アニメ批評:「とらドラ!」 奇妙な恋の共同戦線 「ツンツン」美少女が魅力的
背が小さくて可愛らしい容姿とはうらはらに凶暴な性格で「手乗りタイガー」の異名をとる美少女・逢坂大河と、
目つきは怖いが家事全般が好きで実は優しい高校2年生の高須竜児。お互いに相手の親友を片思いしてると
知った「虎(とら)と竜(ドラ)」の2人は「恋の共同戦線」を誓い、なぜか半同居生活が始まってしまうのだった。
原作は、シリーズ計270万部を突破した竹宮ゆゆこさんの人気ライトノベル。ハイテンションな文体でのびのびと
描かれる高校生活と、竜児が目をギラつかせてお料理や掃除に励む生活感の取り合わせが絶妙だが、
なんといってもヒロインが魅力的だ。よく「ツンデレ」といわれる大河だが、“ツン”ばかり。それでいてキュートに
思えるから不思議ではある。
アニメ化に際しては、まさに「ツンデレの女王」と名高い釘宮理恵さんを大河役に据えた。気むずかしくて
ふくれっ面をしがちで、でもドジで頑張り屋である大河の豊かな表情を、“デレ”抜きで演じきる力量には驚きだ。
マイペースな実乃梨役の堀江由衣さんや、ちょっとひねくれた美少女の川嶋亜美役の喜多村英梨さんなど、
声優陣はどれもハマリ役である。
監督は「ハチミツとクローバー2」の長井龍雪さん、シリーズ構成は「True Tears」の岡田麿里さん。自分の
本当の気持ちに気づいていない思春期の揺らぎを映像化するにあたり、これ以上ないスタッフである。
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