七色に変わる発光ダイオード(LED)を使い、がけ崩れや地滑りの危険を伝える装置を、神戸大学工学部の
芥川真一准教授(49)=地盤工学=が開発した。山の斜面の揺れや動きを、周囲にいる人に伝える「光る変位計」で、
危険度に応じて色を変えられる。地震時の建物倒壊現場での救助作業にも利用できるという。
透明なビニールホースの中に通したバネ付きのピアノ線に、10センチ間隔でLEDをつけた。両端を地滑りが
起きやすい斜面、被災地の建物などに取り付ける。バネの伸びによって計測した変位レベルを、LEDの光の色に
変換する仕組みで、例えば普段は青色、危険度が高まるにつれ黄色、赤色へと変えられる。
従来の計測システムは、現場の計測データを無線などで別の場所に送って、パソコンで分析処理するのが主流。
情報収集・伝達に時間を要する欠点があった。このため、芥川准教授は現場ですぐに危険性がわかる装置を開発し、
特許を申請した。神戸市内のトンネル工事現場や、京都府福知山市の国道わきのがけ崩れが心配される場所に取り
付けられた。
データ送信機能を省いたため安価で、持ち運びが容易なため、建物倒壊現場などで救助隊員の二次被害防止にも
使えるという。
国土交通省によると、土砂災害危険個所は全国に約50万カ所。芥川准教授は「危険個所には変位計が必ず
設置されるのが理想だ。行政任せでなく、自分で身を守る一助になれば」と話している。
asahi.com
http://www.asahi.com/national/update/0119/OSK200901190081.html 画像:伸びるとホース内のLEDの色が変わる「光る変位計」
http://www.asahi.com/national/update/0119/images/OSK200901190083.jpg