http://www.okinawatimes.co.jp/news/2009-01-19-M_1-027-1_001.html 不祥事に揺れた宮古島市の再出発となる出直し市長選が告示された十八日
同市内は各候補の選挙カーが行き交い、支持を訴えるメガホンの声が各所で
響き渡った。前市長の辞職からわずか一カ月足らずの短期決戦。各陣営とも
有権者への浸透に全力を挙げるが、市民らは候補者六人による「大乱戦」に
戸惑いを隠せない様子だ。(上遠野郷)
「よろしくお願いします」。午前十時、同市中心部の交差点では、候補者
たちを乗せた選挙カーがひっきりなしに通りかかった。街頭演説に立った
候補者のそばに、別の候補者の選挙カーが赤信号で止まることもたびたび。
それぞれのイメージカラーの法被を着た運動員たちは、その都度「お互い
頑張りましょう」と声を掛け合っていた。
各陣営は短期決戦を意識し、有権者への支持拡大に気をもむ。ある候補の
選対幹部は「とにかく島中くまなく車を走らせる。一人でも多くの方に
名前を知ってもらわないと」と話す。
しかし、有権者は異例の候補者数に困惑気味だ。市内のスーパーに買い物に
来ていた宮城武利さん(34)は「ポスターがいっぱい張ってあるけど
誰が誰だかわからんね」と苦笑いする。「投票には行くが、まずは名前
から覚えないと。周囲の意見を聞いて投票する人を決めます」
市中心部・西里通りで商店を営む男性(58)も「保守も革新も分裂して
何が何だかわからない。商店街の仲間もみんな困ってますよ」とつぶやく。
「こうなったら人物本位で選ぶしかない。市役所の体質を変えてくれる
リーダーシップがあるかどうか見極めたい」
旧下里公設市場の近くに住む女性(65)は、各陣営とも候補者選びで
曲折し、支持層の分裂や立候補取り下げなどが相次いだことに憤りを感じるという。
「選挙は選挙で仕方ないが、街はさびれる一方なのに政争みたいなことは
勘弁してほしい。新しい市長はわだかまりを残さず、すぐに市の課題に取り組んでほしい」