2)日本国内で利益が上げられることにあぐらをかき、海外展開で「油断」が生じたためだ、と分析する。
そして、欧米でゲームビジネスを積極的に展開しようとしても、今や身動きが取れない悲惨な状況になって
いるというのだ。
▽ソース:J-CASTニュース (2009/01/18)
http://www.j-cast.com/2009/01/18033655.html